オースチン・ヒーレー・スプライト Mk1(カニ目)、このところとても調子がよく、ヒーレー以外の集まりにもこの車で参加したりしていたのですが、久しぶりにぐずりました。その模様をお伝えします。
足尾へGo!
この日は、オープンカーの集まり。いつもはポルシェ 718ボクスター GTS 4.0で参加するのですが、この日は思い切ってカニ目で。最近調子がいいので、何ともないだろう、と。
高速道路のサービスエリアで集合し、走ります。時速80㎞+α。
これくらいであればついていけます。
給油はお早めに。
栃木県に入り、そろそろガソリンを入れないと、とガソリンスタンドを検索。
カニ目のガソリンタンク容量は27リットル。燃費はだいたい12㎞/lなので、単純計算すれば300㎞以上は走れます。
が、燃料計はかなりアバウト。そして燃費のばらつきもそれなりにあります。また、給油口が今の車と違っているため、給油ノズルのストッパーがはたらくタイミングにもばらつきがあるような(満タンのかなり手前で止まることも)。

そんなこんなでガス欠リスクを鑑みて、私は一応120マイル≒192㎞を目安に燃料を補給するようにしています。一般の車からするとかなり短め。
違和感!?
高速道路を降りて一般道、街中を走ります。
ちょっと、今日はなんか違う。
感じた違和感は下記の通り:
・もともと2速での発進時(1速がノンシンクロで走りながらギアを入れにくいため、たまにやる)にはクラッチがつながるときに金属が擦れ合う音(ギギ、というかなり大きめの音)がしていたが、1速でも音がするようになった
・かなり奥で半クラッチになるため、かなりクラッチを踏み込まないとクラッチが切れず、変速できない(変速レバーを動かすと、歯車にはねられる)
・変速がちょっと難しく、スムーズにギアがつながらない。前後にがっくんとなってしまう
最初は、久しぶりに乗ったのでクラッチの感触を思い出せていないだけかと思いました。
でも、こんなにぎくしゃくするっけ?ちょっと変かも?という気持ちが芽生え、大きくなってきました。
集まり。
スーパーセブンの方がいらっしゃいました。同じくらいの大きさ!

足尾の町を散策
集まりが終わり、3台で足尾の町を散策。ちょっと古い駅舎に車がマッチしています。

足尾銅山の名残、大煙突。

遠近法をもってしても、後ろの車と同サイズ。

舟石峠へ。車が登らない!?
(ここからは焦っていたため写真がありません。悪しからず)
山道へ。舟石峠という場所を目指します。
ものすごい細い道を上ります。
標高は1,000メートルを超えるくらいでしょうか。斜度は10%くらいでそこそこ急ですが、まぁそこら辺にある山道です。
2速で走っていると、20㎞/h以上出ればしっかり加速していけそうな感じです。
が、
失速する。ん?
回転合わせをさせて1速に入れます。
ふつうはここで盛り返すはずなのですが、、、
ん、止まりそう。がくっがくっと言いながら、時速4キロくらい、歩きよりも遅いくらいの速度に落ちてエンストしそうになります。
一度エンジンを切って、再始動。それでも発進が上手くできません。
水温もあがって華氏210度を超えてきます(華氏212度=摂氏100度)
「詰んだかも」
同行者に事情を話します。
舟石峠まであと900m。もう少しなんだけどなぁ。
同行者が笑顔で励ましてくれます。足手まといになっているのに、すみません!!
もう少し頑張ります。山のてっぺんに近づいて、少し斜度が緩やかに。
あ、動くかも?
ちょっとせき込むように走りながら、ほぼ平坦になったら動き出します。
このまま止まらずに行きたい!
この後もちょっと止まりそうになりながら、なんとか舟石峠に到着しました。
下りは大丈夫。何事もなかったかのように下っていきました。
足尾の宿 かじかで小休止
へとへとになりながら、旧 国民宿舎 かじか(現 四季の彩に風薫る足尾の宿 かじか)に立ち寄ります。
谷に面した温泉で、入り口からは想像できない、急斜面に面した温泉でした。ナトリウム系のぬるっとした感触のあるお風呂でした。おすすめです!

50キロに渡る断続渋滞、クラッチが。。。
帰りは北の日光に抜けて東北道を通るルートを選びました。
が、見る見るうちに渋滞。複数個所で事故が発生し、全然動きません。
1速発進時の金属音はひどくなってきました。さらに、下記の症状が。。。
・渋滞時にノロノロ走っていると徐々にトランスミッションからの振動が大きくなり、突然ギアが抜けてニュートラルになる!
半クラッチ領域がほとんどなく、ギアとギアが「がつん」とつながる感触もどんどん強くなってきました。また、1速と2速の間の変速では、かなり奥までクラッチを踏んでいても「ガリッ」という音とともに歯車にはねられて変速できないことが頻発するようになりました。こうなると、どんどん変速が恐怖に変わってきます。
こんな感じなので、慌ててサービスエリアに入ることにしたのでした。
それでもサービスエリアに入るための渋滞も起こってしまい、そこまでたどり着けなさそう。入り口近くの待避線に車を止めたのでした(一度入るとサービスエリアには行けない)。
超ロングドライブの果て
事故渋滞なら待っていると何とかなるだろう、そう思いながらサービスエリア(への入り口から分岐した待避線)で車を止めること2時間半。時刻は午後7時を過ぎました。
少しだけ渋滞が減ったため、思い切って走ることに。少しずつ自然渋滞時のスピードくらいには戻っていたため、隣のサービスエリアに入って給油し、自宅を目指すことにしました。
ギギー、がつん、といったクラッチのつながりに恐怖を感じながら、少しずつ車が動き出すことに安堵し、家に着いたのは午後9時38分。
かじかの湯を出発してから6時間半後でした。Googleが最初に提示した所要時間は2時間40分だったのにー。
原因と修理
翌々週、いつもの工場に車を運びました。症状はひどくなり、あまりの発進の怖さにエンストまでしてしまい、後続車に怒られました。すみません。
見てもらったところ、下記で解決しました。
1.半クラッチ時に異音がしていた→スレーブシリンダーから出てくるロッドとクラッチレリーズアームの受け皿との接点にグリス塗布
2.クラッチの踏み代や踏み心地がおかしかった→ブレーキマスターシリンダーのエア抜き

グリス塗布
ジャッキアップしてもぐりこんでくれ、グリスの入った注射器で該当箇所に注入!
2分くらいの作業でやってくれました。
ブレーキマスターシリンダーのエア抜き
あれ、クラッチの異変なのにブレーキマスターシリンダーのエア抜き!?
これにはちょっと説明が必要です。
この車は、ブレーキマスターシリンダーとクラッチシリンダーを共用しているらしく、エア抜きはブレーキマスターシリンダーに対して行うようなのです。
油圧ラインに空気(エア)が入ると、踏んでも圧力がちゃんと伝わらなくなってしまい、クラッチペダルのミートポイントが奥になったり、切れ不良が出るそう。
助手席のカーペットを外してメンテナンス穴を開け(こんな穴があったのか)、そこからブレーキ / クラッチフルードを補充、そしてエア抜き作業。エアを抜いたら私がペダルを何度か踏んでいきます。
この作業を数回繰り返すとあら不思議、クラッチのミートポイントが元に戻りました(笑)。
昔の車ってこういうアナログな作業で戻ってしまったりするから面白いです。
高地での失速原因と対策は?
こちらについては工場で再現できないこともあり、根本原因はわかっていません。ただ、キャブレター車の場合は高地で空気が薄くなると、燃料が濃くなりすぎることでスパークプラグが濡れて燃焼不良を起こす、いわゆる「かぶる」ような状況になってしまうようです。
調整用のニードルが濃い目方向になっていたので、少し薄めに設定してもらいました。
ホントは原因はこれだけではないかもしれません。
もしかすると長い上り坂で、燃料ポンプ(電磁式に変えてはある)の性能不足で供給が追い付かなかったのかもしれません。
再発はちょっと怖いのですが、とりあえずはこれで様子を見ることにしました。
絶好調に戻る!
グリスとエア抜きをしてもらったおかげで、車は絶好調に。
いつもながらに気持ちよくきびきび動く車が戻ってきました。
もちろん、エンストはしません。
クラッチひとつでこんなにクルマの感触って変わるんだ、と驚いた今回の不調でした。
今度、ヒーレーのイベントに初めて参加するので、その模様はまた別途お伝えします!










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