当選発表からわずか3か月。あっという間に納車されました。最初の印象をお届けします。
#限定車のため今後普通に買えるわけでもないし、印象をお伝えすることにあまり意味がないのでどうしたものかと思いましたが、掲載することにしました。
ちょっとそわそわしていました
今年は、2月のシビック タイプR(FL5)、3月のフェアレディZ(RZ34)と、2022年に注文した車が相次いで納車されました。
その勢いなのか何なのかわからないのですが、S210の抽選に応募、びっくりの当選となり、あっという間に納車。ということで今年3度目の新車の納車となりました。
生涯こんなことはもう起こらないと断言できるほどの珍事が発生したわけですが、なかでもS210の納車前はそわそわしていました。
やっぱりスバル車が好きなのかもしれません。なにか特別な期待と不安があり、ああもうすぐ納車か、期待通りの車なんだろうか?そうでないんだろうか?そうしたらもう即手放しちゃったりするのだろうか?なんてもう大変。
というのは大げさですが、何か特別な落ち着かなさを感じながら納車日を迎えたのでした。




うわっ、すごくいい
ちょっと申し訳ないのですが、この車、ベース車とはかなり違います。
ベース車(非STIグレード)に乗った時に気になったことはこちらに正直に書いております。
【試乗】スバル WRX S4 (VBH)に再度試乗。350㎞走った感想は?
で、そこがどうなっているかが私にとっては一番気がかりなところだったわけですが、、、
提灯記事みたいで本当に申し訳ないのですが、、、
全然違う!
たぶんSTIの開発者も気になっていたんだと思います。
正直なところベース車でちゃんと作りこんでほしいと思う部分ではあります。
何が違うかというと、
ステアリングを少し切った時に、車がスッと即座に動く、その引っ掛かりのなさ。
そしてステアリングの反力に崖(手ごたえが急に変わるポイント)が全くなく、車の動きにピタリと呼応するように滑らかに手ごたえが増してくるところ。
ほんのり上品な和三盆糖の甘味が舌でスーッと溶けていく、極上滑らかプリンのような感じです。
確かに水平対向エンジンフロント縦置きのためか、ステアリングのセンターに芯が出る、というような鮮やかさはないものの、良くまぁここまできれいに合わせてくれたな、と感心します。
スバルのこの「鬼門」のステアリングフィールを知る者としては、鳥肌モノ。ホントにぞっとしてしまいました。

それが確認できただけで、もう他は何も求めない!というくらいの感動だったのです。
おそらくこの味は、タイヤの選定し直し、フレキシブルドロータワーバー、フレキシブルドロースティフナー、リアスタビライザーブッシュの素材の見直しなど、相当な積み重ねで出てきたものだと思うのですが、一番うれしかったのはそういったハードウェア的な初期応答の特性変化にあわせて、ちゃんとEPSのチューニングをやり直してくれたことです(公式には、「専用ドライブモード」しか書いてないので、「たぶん」ですが)。
ベース車で気になったのは車の動きそのものよりも、車の動きとEPSのセッティングがあっていないと感じられたところだったからです。
これはほんとにどんぴしゃ!!
これだけで車の印象がガラッと変わるので、ほんとうれしいです!
時計をちょっと戻して、感動のはじまり
とはいえ、じつはその前にも、感動のおぜん立てはありました。
このシートはめちゃいい!
まずは、シート。
見かけはちょっといかつくて恥ずかしいのですが、座ってみるとこりゃいい!

最初ネットで見た時は、「カーボンバックにして軽量化したのに、電動化して重くするなんて、何か日和ってるんじゃないか」という思いはありました。
でも、有無を言わさぬこの座り心地!ほんとに、素晴らしい。
しかも電動なのでポジションが合わせやすいし、ちゃんとリクライニングしてくれるので姿勢に無理がない。
この仕様にしたところにS210のコンセプトが良く表れているように思います。
カーボンバックなのでフレーム剛性が高い。そのためきれいな車の動きが本当にきれいに伝わってくる、というわけです。軽さのためじゃなかったみたい。
見回すとベース車でカーボン調だったオーナメントは変更され、ダッシュボードのソフトパッドも悪くない。全体に変更した効果は十分に感じられます。

エンジンをかける前から、とてもいい感触でした。
エンジンをかけるとまた良い

エンジンをかけると、おお、後ろの方からいい感じに排気音が聞こえてきます。
大きくはないものの、しっかり存在感があります。
そのためか、もともと遮音が行き届いていて小さかったエンジン音はますます小さくなり、水平対向特有のツブツブした音はほとんど聞こえてきません。
ずいぶん違う印象です。上品だけど高性能だぞ!と言いたげな全体の音環境。
この音は低背圧のスポーツマフラーによるもの。
ベース車でもこれと似たマフラーはオプションで付けられるので、予算が許せばつけることをおススメします。
走り始め。うわっ、これ何?

そしてギアをドライブに入れて、走り出します。
うわっ!これ。。。
ディーラーの敷地内をアクセルを少し踏んで出口へ。時速は8㎞/hくらい。
何の抵抗もなく、ほんとにスーッと車が動き出します。超気持ち良い!!
アクセルをほんの少し踏んだ時に「スーッ」と車が動き出すこの上品さ!!
まだ敷地から出てないのに、もう感動。
この車、スッと滑らかな動きをするよう、吸排気系のパイプの見直しと、ECUチューン(点火やデュアルAVCS、電動ウェストゲートの制御など)によって吸排気効率を徹底的に上げたようですが、ディーラー構内の極低速域でもその片鱗を見ることができたのには驚きでした。
・・・そんなことでディーラーの敷地を出る前に感動しっぱなし。
そこに来ていよいよ段差を降りて公道へ。その時にハンドルを切り、先ほどの感動につながったというわけです。
なんて素敵な足回りなんだろう
先ほどのステアリングの切れ始めにひとしきり感動した後、いよいよ公道を走ります。
足回りはコンフォートでスタート。ある程度の硬さはあるものの、路面の荒れを「コトッ」と一発で吸収させていきます。上屋はフラット。なんと上品で良く動く脚でしょうか。
これはまた感動もの。
もちろん、ボディは硬いのですが、どこか衝撃を「吸い取っている」かのようなしなやかさ。
何だろうこの極上の乗り味は。
ちょっとだけスピードを上げてからのブレーキングで悶絶!
首都高に乗って、時速80㎞/hちょっとまで上げます。
アクセルレスポンスはかなり良くなっていて、シチュエーションによってはターボチャージャーによる過給が少し遅れて出る感じが皆無ではないものの(というよりCVTがギアを固定しているのを「待っている」?)、初期応答はすごく良い。
トランスミッションもさらに鋭さを増した感じ。私はこの車でサーキットにはいかないので、今後もこのトランスミッションにはほぼ不満なしだろうと思います。
直進安定性などはベース車と似た感覚でとても良い。
ミシュラン パイロットスポーツ 4Sはポルシェ 718ボクスターでも感じたとおり、コーナーリング時にぐにゃっと雑味を伴う粘りがなく、すっきりしています。
そしてこのタイヤ、低音の「ゴーッ」という音が上手くカットされている。さらに、先ほどのマフラーの音がいい感じにロードノイズをかき消していて、全体にまとまりが良い。音に関してもかなり作りこんでくれた感じです。
振動も心なしか少ないような。ベース車でも振動の少なさはなかなか見事でしたが、この車はさらにすごい?リアに加えられた制振材が効いているのかな?
そしてジャンクションでブレーキ。あ、意外に踏みごたえがない!?(←踏力をかけてない時の話です)。ただ、リニアな感覚はポルシェに似ています。どこか抵抗が急に増えるポイントがなくスッとした踏み心地。比較的奥の方でじわっと効いてくる感覚は雪国対応を怠らないスバルらしいチューニング。
が、驚くのはここから。少しブレーキを緩めると、足裏にまとわりつくようにペダルが戻ってきます。スプリング感がなく、油の入った筒(ダンパーと同じか。笑)がじわっと戻ってくる感じ。この「ブレーキペダルの戻り」の感触がめちゃくちゃよい。そして、ブレーキ圧が細やかに変わっているのがわかります。
こりゃきっとテンポよくブレーキを踏んでコーナリングした時にも気持ちいいはず!
ブレーキはご存じの通りベース車から大きく変わったところですが、単にbremboをポン付けしたのではなく、ブレーキブースターのチューニングをきっちりしてくれていることが伝わってきます。
コーナリングの感覚は次回以降で
今回はコーナリングの速度が非常に低く(一般道では交差点で30㎞/h程度、首都高では緩やかなカーブを80㎞/hで曲がっただけ)、フレキシブルパフォーマンスホイールの効果は正直わかりづらかったです。内輪が上手く使えて無理なく曲がっていく感じはあるものの、それがトルクベクタリングやLSDによるものなのか、電子制御ダンパーによるものなのか、などはわからず。これについてはもう少し横Gがかかる環境で乗ってみてお伝えしたいと思います。
AWDの制御も2種類あるようですが、街乗りでは違いを試せず。こちらも慣らしが終わった後に試してみたいと思います。
とにかく丁寧なつくり
ということで、超滑らかプリンと申し上げましたが、料理でいうとしっかり手間暇かけて出汁を取った京料理に近いかも。
すごいハイパワーのエンジンがあるわけでもなく、超絶な切れ味のトランスミッションがあるわけでもなく、素晴らしい重量バランスであるわけでもないのですが、とにかく走り始め、加速、ステアリングの切り始め、ブレーキの踏み始めと戻し始め、そんなところに雑味なく透明感すら感じられるようにきっちりと丁寧に作りこんでいることが伝わってきます。

話を変えれば太極拳か何かのよう。あちらも静止の姿勢からスーッと動き出すところが難しく、スムーズに見せるところに腕の見せ所があるように思います。
車もそうで、静止状態から動き始める時には金属同士が擦れあい、いろんなところにフリクションが発生します。
それをスーッと何事もなかったかのように動かすのはきっと大変なこと(逆に動きが速いと雑でも気づかないもの。スローテンポのバラードを歌わせるとその人の歌唱力がよくわかるのと似ているかもしれません)。
S210はまさにその「はじめの一歩」にものすごいエネルギーを注いで「スーッ」と動き始めるよう作り上げた、そんな感じがします。
この車は細部に情緒が宿っている。
そう感じさせる車でした。
たかがそんなものに高い金払うのかよ!という価値観の方には勧められない車です。正直なところ1馬力あたりの価格は高い。笑
でも、そういうディティールにときめきを感じる方には、お勧めしたい車。
正直私はかなりノックアウトされました。
最近のスバルにはちょっとがっかり、なんて言って申し訳ございませんでした!!
素晴らしい車です!
たぶんこの「なんかいいなぁ」という感覚は、乗っていくうちにさらにじわっと体に染みわたってくると思います。
あぁ、やっぱり私にはスバルの血が流れているんだ。そう思わずにはいられない納車日の体験でした。


※納車直後、街乗りと首都高数㎞をあわせて90㎞ほど走った時の感想です。その後ワインディングに行く機会もありましたので、またお伝えします。










コメントを残す