メルセデス・ベンツ GLB 200d 4MATIC(X247)の記事は久しぶりです。普段使いの車なので改めて振り返ることがないためです。すみません。

ちょっと季節外れではありますが、スキーに行くために買ったスノーチェーンのことを書きます。

スノーチェーンを買うことになった背景

今まで、家族でスキーに行くときはスタッドレスタイヤを履いていました。が、今回はスノーチェーン。その理由は下記です。

・メルセデス・ベンツ GLBが納車されてから一度もスキーに行っておらず、スタッドレスタイヤとホイールのセットは持っていなかった

・今シーズンも2月まで家族行事があり動けず、急遽3月にスキーに行くことになった。そのため、スタッドレスタイヤを注文して履き替えるだけの時間的余裕がなかった

・今年はスキーに行くのはこの1回だけ。この1回のためにスタッドレスタイヤを買うのはもったいない

・ちなみに、スタッドレスタイヤとの交換をする際はホイールもセットで交換するようにしている(何度もタイヤの脱着を繰り返すとサイドウォールがへたってくる)。4本ホイールとスタッドレスタイヤのセットを純正でそろえると二桁万円の後半の値段がしてしまい、気軽には買えない

そんなこんなで、スタッドレスタイヤ以外の選択肢を探すことになりました。

※なお、北国にお住いの方を中心に、「こういうところでケチって、備えもない中で雪国に来られるのってホント迷惑」と思われる方も多いと思います。お気持ちもっともだと思います。が、現実問題としてお金や交換手間、使っていないタイヤの保管場所の問題もあり、年1回か2回の雪道走行のためにどれだけの備えをするか、というのは(雪国でないところに住んでいる我々にとって)比較的切実な問題ですので、その点迷惑なのは重々承知で書いていることをお断りしておきます。

選定:ゴム製スノーチェーンか、布製スノーチェーン(スノーソックス)か?

ここで悩んだのが、ゴム製のスノーチェーンにするか、布製(スノーソックス)にするか、という点。

特に、布製チェーン(スノーソックス)は近年注目を浴びているアイテムであり、かなり興味をひかれる思い。ちなみに、スノーソックスもJASSA(一般財団法人 日本自動車交通安全用品協会)によるタイヤチェーンとしての認定を受けています。

ゴム製スノーチェーン、布製スノーチェーン(スノーソックス)の実践的メリット・デメリット

選定時のポイントは下記でした。

スノーソックスゴム製チェーン
着脱のしやすさ圧倒的に簡単やや面倒
保管時のサイズめちゃコンパクト(パーカー1着くらい)かさばる
耐久性高くはない。ドライ路面を走ると数10㎞で穴が開くとのレビューあり(※)高い
利便性注意点あり。凍結するとグリップ力が落ちるため、30分以上使わない場合外しての保管を推奨左記のような注意点はない
価格安い(15,000円程度)高い
(※)耐久性についてはJASSAの基準を満たしています。ただしJASSAではドライ路面(本来使用すべきではない路面)での耐久性について要件を持っていませんので、ドライとスノーのミックス路面での使用においてはユーザーレビューを参考にせざるを得ません。

具体的な購入候補

スノーソックスで候補にしたのは、「オートソック」。ノルウェー発の老舗です。

対するゴム製スノーチェーンは、下記一択(イエティ・スノーネット)。メルセデス・ベンツ GLBには下記しか適合しているものが見当たらなかったからです。

我が家における選定プロセス

最初はスノーソックス(オートソック)にしようと思っていたのですが、一点引っ掛かりました。

それは、「凍結するとグリップ力が落ちるため、30分以上車を利用しない場合は外して保管する方が良い」ということ。このことは、オートソックの公式サイトに記載されています。

スキーに行くことを想定すると、

雪が見え始めそうなところでチェーン装着→スキー場に到着したらチェーン脱着→スキーが終わったらチェーン装着→宿についたらチェーン脱着→翌朝チェーン装着→スキー場に到着したらチェーン脱着→スキーが終わったらチェーン装着→帰路でチェーン脱着。

・・・気が遠くなります。笑

1泊2日のスキーでも装着・脱着がそれぞれ4回。これはちょっときつい。

また、これは決定的な要因ではありませんが、ドライ路面を走った時の耐久性も気になりました。(実際に走らせてないのでレビューを見て想像するしかないのですが。。。)

実際のスノーチェーンの装着においては、路面の中央や轍の間に雪が見え始めたらすぐに最寄りの脱着場に車を止めて作業をしないといけません。完全なスノー路面になってしまってからの装着では危ないからです。そう考えると、実際の利用シーンではチェーンを装着してからもある程度の距離はドライまたはウェット路面を走ることになります。

ほんとに耐久性大丈夫かなぁ?という不安がよぎります。1回走っただけでボロボロになった、というユーザーレビューも、使用条件が明示されていないため(どれだけの車重の車で何㎞走ったのか、時速何㎞/hで走ったのかわからない)どうにもわからないのですが、気になることは気になります。

やはり、スノーソックスは、急な降雪などの「不測の事態」をしのぐための緊急手段的な使い方のほうが向いているのかな、と思いました。

ということで、装着のめんどくささ、保管性の問題、価格の高さといったデメリットはあるものの、今回は着脱の回数を減らせるというメリットのため、ゴム製のスノーチェーンを選びました。

装着の練習!感じたこと、気を付けること

雪道でいきなり装着するのは、手がかじかんでいるなどいろいろな要因を考えると危ないので、一回自宅の洗車場を借りて練習します。

ちなみに、GLBの説明書を見ると、「スノーチェーンは前輪のみに装着する」との注意書きがあります。FFベースの四輪駆動であることがわかりますね。後輪は巻くと車のほかの機構と干渉してしまうため、「絶対に装着しないこと」とのことです。

装着方法は下記の公式ビデオがわかりやすいです。

イエティ スノーネット 装着方法

良かった点

うちの車がSUVで、ホイールとタイヤの間に手を入れるスペースがあったこと。作業性が全く違います。

大変だった点

思いのほか力が必要な点。ワイヤーを伸ばす作業があるのですが、これがけっこうな力仕事。

ちなみに、チェーンの取り付け時には明確にロックレバーの位置指定があるため、一人での装着はかなり難しいと思います。車を動かしながらチェーンを装着していくため(しかもタイヤ1回転とかそれくらい)、外に一人、「ハイ、車動かしてー」「ハイ、止まって」といってくれる人がいないとなかなか大変ではないかと思います。

注意すべき点

コンクリートやアスファルトの上でチェーンを装着しようとすると、ゴムの接合部やスパイク部分の金属がコンクリートやアスファルトに接触し、コンクリートやアスファルト、また金属にも傷がつきます。(作業性向上のためにハンドルを少し切った状態で装着するのですが)、車を動かすときは据え切りなどはせず、タイヤを動かしながらハンドルを切るように注意したいところです。

実際の装着の難易度は?

私の場合は確実な装着のため片輪ずつやりました。装着は片輪5分、両方合わせて10分。脱着も同じくらいかかりました。方法は簡単なのですが、装着時にはワイヤーを伸ばしてタイヤにかぶせる作業、脱着時にはワイヤーを伸ばしてタイヤから外す作業にかなりの力が必要でした。

実際に装着したところ。ややホイールに対してワイヤー部分が「ずれて」いるように見えますが、これはごく低速でハンドルを左右に切ったため。走行しているうちに補正されていくもののようです。

グリップ力や乗り心地は?

夜には雪が降り、路面はご覧の通り(これでもけっこう溶けてきた後)。

GLBにもつららが。

ここから車山高原スキー場への上り坂(約12%の勾配)を登っていきます。

グリップ力はかなり良い。メルセデス・ベンツ GLBで雪道に行ったのは初めてなので比較が難しいですが、スキー場近くの駐車場の上り坂をまったく滑らず登っていきました。ここはFFのミニバン+スタッドレスタイヤだとけっこう空転させながら登っていく箇所(実際に10㎞/hくらいに失速してから加速しようとするとスタックしそうになる車がいます)。

メルセデス・ベンツ GLBは後輪(サマータイヤのまま)も駆動していますが、そちらも滑ることなくしっかり仕事をしていました。ちなみに、四輪駆動モードは「オフロード」に設定。サマータイヤを履いた後輪がほとんど滑らないことを確認したため、積極的に後輪に駆動力を配分するこのモードのほうが安心感があると思って設定しました。ただ、通常のモードでも全く問題なく登っていくようでした。

乗り心地は秀逸。公式ウェブサイトに、「乗り心地が良すぎるために、装着したままドライ路面を走っていても気づかないことがあります。お気をつけください」といった宣伝なのか何なのかわからないFAQがありましたが、それはさすがにオーバーとは思うものの、雪の上ではほとんど違和感がありません。コーナーリングでは物理的にチェーンの位置がずれるためやや気を使いますが、乗り心地や操縦性はかなり良好だといえます。

スキー場に行くと、好奇の目で見られたことはありましたが、それさえ気にしなければこういったスポット的な利用であれば非常に役立つアイテムだと感じました。

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