ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0で日帰りドライブに行ってきました。ドライブルートの見どころ、走りの楽しいポイントについてご紹介します。今回は、霧降高原でニッコウキスゲを見て、川俣ダム・瀬戸合峡、黒部温泉に立ち寄り、旧日塩もみじラインを疾走するプランです。

全体のドライブプラン

横浜起点の走行距離は約550km。

今回のメインテーマは、大好きな旧霧降高原道路を走ること、そしてわりとハードなヘアピンが多い旧日塩もみじラインを718ボクスター GTS 4.0で走るとどう感じるか、試してみることです。今回も走り中心ですが、旧日塩もみじラインはよりハードな道であることが、前回の草津温泉ドライブとの違いです。

【昼食】けやき(日光市)立ち寄り

日光インターチェンジ(IC)を降りる頃にはお昼。日光ICを降りて右折し、県道248号に乗って2、3分走ると到着します。最初Google mapsで案内されたところがガソリンスタンドなので間違えたかな?と焦りますが、その隣にちゃんとあります(図中B)。

注文したのは「唐揚南蛮タルタルソース」。タルタルソースと書いてありますが、イメージとちょっと違う、ドレッシングのようなソースです。

が、形も工夫されてて、とてもジューシーでおいしい!ああ、こんなにたくさん食べていいのかな?と思うような量が出てきます。罪悪感を感じつつも、完食させていただきます。

けやきの「唐揚南蛮タルタルソース」

そして、乳酸菌飲料とチョコレートがデザートに!ああ、ダメだ、いただきます!

旧霧降高原道路&ニッコウキスゲ

道路の概要

このドライブのメインイベントの一つ、旧霧降高原道路(栃木県道169号栗山日光線)。栃木県日光市松原町の国道119号との交差点から、大笹牧場レストハウス前の県道245号栗山今市線との交差点までがこのように呼ばれています。区間距離は約18.5km。かつては有料道路でしたが、2006年に無料開放されました。山を一つ越えるのですがそのあたりで霧が発生しやすいためこの名前が付いています。

旧霧降高原道路。南側から北上
旧霧降高原道路。南からのアプローチでは女峰山などを見ながら登っていく快走路。

なんかいつもと違う

空いていれば快走路ですが、追い越し不可のため、車が多いと一転、今一つな道になります。今までは平日に行くことが多く、車も少ないため爽快なドライブを楽しんでいたのですが、今回はなんか違う!

車が多く、しかもすごくゆっくり。。なんか勝手が違う。途中待避所で前の車との間隔をあけようかと思いましたが、次から次へと車が来る。しかもかなりゆっくり。。

霧降高原の駐車場近くに行ってわかりました。ニッコウキスゲが咲いている季節なんだ!じつはGoogle mapでプランを考えている時に、そういえばニッコウキスゲってもうすぐじゃないかな、とぼんやり考えていたのですが、そのまま深く調べず。

霧降高原の手前にある第3駐車場に差し掛かったところ、駐車場から車があふれて止まっています。でも、もう午後なので駐車場から車がどんどん出てくる。ならば!と思い、急遽駐車場に向かいました(図中C)。

旧霧降高原道路、第3駐車場入口
霧降高原第3駐車場。駐車場の外まで車があふれていました

キスゲ平園地

なんとか奥の方に止めて、徒歩でキスゲ平園地まで、階段を上ります。階段を上ること950段ほど、素晴らしい景色を楽しむことができました。

予定外ではありましたが、一度は見たかったので、得した気分でした。

さて、ドライブは続きます。車を走らせ、峠を越えて下りに入ります。相変わらず車は多いため走りは諦めて大笹牧場へ。

この、南から北上して大笹牧場へ向かうルートは、視界が開けて牧場が広がる牧歌的な景色で、ちょっと日本離れしている感じがするルートです。どうせゆっくりなので、景色を楽しみました。

旧霧降高原道路。霧降高原から大笹牧場に向かって下る
霧降高原道路を下ります。視界が開けてなかなかの絶景!(車載映像はすべてGoProで撮影した動画から切り出したものです。ダッシュボードの映り込みがありますがご容赦ください)

大笹牧場の駐車場(図中D)に止めて、おみやげ購入。いつもは大きめのサラミを買うのですが、今回はハムとカモのローストを購入。

栃木県道169号線(県道245号線重複区間)~県道23号川俣温泉川治線

道路の概要

栃木県道169号線の大笹牧場から県道23号との交差点までの区間は、途中までまずまず走れるワインディングで、その後ヘアピンで急速に下っていく道になります。山の中で木々に囲まれているため、景色はあまりよくありません。舗装もけっこう荒れています。今回は、ここもだいたい前走車がいたためのんびりでした。

栃木県道169号
栃木県道169号(245号重複区間)。たまに視界が開けるところがありますが、基本は山の中。路面もところどころ荒れているので注意が必要です。

交差点を左折して県道23号川俣温泉川治線を川俣温泉に向かうと、最初は快走路、急に1車線~1.5車線の険しい山道になります。ところどころ工事をしているものの、なかなか改良は進んでいない模様。ブラインドコーナーも多いため、けっこう神経を使う道です。

栃木県道23号
県道23号との交差点を左折すると、すぐに鬼怒川を渡ります。しばらくは快走路が続きます。
栃木県道23号。急に狭隘道路になる
そばや「山味」の手前から中央線がなくなり、その後行き違いが難しい狭隘(きょうあい)道路になります

細い道を慎重に走り、川俣ダムと瀬戸合峡を目指します。途中、廃業した旅館等もあり、少し物悲しい感じがあります。

川俣ダムと瀬戸合峡

川俣ダム駐車場に到着(図中E)。周りには雑草がうっそうと茂っています。

ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、川俣ダム駐車場にて。
川俣ダムの駐車場。ここからダムまで徒歩5分。夕方になるとダムまでの遊歩道は閉鎖になるので注意

歩いてダムまで行くと、ダムの一角から瀬戸合峡の方へ下る階段があります。15時までに入ってね、とあります。ギリギリセーフ。今は瀬戸合峡までは行くことができず、吊橋までしか行けないようでした。吊橋まで合計450段の上り下り。またかぁ。。

頑張っていきました。途中「スズメバチに注意」の張り紙にかなりビビりながら。ちなみに観光客はゼロでした。

しかし、本日合計2,800段の階段を上り下りしました。想定外の展開です。ただ、私のポルシェ 718ボクスター GTS 4.0はPDKなので楽勝です。マニュアルだと、こういう時足が笑っちゃってきついんですよ。。

【温泉】黒部温泉 元湯 四季の湯

今回のドライブは予想に反して階段苦行。そろそろ温泉にでも入って身体を休めたい。

川俣ダムからは、元来た栃木県道23号川俣温泉川治線を元に戻り、県道169号との分岐を目指します。分岐の手前に、黒部温泉 元湯 四季の湯という日帰り温泉があります(図中F)。ここは露天風呂しかないこじんまりとした立ち寄り湯です。露天は山に囲まれた、川沿いのワイルドなところです。鉄塔が近くにあったりとそれほど景色は良くはありません。

源泉はすぐ近く、加温・加水をしていない源泉かけ流し。ほのかに硫黄の香りがします。露天風呂の湯舟は2つあり、一つは温度が高め、もう一つはやや低めになっています。

黒部温泉 元湯 四季の湯ホームページ

ワイルドなロケーションが素晴らしい、癒される温泉でした。

ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、黒部温泉四季の湯の前で。

ちょっと寄り道:県道23号で川治ダム→国道121号で五十里(いかり)ダム

ダムマニアではないのですが、旧日塩もみじラインに行く途中に、五十里(いかり、と読むそう)ダムに立ち寄ります(図中G)。そのルートを取ると、必然的に県道23号は川治ダムの終点まで行くことになります。終点付近は川治ダムの真上(天端というらしい)を通ります。

栃木県道23号、川治ダムの天端
川治ダムの天端を通ります。左がダム湖

国道121号線にぶつかり、右折すると、比較的道幅の広い道路を下り、トンネルを抜けると五十里ダム見晴台。

五十里ダム見晴台

いよいよ旧日塩もみじラインへ

道路の概要

夕闇も迫るころ。いよいよこのドライブのハイライトです。

国道121号線を南下し、龍王峡駅に向かう道路との交差点を左折すると、旧日塩もみじラインです。栃木県日光市藤原から栃木県那須塩原市塩原までの約28.5kmの区間で、2020年12月に無料開放された道路です。正式名称は栃木県道19号藤原塩原線。名前の通り、沿線はカエデの木が植えられており、紅葉の季節はとてもきれいだそう。

私は走るのが目的で、ハイシーズンに行ったことがないので、全線うっそうとした木の中をひたすらストイックに走る道路というイメージを持っています。沿線に2つスキー場があるのですが、道路に斜度があり道幅も広くないことから冬のシーズンはけっこう気を使うので、なおさら(私にとっては)ハードなイメージが定着しています。

道路はヘアピンが多く、ところどころ直線と中速コーナーがあり、全般に速度域の低めな道です(制限速度も30㎞/h)。ただし、全線複線になっており安心です。

前半、ヒルクライム

南からアプローチすると前半の15㎞くらいはずっとヒルクライムです。

旧日塩もみじライン。カエデに囲まれ、カーブが続く道をポルシェ 718ボクスターで快走
旧日塩もみじライン。カエデに囲まれ、カーブが続く道。写真のような中速コーナーよりもヘアピンに近い道が多い。ほぼ全線追い越し禁止。

ヘアピンが多いため、速度が30㎞/h以下になることもあり、自然吸気(NA)エンジンの718ボクスター GTS 4.0にとってはちょっとしんどい道です。ちなみに30㎞/h、2速のエンジン回転数は1,900rpmで、さすがに1速までは落とさないので、そこからの加速はちょっと緩慢。ヘアピンで速度を落とし、「1、2、3フル加速!」とやると、どうしても速度が乗るまでのトルクの薄さが気になります(といっても2,000rpmで330Nmあるので、そこまで遅くはありません)。

そして、やっと速度が乗ってきたかと思うと次のヘアピン。そんなところだとやっぱりターボの方が初期加速のパンチが感じられ、高性能車に乗っている気分が味わえます。

それでも、中速コーナーを2速または3速でリズミカルに駆け抜けていくのは非常に気持ちよく、またヘアピンで速度が落ちすぎないようにヘアピン前後との連続性を意識すると、かなり走りごたえがあります。トルクバンドに入るようにスムーズな運転を心がける、というのが意外に面白く、ターボの瞬間的なダッシュ力を楽しむのとはまた違った面白みにどっぷりはまり、気が付けば夢中でステアリングを握っておりました。

小休止

そんなこんなしているうちに、頂上近くに差し掛かります。

このあたりには白滝があり、駐車場から30秒くらいで見に行けます(図中H)。

白滝
白滝。駐車場のすぐ脇にあります。結構な水量があります。
ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、旧日塩もみじラインの白滝駐車場にて。
ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、旧日塩もみじラインの白滝駐車場にて。
718ボクスター GTS 4.0。白滝の駐車場にて。雲の多い夕方に、ゲンチアンブルーの紺色がきれいでした。

後半、ダウンヒル

下りは斜度がややきつくなる一方、カーブは緩やかになります。途中エーデルワイススキーリゾートとハンターマウンテンというスキー場があります。

しばらく下ると奥塩原温泉。静かな山間の温泉という感じで、いつか泊りで来てみたいところです。

下りきると国道400号線とぶつかり、旧日塩もみじラインは終了です。

このドライブもこれで終わり。あとは帰路あるのみです。

718ボクスター GTS 4.0は、いつもの通り一つ一つのコーナーの身のこなしが正確でかつ軽快です。アクセルを抜くだけでフロントが内側に入っていく感覚もあり(それも唐突ではなく非常に連続的でわかりやすい)、力でねじ伏せるのではなく、荷重移動だけで曲げるのはとても楽しいです。

NAエンジンは初期加速に刺激がない分、コーナリング時の加重移動の楽しさに神経を集中させることができたため、個人的にはNAエンジンの718ボクスター GTS 4.0で走った今回の方がターボエンジンの718ボクスターで走った時よりも楽しかったです。

この旧日塩もみじライン、現実的なスピードで楽しめる峠道としては関東でも有数の道ではないでしょうか?ただし、全線追い越し禁止のため、交通量の多い時は全然楽しくありません。走りが目的であれば、オフシーズンの平日早朝・夕方などを狙いたいところです。

帰り道

国道400号線との交差点を右折すると塩原温泉郷、そこから東に行くと西那須野塩原IC(図中I)にたどり着きます。途中下塩原バイパスが完成し、少しアクセスが良くなりました。

西那須野塩原ICからは東北道を東京方面にひたすら走りました。帰りの高速道路はハイペース。120㎞/h区間で法定速度で走っていても、どんどん追い抜かれていきます。ちょっとついていきたい気持ちもありながら、自制して帰りました。ちなみに、自制する一番良い方法は、オープン状態で走ることだと思っています。風の巻き込みと風切り音で、あまり速度を出そうと思わなくなる、というのがその理由です。

国道400号、塩原温泉郷付近
塩原温泉郷から西那須野塩原ICに向かう途中。

まとめ

今回のドライブでは、前半走りを楽しみにしていた旧霧降高原道路は車が多く、その代わりにニッコウキスゲを楽しめました。

一方、夕方の旧日塩もみじラインは、同じ718ボクスターであっても、NAエンジンの車とターボエンジンの車で、異なる楽しさがあることがわかって面白かったです。いずれにしても、かなり楽しい道だなと思います。ただ、この時間の走行は、本当にたくさんの虫が付着するので、覚悟が必要です。

二つの道路ともに21世紀になって無料になった道で、お財布にも優しいので、また走りたいなと思いました。

川俣温泉のあたりは泉質もよく、気持ちの良い温泉がたくさんあります。「映える」ポイントが少ないためか人が少なく、行くたびにちょっと寂れたかなぁと感じてしまうのは残念ですが、なんとか温泉地として頑張ってほしいなと思います。

記録

走行距離(横浜から):547.8km

走行時間:8時間14分

燃費:11.6km/h(オンボードコンピュータ)

今回は、下道が比較的長かったこと、旧日塩もみじラインで燃費をだいぶ下げたことから、全体としてもそれほど伸びませんでした。それでも4.0Lの大排気量を考えれば悪い数字ではないかな、と思います。

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