前回『面倒くさがりのための「車の売却方法」を考えてみた』で、一括査定とオークション代行の比較をしてみました。今回は、実際に売ってみたときの話を書きます。

実際の査定現場でのやり取りなど、参考になることがあるかもしれません。

日産 セレナ(C26)、オークション代行で売るか一括査定で売るか?

日産 セレナ(C26)はグレードがハイウェイスター Vセレクション、マイナーチェンジ前のモデル。登録は2014年1月、走行距離40,000㎞強の固体です。当時の売れ筋グレード、色も白系で売れ筋(私の人生で唯一白色の車。笑)

わりときれいに乗っていたので軽微な傷はあるものの、傷1か所いくらの減点、と誰が見ても査定できるような状態です。

前回の考察からすると、「人気車」であるものの、いかんせん9年半乗っている車なので、それほどの金額はつかなそう。

・・・ということで、オークション代行を第一候補にしました

しかし、今まで一括査定でばかり売っていたこともあり、次の車の納車日の5日前に初めてアクションを起こしたところ・・・。

「オークション代行だと、最低でも1週間いただかないとダメなので、納車日にはどうしても間に合いませんね。。」との返答。

初オークション代行の利用は、お預けとなりました。

しかたなく、一括見積もりで売ることに。リクルートのカーセンサーは、2年前はしつこい電話なしというのがウリでしたが、最近また電話は復活しているようです。電話はいやなので、「最大3社とだけやり取りすればよい」という触れ込みのMOTAを利用することに。

MOTAの一括査定を利用してみた

「45秒で入力完了!カンタンネット車査定」という触れ込みの一括査定サイト、MOTA

ここは売りたい車の概要を入力すると、MOTAを通して最大20社に査定依頼が行き、翌日18:00までに業者による事前入札が行われるという仕組み。そこで入札額の高かった最大3社から電話がかかってくるというもの。

使ってみてわかったのは、45秒で査定依頼できるとはいうものの、実際には入札をしてもらうために写真を送らないといけないため結構面倒だということ。(ちゃんと査定してもらえるよう写真を送りましょう!というメールと共にMOTAから電話がかかってくる)。傷の写真なども改めて撮らないといけないため、あらためて車の写真撮影をすることに。マンションの駐車場で撮るわけにもいかず撮影可能な場所へ移動することも含めると、必要書類の準備に2時間近くかかりました。

また、事前入札の仕組みもやや不透明で、業者間でどこがいくらで入札しているのか知っているのでは?と思われる節もありました(たぶん買取業者にカマかけられただけですが)。

いろいろ運営側で試行錯誤をしているようではあるものの、結局ユーザーから見るとそんなに使い勝手は良くないなという印象。

実際に一括査定で日産セレナ(C26)を売ってみた

いずれにしても、事前入札で金額の高かった買取業者3社が出張査定に来てくれることになりました。

日産 セレナ(C26)
日産 セレナ(C26)

さて、ここから駆け引きは始まります。ホントに面倒なのですが、ここからは申し訳ないと思いながら「ビジネスライクな人」になることに決めました。

買取業者は自分たちが落札するために少しでも情報を得ようとしますが、そこで情報を提供することは即売主にとって損になるからです。

電話応対時の基本:余計なことはしゃべらない

まず、18時になると一斉に電話がかかってきて、出張査定の日時を決めるのですが、その際に「他に何社か?」「どこの会社か?」「いくらくらいで一次入札しているか?」「あそこの会社はずいぶん高い金額で入れてきているようですね(たぶんカマかけられた)」など様々なことを聞いてきます。答えていいことは一つもないので、すべて取り合わないようにします。とにかく、出張査定の日程を決めることだけに専念しましょう。日程はこちらから一方的に指定してかまいません。

出張査定の基本:同じ時間にすべての業者を集める

これは言わずもがなのことです。いわゆるリアルオークションになります。出張査定だからと言って一社ずつ来てもらうのでは競争原理が働きません。手間も省けていいですね。

抜け駆けは許さない

さて、アポを取り付けると、必ず出てくるのが下記のようなパターンです。

  • 「すみません、じっくりとお話を聞きながら査定をさせていただきたいので、30分早くしていただくことはできませんか?」

オークションを避けようとするこの典型的な手口は申し訳ないですが拒否します。「どうしても都合がつかなくなったので早めてほしい」、というようなバリエーションもありますが、これも同じ手口です。

そして、時間近くになると必ずあるのが、下記の2パターン。

  • 「すみませんちょっと早くついてしまったんですけど、車見させてもらっていいですか?」
  • 「すみません、ちょっと遅れてしまいます」

どうしてビジネスパーソンなのに時間を守れないのかしら!?なんて驚きはしません。

どちらもリアルオークションを避けたいために抜け駆けか後出しかを狙っているので、これも申し訳ないですが拒否します。後出しはちょっと厄介ですけどね。。オークションには頭数がいてもらわないと困るので。

査定中の情報戦には応じない

さて、査定が始まると折に触れこちらの様子を伺い、話しかけてくる人がいます。だいたい中堅どころでしょうか。正直、話す暇があったら車を見てもらいたいのですが、残念ながらそうもいかないようです。

  • 希望の査定額はありますか?
  • いくら以上だったら売る、とかいうラインはありますか?
  • 他社で見積もりをされましたか?だいたいのラインでいいので教えてください!
  • B〇さん(BMWではない大きな機械の会社)もいますが、彼らが一番の金額を出したら売るんですか?

これらは、すべて落札金額の落としどころを探ったり、自分が勝てそうかどうかを探るためのものです。答えて何も得なことはありません。

ですので、こういう時は、お答えできず大変申し訳ないと思いながらも「フェアにやりたいので、個別にはお答えできません」と答えるようにしています。

中には、

  • 他社が出してきた一番高い金額より1万円高く買うのでお願いします。そうすればお互いにハッピーですよね?

とあからさまな抜け駆けをしようとするパターンもありますが、当然これには応じません。

あくまでフェアにやるのが参加者全員にとって良い結果になると思います。

誠意を見せることも大切

ただ、そうは言うものの一回限りとはいえ信頼関係は重要なので、私はたいていの場合、入札金額をみんなの前で公開する、と宣言しておきます。で、名刺の裏に金額を書いてもらったものを一斉に集めて一斉に公開しています。このあたりは人それぞれのやり方があっていいのかなと思います。

要は、不用意に情報は与えないけど、ちゃんと入札してくれたら公正に買い手を決めますよ、という姿勢を見せることは必要じゃないかな、ということです。そうしないと入札に参加するのもバカバカしくなりますからね。相手も仕事で一生懸命にやってきているので、私も公明正大にやるという誠意は見せておきたいなと思っています。

落札者は?

落札者は「自社店舗で売る」と宣言していた買取業者です。やはり直販だと高く買ってくれる、というのは本当だなと思いました。事前入札の価格も高かったので、その通りに落ち着きました。

落札者が決まったら忘れずに念を押しておくこと

落札者が決まったら、その業者との契約締結に入ります。これは単純作業ですが、重要なことが一つ。名義書き換えをちゃんとやってもらうことです。

所有権が移転したら陸運局に2週間以内に名義変更の届出をしなくてはいけないそうですが、これがされていないと、売って手元からなくなった後に車が何らかのトラブルになった時に、元の持ち主のところにすべてやってきてしまいます。

必ず名義書き換えをしてもらうことはきちんと念押ししましょう。

あと、最近買取業者はいろいろ話題の絶えない業界で、会社の存続に疑義(ぎぎ)のある会社は出てこないとも限らないので、入金がないうちにすべてを持ってかれないように自衛が必要だと思います(例えば入金があるまでは委任状等の必要書類を渡さないなど)。

補足:買取業者ごとに入札金額はばらつく?

何回か一括の出張見積もりをやってみましたが、どうも入札金額がばらつく場合とばらつかない場合はあるようです。

入札金額がばらつきやすい場合

  • 車の程度があまり良くない場合、査定者または買取業者の技量でばらつく
  • 「魅せ車」など特殊な事情が絡む場合はばらつく

先ほど見たように、かなり大きな傷がある車の場合、査定額がかなり開きました。(ディーラー提示:30万円、オークション最低提示価格:37万円、最高提示価格:64万円)

最高提示価格を提示したところはセンサーを使って丹念に異常な修復がないかを見ていました。おそらく自社工場で安く直せる、などの事情も影響していると思います。

「魅せ車」のパターン、1回は、「自社店舗の目玉の位置に飾りたい」と言われました。ここは他社よりも30万円くらい高かったです(提示価格150万円)。

もう一回も、「自社店舗で販売予定」とのことでした。実際カーセンサーなどの紙面に出ることなく買主に渡ったようで、すでに買いたいお客様がついていたのかもしれません。(この時はディーラー言い値20万円に対して実際に売れた価格は95万円でした。ディーラー大丈夫か?)

入札金額に差がつかない場合

逆に、あまり差がつかない場合は、

  • タマ数の多い人気車で程度がいい場合

この手の車は中古市場にも出回るので、買主に対する販売価格がほぼ決まってしまっているようです。それで減点要素がないと、色や年式、走行距離でかなりデジタルに価格が決まってくるようで、あとは先ほどの直販(店頭販売)を想定しているかが価格差の要因になりそうでした。

まとめ

2回に渡って、車を売却した体験をまとめました。

結局オークション代行で売ってみたかったのに、また一括査定になってしまいました。私はこういう交渉事があまり嫌いではないので一括査定もイヤではないですが、事前の電話はイヤです。そういう意味では次回はオークション代行の方がいいなぁと思いました。

まぁ、今回も車を売るのは全然楽しくなかった。。。何はともあれあまり目を吊り上げてやらないことが精神衛生上良いよなぁ、という平凡な結論に落ち着いたのでした。

面倒くさがりのための「車の売却方法」を考えてみた(オークション代行vs一括査定)を読む

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