2025年に入り、新年早々S210発表のニュースが入ってきました。
アメリカ向けのS209以来6年ぶり、日本向けとしてはS208以来8年ぶりの「S」シリーズです。
最近は「STI」もほぼすべての車にグレード名として設定されており、単なるスポーティラインのグレード名と純正アフターパーツのブランド名として認知されるようになってきた感があります。
それがここにきて、いきなりの「S」シリーズの登場。しかもマニュアルトランスミッション(MT)ではなくスバルパフォーマンストランスミッション(CVT)ベースです。
物議を醸していることは言うまでもありません。
今回はSNSや掲示板の書き込みにおけるスバリストの反応を元に、このモデルを概観しつつ、今後のスバルの商品展開についても空想していきたいと思います。
おまけとして抽選結果も掲載しています。
あらためてS210に応募した理由、期待と不安についても別記事にまとめました。
2025年10月16日追記:納車されました!納車直後のレビューは下記をご覧ください。
スバル S210はスーッと口どけする超滑らかプリンの味わいでした(納車直後の印象)
追記3:応募状況
(2025年6月22日時点の情報です)
応募は3,600件台で応募倍率7.3倍。
50台の特別塗装色枠(別抽選)が16倍超、その他の色が6倍台でした。
色はWRブルーが一番人気で僅差でマグネタイト・グレーが続く展開。この2色で7割くらいのようでした。
50代と60代で応募者の7割。40代が続くイメージ。価格の高さもあり年齢層は高めでした。
なお、応募時点では転売対策は特になく、当選後に発覚した場合は当選も取り消す場合あり、当選しても購入しない場合は理由を尋ねる場合があります、との但し書きがある程度でした。
締切は6月29日、発表は7月10日です。
※2025年7月10日追記:最終的に応募は5,000件を超えたとのことです。
追記2:スバル「S210」の価格が明らかに
2025年5月22日追記:あるメディアによると、車両本体価格(税込)は870万円だそうです。
予想の上限近くの価格設定です。500台なら転売屋も含めて十分売れるだろう、との目論見でしょうか。
追記1:スバル「S210」の抽選時期等が明らかに
2025年3月31日に特設サイトがオープンしました。
※2025年4月21日追記:私がお世話になっているディーラーでは抽選応募期間が5月22日~6月29日になるとのこと。今回は発売と同時にじつは完売していた、ということはなさそうです。
ボディーカラーは「WRブルー・パール」「マグネタイトグレー・メタリック」「セラミックホワイト」「クリスタルブラック・シリカ」の4色に加えて、50台限定で「サンライズイエロー」が選べるところが新しいところです。
サンライズイエローは先代BRZ tSや、S207にも設定されたことのある色ですね。
スバル 「S210」の概要
2025年1月17日現在、スバルからリリースが出ておりますので、詳細はそちらをご確認ください。
スバル S210に関するプレスリリースを読む

主な仕様はこちら:
- エンジンはFA24F(ターボ)をベースに300PS/5,700rpmに出力アップ。トルクは375Nmとベース車と同一だが、最大トルク発生回転数の上限を4,800rpmから5,600rpmまでアップ
- トランスミッションはベース車と同じスバル・パフォーマンス・トランスミッション(SPT)だが、専用制御とした。また、オイルクーラー(トランスミッションフルードクーラー)も装備
- マフラーを低背圧、エアクリーナーを低圧損のものに変更
- タイヤサイズを変更(245/40 R18 → 255/35 R19)。銘柄はミシュラン・パイロットスポーツ 4Sに変更
- フロントブレーキがモノブロック対向6ポットキャリパーのついたbrembo製に変更
- WRX S4 Sport#でお目見えしたSTI製フレキシブルパフォーマンスホイールをはじめとしたSTIパーツが全部盛り
- ZFザックスの電子制御ダンパーは専用制御に変更
- その他スタビライザーブッシュの変更など、走りに関する変更
- ドライカーボンのリアウィングが追加
- カーボンバックのRecaroシートに変更
このように、さすがにSシリーズ、走りにかなり手が入っています。
個人的には「ほしい」が。。。
個人的には、これを見た時に「ほしい」と思いました。
(昨今の書き込みを見ると、こう表明しただけで「お前は車の価値をわかってないただのヲタコレクターか、と叩かれそうな雰囲気がありますが。。)
が、タイミング的にシビックタイプR(FL5)とフェアレディZ(RZ34)が納車されたばかりのため、抽選への応募も躊躇しそうです(家族からも愛想をつかされる)。
期待ポイント
個人的に期待が膨らんだのは下記です:
- フレキシブルパフォーマンスホイールをはじめとするSTIパーツによって、ベース車で気になったステアリングフィール(センター付近の頼りなさ)が解消しているといいな!(試乗記はこちら)
- SPTの専用制御によって、ベース車で気になったシフトダウン時の一瞬の「空走感」が消えているといいな!
もちろん、ブレーキの強化はマストだと思っていましたし、個人的にミシュラン・パイロットスポーツ4Sの方がトレッド面が柔らかそうで、この車には良いのでは?と思っていたので、この変更もいいなと思いました。


音もベース車はちょっと物足りなかったので、低背圧のマフラーも期待大です。

躊躇するポイント
一方で、購入を躊躇するポイントも。
そもそも、ベース車で「気になった」ポイントは、特別モデルでなくても最初から対処しておいてほしいところ。フレキシブルタワーバーやドロースティフナーなどの有料オプションを付けないと気持ちいい走りにならないというのはこのクラスの車ではちょっといかんのでは、という思いはあります。
その上で、タイヤサイズの変更により全幅が1845㎜(ベース車は1825㎜)に。アルミホイールがベース車の8.5Jから9Jにサイズアップしている関係でタイヤが引っ張り気味になるはずなので、我が家の駐車場ではホイールのガリ傷が心配。ミシュラン・パイロットスポーツ4Sはリムガードがけっこう張り出しているのが唯一の救いです。
「良さ」を確かめられないもどかしさ
本当にスバルのいう「運転が上手くなる」車に仕上がっているなら(こういった「走り味」に関する部分は、機能部品の単価も上がるなどコストがかかることもあり)コンプリートカーで800-900万円は個人的には十分「あり」だと思っています。
馬力だけでなくこのあたりの「走りの質感(抽象的すぎてあまり好きな言葉ではありませんが)」を求めたら、ドイツ車では量産車でも1,000万円級に入るレベルです(ドイツ車は域内の高い労働者賃金もあり、価格は割高。その価格を「ブランド力」みたいなもので正当化している面が多分にある)。
ただ、本当にそうなのか確かめようがないところが困ったところ。最近のスバルにはややがっかりすることが多いこともあり・・・。
SNSや掲示板でのファンの反応は?
基本的に自分が気に入った車は誰が何と言おうと買う、というスタンスであるため、普段SNSや掲示板の反応はあまり見ません。が、今回はちょっともやもやした気分もあり気になって見てみました。笑
もやもやの正体は、現時点におけるスバルの最高峰スポーツモデルが出たという現実を目にして、これがスバルの「最高峰」なのだとは認めたくない気持ちや、MTや400馬力近いモデルが出るというかすかな期待が潰えたことに対する残念な気持ちではないかと思います(「S」シリーズであることを差し置いて、単体でみれば良い車なんだろうと思いつつ)。
SNSや掲示板を見てみると案の定、出てくるのはかなりネガティブなご意見。ここでは代表的なご意見を5つ紹介します。さらに、それぞれに対してそういった意見が見られる背景や、今後多くの人の要望に沿った製品が出てくる可能性について考察(空想)してみたいと思います。
#私自身はネガティブではないんですよ。念のため。
その1:MT車ではないとイヤだ!
最近のスバルに関する投稿はほぼこれ。それほどポピュラーな意見です。
実際、MT車にはどれくらいの需要があるのでしょうか?
背景1:スバル乗りのMT需要は根強い!
アメリカにおける現行型(VBH)WRX(日本名WRX S4)を見ると、モデル初期のデータではあるものの、MT車比率は80%を超えていたようです。
この数値はアメリカでもかなり大きいらしく、スバルのファンにはMT乗りが多いことがわかります。

背景2:MT需要はミドルクラスの特定車種に集中してきている
WRXのMT車比率の高さは、昨今の自動車を取り巻く環境も影響しているかもしれません。
近年はハイパフォーマンスカーを中心にMTがどんどんなくなっています。エンジンのトルクが非常に大きく、MTでは対応できないためと言われています。(大トルクに対応できないことと、(大トルクのエンジンで)ドライバーが操作ミスをするとトランスミッションが壊れてしまう可能性が高くなることが主な理由)
そうすると、MTで操る楽しさを享受できるのは、だいたい300PS-400PSくらいの車が限度(とはいっても、BMW M2は480PSに6速MTを組み合わせるなど、かなり頑張っています)。
にもかかわらずこのクラスでもMT車は減少の一途(ミニのJCWもVWゴルフGTIもMTは廃止)。そこでMT需要がWRXなど、特定の車種に集中してきているのかもしれません。
いずれにしても、WRXクラス(いわゆるCセグメント)の車にMTを設定すると、それなりの需要が生まれるようです。
今後の展望1:MT車を国内で出すだけの需要はあるか?
それでは、具体的にWRX S4のMT車にはどれくらいの需要があるのでしょうか?
既出ですが、アメリカにおけるWRXの2023年の販売台数は24,681台。仮にMT車が8割だとするとざっと年間2万台がMT。モデルサイクルを長めの7年とすれば、ざっと累計14万台。
| アメリカ | 日本 | |
| WRX | 24,681 | 2,300 |
| レヴォーグ | 15,267 |
対する日本。
日本ではWRX STI(VAB)の販売台数がモデルサイクルを通してざっと年間3,000台くらいでした。
仮にWRX S4にMT車が設定されて、WRX STI乗りの50%がその車を買うとしたら年間1,500台くらいの需要が出てくるでしょうか?
| WRX STI(VAB)の販売台数 | 3,000台/年 |
| WRX S4にMT車が設定された場合に WRX STI乗りが WRX S4を買う比率(予想) | 50% |
| WRX S4 MT車の需要(予想) | 1,500台/年 |
ただ、WRX S4はWRX STIよりもスペック的にもおとなしいため、(たとえS4のスペックのままMT車を設定したとしても)WRX STIからの乗り換え(あるいは新規ユーザー)はそれほど期待できないのではないかと思います。
(実際に私の周りでもホンダ シビックタイプR、BMW M2などなどへの乗り換え・増車組がけっこういます)
ということで、高いハードルだと思いつつ年間1,500台の需要があったとしても、モデルサイクルを7年に設定してようやく累計1万台。アメリカの10分の1以下です。
| アメリカにおけるWRXのMT車需要 | 20,000台/年(140,000台/7年) |
| 日本におけるWRX S4のMT車需要(予想) | 1,500台/年(10,500台/7年) |
| 比率(日本/アメリカ、%) | 7.5% |
このように、需要面からMT車を発売するのはなかなか厳しそうです。
ホンダ シビックタイプRは国内だけでも最初のロットで2万台ほどオーダーが残ったようですし(キャンセルで抜けた分を除く)、マニュアル車のグレードはシビックの他のグレードにもあります。そう考えるとWRXとはスケールが全然違う。
GR86 / BRZ、ロードスターなども国内ではWRXよりも一桁多く売れています。
残念ながらこれが現実なのかな、と思います。
今後の展望2:MT車を国内で出すのは本当に大変なのか?
じつは北米仕様にもアイサイトはついています。

それを日本に持ってくればよいのでは?という声も根強いようです。
私は自動車の認証については詳しくないのですが、おそらく大変なのは開発ではなく保安関係の認証取得なのではないでしょうか?(とはいっても右ハンドル用にMTを持ってくるので大変は大変そう。ただ、アイサイトはソフトウェアの微修正で何とかなるのでは?)
これを(7年間の累計で)1万台のためにやるか、というとなかなかできないだろうなと思います。
※ちなみに、読者の方からもご指摘いただいたように、アメリカのWRXの6速MTは、TY75というもともと5速MTだったものを6速化したものです(確か5代目レガシィで6速化された)。許容トルクが360Nm程度となっており、アメリカの現行WRXの最大トルクもそれに合わせて350Nmに設定されています。このギアボックスはCVTよりも許容トルクが小さいため、特にSシリーズのトランスミッションとしては、「なーんだ」ということにはなってしまうかもしれません。やはり、VABまで使っていたTY85が最低限必要だろうと思います。)
予想:やはり国内でのMT車は難しそう
ということで、個人的には今のWRXの商品性とスバルの国内販売力を考えると、MT車はでない、と予想します。残念ですが。(逆に、販売台数を稼いで投資を回収することを考えるとWRX S4登場時にMTが設定されなかった時点で、可能性は薄かったのでしょう)
その2:CVTはイヤだ!
2つめは、「その1」と切っても切れない関係ではありますが、「MTがないならせめてDCTか多段ATを」というご意見。
なぜCVT、そんなにイヤなのでしょうか?
この点については、2つの背景があるなあと思っています。

背景1:CVTはハイパフォーマンスカーに向かない?
1つ目の理由はちょっと致命的なところだと思うのですが、CVTがハイパフォーマンスカーに向いていないから?というものです。
これには証拠らしいものがあります。
それは、ニュルブルクリンク24時間に参戦している車両(NBRチャレンジ2024, 2025)のトランスミッションは「6速シーケンシャルギヤボックス+パドルシフト」であること。詳細はわかりませんが、市販のCVTをベースにしていないことは間違いなさそう。
私は技術者ではないのでわからないのですが、おそらくCVTの許容トルクに限界があると思われます。
私の知りうる限りでは、今までのCVT車のカタログ上の最大トルクは400Nm。これ以上は厳しいのかもしれません。
| 最大トルク | トランスミッション | |
| S210 | 375Nm | CVT |
| 過去最大のトルクを発生するCVT車 | 400Nm | CVT |
| NBRチャレンジ2024 | 590Nm | 6速シーケンシャルトランスミッション |
実際に走ってみても、1速での発進加速はけっこう「もっさり」しています。トランスミッション保護のため、ECUによる出力制御(トルクリミッターのような動き)があるように思います。
あるいは熱問題もあるのかもしれません(S210にはオイルクーラーが追加されている)。
いずれにしてもWRXベースのレースカーにCVTを積んでいないことは、CVTはスポーツ走行には向きません、とスバル自らが表明しているようにも見えてしまいます。
一方、例えばポルシェのPDKは、ほぼそのままGT3やGT4のレース参戦車両に使われています。
こんなところからも、CVTはハイパフォーマンスカーに向かないからという理由でイヤだ、という人がいるのは至極もっともに見えます。
背景2:イメージが邪魔をしているだけ?
もうひとつは、イメージの問題。CVTは成り立ちからして、「非力なコンパクトカーの燃費を稼ぐためのトランスミッション」というイメージが付きまとってきました。しかも登場時当初はフィーリングがネガティブな意味で独特でした。
そのトランスミッションをハイパフォーマンスモデルにも搭載するですから、心中穏やかでない人も大勢いそうです。
今後の展望1:CVTに代わるトランスミッションは出てくるか?
もし技術的な問題でCVTが性能の上限を決める制約条件になっているのだとすれば、スポーツカーにおいてはCVTをやめるか、CVTの許容性能の範囲内で車を作らなければいけません。
CVTをやめる、そんな可能性あるでしょうか?
すべての車がEVに置き換わるまでの間に、スバルがCVTに代わるトランスミッションを採用することは、個人的には望み薄だと思います。現在をEVになるまでの過渡期と捉えれば、そこでエンジン車用のトランスミッションで「攻める」ことは、スバルに限らずどのメーカーでもやらないと思います。そういう意味でスバルは国内ではエンジン車が滅びるまでCVTを使い続けるように思います。
今後の展望2:CVTのイメージアップをするという戦略は取り得るか?
それでは、CVTを使い続けつつ、「負のイメージ」を払拭することは可能でしょうか?
もし、CVTがイヤだというのがイメージだけの問題であれば、イメージアップ戦略は取りうるのではないかと思います。
たとえば、マニュアルよりも「速い」ことをアピールする、あるいはそれに加えて、「過酷な利用状況における耐久性」がちゃんとあることをアピールする、などです。

CVTをスポーツモデルにも採用し続けるのであれば、それ相応のイメージ戦略も必要。CVTがスポーツドライビングにも適していることを証明するようなマーケティング活動はやらないといけないのでは、と思います。
これをやったところでMT乗りにアピールできるとは思いません。でも、世の中にはそうでないユーザもいるわけですから、その層を取り込むための努力はできるはずです。
予想:電動化前にCVTに代わるトランスミッションは出ない。でもイメージ向上は可能かも?
EVになればそもそもCVT等のトランスミッションはいらなくなるので、この過渡期のタイミングでCVTに代わるトランスミッションは出ないと思われます。ただ、スポーツ走行でもCVTはすごいぞ、という打ち出しは、「本当に事実なのであれば」という前提付きで可能だと思います。
その3:パワー・トルクがないからイヤだ
今回はECUチューンで最高出力が300PSまで引き上げられました。一方ピークトルクは同じ375Nmです。
個人的にはスポーツカーには高回転の伸びが欲しいので、こうした味付けは歓迎ですが、それでも先代VABのSTIにはピークパワー、ピークトルクともに及んでいません。
「パワーアップよりもレスポンスにこだわった」とSTIの人たちは言いますが、やはりスポーツカーで「スペックが落ちた」車に乗るのに抵抗がある人は多いのだと思います。

背景1:WRXはどんどん「遅く」なっている
実際、スバルWRXはGC8の頃からほぼピークパワーが上がっていない一方で、車重はかなり増しているため、パワーウェイトレシオはGC8(WRX STI)の4.46からS210の5.43(開発目標値)にかなり悪化しています。一言でいうと、どんどん「遅い」車になっています。
| 車名 | ピークパワー(PS) | 車重(Kg) | パワーウェイトレシオ |
| WRX STI (GC8) | 280 | 1,250 | 4.46 |
| S210 | 300 | 1,630 | 5.43 |
各社このクラスの車(おおむね2Lターボ車)は1,700kgくらいの車重に400PS超のエンジンを持ってくることが多く(BMW、AMG、アウディなど)、パワーウェイトレシオは4前後。
別に比較しなくてもいい気もしますが、事実は事実。
個人的にも、4輪駆動は重くなり安定方向に働くので、パワーはあったほうが面白そうだと感じます。400PSくらいのパワーを積んで、それを涼しい顔で操ってみたいなと思います。
背景2:ニュルブルクリンクチャレンジの車両とは全くの「別物」であるという現実がある
さらに悪いことに、S210は「ニュルブルクリンクの知見」を取り入れたと言っても、NBRチャレンジの車両はスペック的にはまったく別物。
| 車名 | 最高出力 | 最大トルク |
| NBRチャレンジ2024 | 380PS / 6,000rpm | 590Nm / 3,500rpm |
| S210 | 300PS / 5,700rpm | 375Nm / 2,000-5,600rpm |

例えばポルシェ 718ケイマン GT4 RSとそのレース車両のクラブスポーツを比べると、出力は同じでトルクも15Nmしか違いません。このトルクの違いも、おそらくレースにおける性能調整の幅を持たせやすくするために上げたもの。保安装置以外、レース車両のまんま市販車にした、という感じです(価格も近いですが。。)。
こうみると、どうしてもS210に「本物」感を感じられない、という人は多いようです。
今後の展望:めちゃくちゃ速いWRXやSシリーズは出てくるか?
個人的には、出てくるとは思っています。でも、それはフルEVになった時かな、と。あるいは、ほぼモーターで駆動するハイブリッドか。。。
予想:めちゃくちゃ速いWRXやSシリーズがでてくるのは、純エンジンでなくなってから
残念ながら私の予想はコレです。ちょっと期待するのに疲れました。涙
補足:CAFE規制の影響はほとんどない
たまに、CAFE規制があるためハイパワーの車が出せない、というようなご意見も見ますが、実際のところその影響はほぼないと思います。
それは、CAFE規制が企業の加重平均の燃費に対する規制だから。つまり、販売台数の多い車の燃費をあげて企業の平均燃費を向上しないとあまり効果がないのです。各社がEVやHVに力を入れつつイメージリーダーとしてハイパフォーマンスカーも残しているのは、そういう理由です(ハイパフォーマンスカーは台数が出ないので、多少燃費が悪くても企業の平均燃費への悪影響はあまりない)。
たとえば、スバルは年間100万台近くの車を製造・販売しています。フォレスターは、世界で20万台以上売っています。
この車をすべてストロングハイブリッドにするとどうなるでしょうか?
| アメリカで主力の2.5Lモデルの平均燃費 | 13㎞/l強(WLTC) |
| ストロングハイブリッドの平均燃費(予想) | 18㎞/l強 |
| スバルの企業平均燃費への寄与度 | 1㎞/l程度(改善) |
では、WRXのMT、ハイパワーの国内販売モデル(1,500台/年)を出すとしましょう。
| 仮想WRXの平均燃費(適当) | 10㎞/l |
| スバルの企業平均燃費(想像) | 15㎞/l |
| スバルの企業平均燃費への寄与度 | 0.007㎞/l程度(悪化) |
ご覧のように、フォレスターを全部ストロングハイブリッドにするの比べて、影響度は130分の1くらいです。
こんなもんなので、じつはCAFE規制がハイパフォーマンスカーを発売できない原因になっている、ということはあまりないのです。
その4:「サメ肌」に塗装が施されているのがイヤだ
不評だったサメ肌に対しては、ずっと「無塗装でないと」空気の整流効果が得られない、これは機能部品なんだ、と言い張っていたスバルですが、今回のモデルを見ると、VIZIV CONCEPTと同様、塗装がされているように見えます(実際プレスリリースにも、塗装されていることが明記されています)。
そこに対するツッコミも相当程度ありました。

背景:ブランドの姿勢に一貫性がない?
不評を伝える営業の声に開発が折れたのかもしれませんが、一度技術的に良かれと思って出したものをひっこめると「結局技術的な信念なんて後付けのデタラメだね」と言われるのがオチ。
「技術的にやるべき」というのだったらやり続け、「これでもいいかな」という信奉者を作るのが筋。
ポルシェ 911 GT3 RSなんかをみても、空力パーツの鬼でもはやエレガントさのかけらもありません。が、そんなことを言ったら、「これは速さを追求した車なんだ。そういう車に乗りたくないんだったら別の車のほうに行ってくれ」とポルシェから返ってくるでしょう(もっと丁寧にコミュニケーションすると思いますが)。
嗜好品になってくると、ブランド(提供者側)はブランドが大切にしていることを極めて、その姿勢に共感した人々がついていく、という部分も少なからずあります。軸がぶれることが一番(ブランドにとって)怖いはず。
この点、真意はわかりませんが、個人的にもスバルのブランドマネジメントには疑問を感じずにはいられませんでした。

予想:今後、サメ肌はどうなるのか?
わかりません。
変えた原因が、塗装しても効果が得られる方法を編み出したからなのか、それともそもそもサメ肌に問題があったからなのか(たとえば直進安定性には絶大な効果があったがコーナーリング時に悪影響が出るとか?)、単にユーザの声に押されて急遽デザインの見直しが行われたためなのか、分からないからです。
いよいよボディ同色のものも出てくるんでしょうか!?
その5:Sシリーズのヘリテージを大事にしていないのがイヤだ
歴代のファンからは、MTでないことに加え、カーボンルーフでないこと、ブレーキキャリパーの色が赤であることなどについても、「過去のSシリーズへのリスペクトがない」などの指摘が出ていました。

背景:スバル、STIも迷っている?
おそらく、過去のSシリーズの「不文律」を守っていないところは、スバル、STIも迷っているからではないかと思います。
MTを出せない以上、MTであることが不文律であったSシリーズとしては「異端」になります。それを覚悟してでもSシリーズを出すとなると、逆にそのほかのパーツでぜんぶ不文律を踏襲すると、「MTが出せないのにカッコだけSシリーズのかわいそうなやつ」となってしまいます。
となると、今まで以上に「今までとは違うSシリーズなんだ!」とアピールして新機軸を打ち出さないといけなくなるわけです。
でも、そうするとまたたたかれる。
そのあたりに、今回のS210を出すにあたっての苦悩が見え隠れしている気がしました。
予想:これからも迷走は続く?
スバル、STIともにWRX S4においてはデザインを中心に相当チャレンジングなことをしていると思います。あのサイドガーニッシュもそう。
それもこれも、従来の延長線上でハイパワーな車を企画することができないので、なんとか別の価値を作ろうとしているのだろうと思います。その一環で新規ユーザへのアピールも必要。既存のファンからの批判もある程度は覚悟しているでしょう。
とはいえ、新しい価値を提案しても売れないと辛いもの。
そういった中で、おそらく「わかりやすくて売りやすい車を作ってほしい」営業部門と「何とか新機軸を打ち出さないと」と焦る企画部門の間でも相当なやり取りがあるのでしょう。
そういう意味で、こうした「迷走」は今後も起きるのだろうと思います。
それもこれも、かつての桂田勝氏や、走り味を決めていた辰己英治氏みたいな強烈な人がいなくなったからなのかもしれません。
もうちょっと調整型でない人が、「コレだ!」と信じてプロジェクトをやり切る、そういうことが今のスバルには必要なんだろうと思います。
どっちつかずな商品の方向性?
ここまでSNSや掲示板での意見を見てきました。が、どれもこれもユーザの反応はもっともで、そのどれもがスバル自身がまいた種のような気がします。
個人的には先ほど書いた通り、ほしい気持ちはあるものの「待っていたのはこれだよ!」と諸手を上げて喜べていないのも事実。
スバルの現在の持ち駒から考えると、個人的には(自分が欲しいかどうかは別として)「S402」の後継のような方向の車が良かったかも、と思っています。

実際、現在のWRXは、4代目レガシィB4よりも全長・全幅ともに大きくなっています。そのままレガシィB4と言ってもよい車のように思います。
トランスミッション(CVT)がピーク性能の制約になっていて、持ち駒でハイパワーの車を作れないのであれば、そちらは目指さず大人なスポーツセダンを目指しても良かったような。
そうすると、見栄えももう少し控えめでよいのでは?と思います。
個人的にはカーボンバックのRecaroシートもいかつすぎます(しかもなぜかこれが重い電動シートなので、そのあたりも迷走しているように見えてしまう)し、ドライカーボンのウィングもちょっと雰囲気にそぐわない。そのあたりを削ぎ落しておとなしい外観になれば、大人なスポーツセダンになり、「速くないのに高い」などと揶揄されずにも済むのではないのかな、と思います。
(ついでに言えば、コンプリートカーであってもRecaroやBremboなどのサプライヤーのブランド名を借りて「ハク」を付けようとするブランディングもちょっと残念ではあります。STIブランドだけでは弱くて売れない、という企画側の弱気な姿勢が見え隠れしてしまいます。)
(執筆時点で価格は発表されていませんが、800万円前後ではないかと予想しています)


今の車は、そんなに速くない割に(あくまでも加速性能などの話であり、サーキットに行けば速いのだとは思います)見かけはすごく戦闘的なので、少しアンバランスに感じます。
逆に、見た目はカッコいいなと思っています。あのカッコだったらやっぱり400PSほしいです。。

ファンをがっかりさせ続けないでほしい
「がっかり」の中枢
今回のS210は、走りを大事にしているコアなファンからすると「言い訳の多い」仕様であることが一番のがっかりなポイントだと思います。
たとえば、300PSのエンジンはピークパワーよりもレスポンスの良さを追求した結果、MTがないのもCVTのほうがむしろ速くスムーズに乗れるから、リアブレーキキャリパーが対向式ではないのは実質を重んじた結果、などなど。
・・・確かに実用上困らないかもしれませんが、800万円程度の車に乗る時に、「実を取ったんだからいいだろう。」と思いながら乗るのは、そんなに嬉しくないのではないかなと思います。
別のところにも書きましたが、スポーツカーはある意味「夢を売る」ようなもの。左脳で考えて自分を無理やり納得させて乗るようなものではないように思います。
ニッチブランドにとって「コアなファン」は大切
ブランドとしてファンの期待を裏切り続けていると、コアなファンを失い、どこにでもあるブランドに成り下がってしまいます。そうすると「規模による効率性」の観点から見ると競争においては不利になってくるはずです。
スバルが、スポーツモデルを中心としたいわゆる「スバリスト」を捨てて(ジャガーみたいに)ブランド刷新するのであれば、それはそれで決断としてありでしょう(でも、リブランディングは社運を賭けてやる非常に難しいもの。たぶんスバルにはその気はない)。
ただ、メインストリームは「安全」に惹かれてやってくるユーザだけど、「昔からのスバリスト」にもたまには何か与えておけ、みたいな感じでこの局面を切り抜けようとするのであれば、それは長期的にはブランドにとって痛手になると思います。コアユーザは、そういった「魂の入ってない」プロダクトをすぐ見抜いてしまうからです。そして、ブランドに愛想をつかした人から順に少しずつぽつり、ぽつりと抜けてほかのブランドにスイッチしていく。残ったのは浮動層のフォロワーだけ、みたいになってしまいます。
年間生産台数が100万台前後のニッチなメーカーなのですから、コアなファンは大事です。スバルには熱烈なファンがいるのですから、その人たちは財産のはず。その人たちをあまりがっかりさせ続けない方がいいのでは?と思ってしまいます。ホント、余計なお世話ですが。
会社のブランドアイコンの「志」は高くあってほしい
長々と書いてきましたが、個人的には(私が社長だったら)「つべこべ言わずに380PSのWRX STIのMT車を出す!」くらいの判断はしたいところだと思いました。だってこの会社の頂点のモデルですよ?その山が低くてどうする、と思います。あー、ちょっとすっきりしました。
(ちなみに、これを今のS210と同じようなボディで実現しようとするとCVT→MTで30kg軽くなると仮定して1,600kg。パワーウェイトレシオは4.21となり、シビックタイプRも超えることができますし、歴代Sシリーズの中でも最高レベルのはず。)
まとめ:抽選、応募するのかしないのか?
ディーラーさんからも案内があり、「まったく自分たちにも東京オートサロン以上の情報は入ってきていない」とのことでした。
続報には期待しつつ、実際に抽選に応募するかどうか迷う日々になりそうです。
※2025年6月22日追記
悩んだ挙句、抽選に応募しました。
心変わりしたのは下記の理由です。
・スバルの、走りにこだわった純エンジン車としては最後になりそう。
・高津益夫氏という、辰己英治氏の右腕(?)のような方が責任者を務めており(1990年代から車体設計のリーダーとなりWRXやレガシィの開発に携わってきた方。先代WRX STI/ S4の開発責任者(PGM)でもある)、走りのチューニングには期待できる。
・ニュルブルクリンク24時間レースのドライバーである久保・佐々木選手が運転しながらこのクルマをベタ褒めしていた。(特に久保選手)
「NBR直系に偽りなし、究極のAWDスポーツセダン!!」STI S210の全てが解るコンプリート版(自動車研究家 山本シンヤの現地現物。30:10頃から久保選手登場)
・その動画の音を聞く限り、エンジンの排気音がクリアになりいい音になっている。
応募倍率を見る限り当たらないと思いますが、楽しみに発表を待ちたいと思います。
※2025年4月6日追記
特設サイトがオープンし、ジャーナリストに対する試乗会も開かれたようです。
サイトを見る限り、私はこのコンセプトはありだと思いつつ、WRX S4のベース車で気になった、前述のステアリングの微妙な感じとCVTのダウンシフトタイミングの違和感が解消されているのかどうか、確かめるすべがないため躊躇しています。
特に、ステアリングについてはレイアウトに起因する構造的な難しさが(イマイチになってしまう)原因としてあり、そう簡単にセッティングでリカバリする事が出来ないはずなので、イマイチなままなんじゃないかという一抹の不安が払拭できません。このあたりは一部のジャーナリストを除いて決して本音を言ってくれないところなのでなおさらです。
最近納車されたシビック タイプRが本当に素晴らしい車であるため、なかなかその1.5倍以上の価格(一説では900万円程度とのうわさも)で乗る気にならないかなぁという個人的な事情もあります。
ということで、今のところ積極的に応募しよう、という感じにはなっていません。
我が家のS401の次回定期点検まで悩むことになりそうです。
2025年5月22日追記:価格が明らかになりました。スバルの販売戦略に対するもやもやとした気持ちが拭えず、応募しない方向で固まりつつあります。

まとめ追記:抽選の結果
※2025年7月10日追記
ディーラーの営業さんから電話がかかってきて、なんと当選したとのこと。
総数で5,000超の応募。うちイエローが1,000ちょっと超えたのかな、という感じみたい。
うちの地元(神奈川)でもイエロー以外で三百数十人の応募で当選は33枠だったそうなのでやっぱり10倍程度。
ちなみにこの時点でメールによる当選通知は入っていないようなので、ディーラーさんからの直電が最速の発表ルートのようです。
全然当選すると思ってなかったので、心づもりがゼロでした。
これから車庫の確保などいろいろしないと。。。
我が家、ついに8台目になってしまうのでさすがにこれはまずいかも。これまでの7台と違い、完全に予定外の車なのです。
週末に申し込みに行きますので、納期等わかりましたらまたお知らせいたします。
2025年10月16日追記:納車されました!納車直後のレビューは下記をご覧ください。
スバル S210はスーッと口どけする超滑らかプリンの味わいでした(納車直後の印象)
おまけ:いわゆる「限定商法」はどこまで続くか?
このようなコンプリートカーは実際のところ数を作るのが難しく、仕方なく限定台数で出しているのだと思います。ですので、これをもって限定商法と批判するのはお門違い。(といいつつ、ポルシェなどが、手のかかる車を限定車としてではなくカタログモデルとして出していることを考えると頑張ればできるはず、とは思います)
ただ、スバルには台数限定の限定車が多いのも事実。味をしめていると言われてもしかたない部分もあるかと思います。
が、このような商売は、逆回転すると非常に速くダメになる怖さがあると思います。
限定商法の需給メカニズム
ちょっと絵をかいてみました。まずはうまくいっている時。

新車を買いたい人は下記:
1.実需(本当に欲しい人)
2.「(そもそも台数が限られていて=供給の上限が決まっていて)高く売れるだろうから、維持費くらいで楽しめるなら乗りたい」という浮動層
3.再販時の値上がりを期待して仲介・転売をする層(ここではわかりやすく転売ヤーと呼びます)
需要はこの人たちの総和で成り立っています。
限定車の需要の総和は1.の実需の数倍に膨れ上がっていることも多いのではないでしょうか?
なぜでしょうか?
需給バランスの予測は元来難しいですが、限定車の場合、供給量は決まっているからです。その台数より需要が多いか少ないかを予測するだけですから、とても簡単です。だから、2.や3.の人も安心して参加してくるのです。
商品力があれば、中古市場は下記の傾向になります:
1.新車で買った実需の人は乗り続けるため、中古市場のタマ(供給量)は減る(中古車市場に出てくるのは新車時の限定〇〇台から乗り続ける人の台数を引いた値。ただし、2.と3.の人はすぐに車を手放すため、初期に大量の中古車が出てくる)。
(新車で買えなかった人も含め)中古で乗りたい人の実需も大きい
2.「そんないい車なら値崩れしないはず」と踏んで、一定数2.の浮動層と3.の転売ヤーがここでも参加する
そのため、少ない供給に対して需要の連鎖が起き、値崩れしないという状況が続きます。
しかし、悪い方に回ると大変です。
商品力のない限定車を出すとどうなるでしょうか?

新車を買いたい人は下記:
1.実需(本当に欲しい人)→減る
2.の浮動層→いなくなる(自分が乗った後に高く売れると期待するからこの車に乗っているわけで、その期待が剥落する(=買取価格が下落することが予想される)と同時にゲームから撤退
3.の転売ヤー→いなくなる(元々鞘取りが目的なので、買取価格が購入価格を下回った時点で赤字になるので、即撤退)
こうなると悲惨です。
商品力がないと、中古車市場はこうなります:
1.新車で買った実需の人も、これはどうかな、とタイミングがあれば売りたいと考えるため、タマ数が増える(供給量が増える)。中古の実需の人は少ない
2.浮動層の人は、「人気のなさそうな車だから値崩れしそう。この車に乗るのはやめておこう」と考え、中古市場にやってこない
3.転売ヤーももちろんやってこない。
こうなると、供給過多になり、中古車価格が落ちます。
こういうサイクルが一度でもできると、そもそも1.の本当に欲しい人も「売る時を考えるとちょっと(価格が下がって)怖いな」となってなかなか手を出せなくなる、そんなサイクルになる危険があります。
しかも、一度でもそういう「売れない限定車」を作ってしまうと、そのメーカーの限定車については「次もババをひくのではないか」という疑心暗鬼を引き起こし、本当に欲しい人の間でさえも購入の手控えがおこる可能性がでてきます。そうやって、「このメーカーの限定車は売れない」というレッテルを貼られることも起こり得ます。
限定商法の「怖さ」
こうした「限定商法」が怖いのは、実需だけの取引と違って、あぶくのように参加したりしなかったりする人が需要を何倍にも増幅させるということです。なので、需要が供給を上回っている間はものすごく過熱し、いったん需要が供給を下回ると、今までが嘘のように冷めてしまうわけですね。
こうしたサイクルに陥らないためには、とにもかくにも商品力をつけること。値段が高くても、(再販価値以外に)ほしい、使い続けたい、とお客さんに思ってもらう商品を作る、これに尽きると思います。
S210のような限定車にはスバル / STIの魂が入っていると信じていますが、中には限定色以外に見どころのない車など、安易な限定商法も見られます。ビジネスなのでそれ自体はいいと思いますが、このビジネスにはそれなりのリスクもあること、あまり商品力のないものを出し続けていると、ある点で180度景色が変わる(売れなくなる)リスクもあることはちゃんと気にしながらやってほしいよなぁと思いました。
特に、メーカーとしては新車を出したら基本は終わりなので、限定車を売り切ってしまえばそれで終わり、と考えがちなのですが、そういった限定車が中古市場で安値で叩かれると、長期的にはそのブランド自体にキズが付いてきます。本当はそういうところまで考えてビジネスをすべきだと思うのです。余計なお世話ですが。。










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