前回の記事では、私の718ボクスターで実際に体験した、PSM介入前の「囁き」のような感覚について書きました。
ウェットの富士スピードウェイと低μ(ミュー)路で感じた、あの独特の予兆です。
記事では、主に982世代の718シリーズに実装されている制御の考え方を、公開資料やスペックシートを手がかりにたどりました。特に、ステアリングを通じてドライバーに「危ないよ」と知らせるようなところは、とてもポルシェらしいと思ったものです。
今回は、982世代の先の時代にポルシェがどのような研究開発を進めているのか、あるいは業界全体がどこへ向かっているのかを、自分の備忘録も兼ねて整理してみたいと思います。
最近のポルシェは「自動化に邁進する」方向というよりも、ドライバーの感覚や主観評価まで含めて制御開発に取り込む方向へ、はっきりと舵を切っているように見えます。
その動きは、ADAS(Advanced Driver-Assistance System。先進運転支援システム)だけでなく、乗り心地やシャシー制御の領域にまで広がっています。
前回記事との関係から
前回の記事では、718ボクスターに乗っていて私が実際に感じたことを起点に、
・PSM(一般的にはESPまたはESC)の介入の仕方
・摩擦円の限界推定
・DSR(Dynamic Steering Recomendation)に近いトルク介入の可能性(事前の「囁き」)
あたりを見てきました。
今回は、次の4点を中心的に見ていきたいと思います。
- ADASの検証そのものがどう変わっているか。
- 人間の主観をどうやって開発に取り込んでいるか。
- 挙動の予測ができるようになると制御がどう変わるか。
- 統合シャシー制御が「より賢くなる」と何が起きるのか。
それでは、順番に行きましょう!
1.ADAS開発は、「普通の場面」より「めったに起こりえない事象(コーナーケース)」をどう拾うかの勝負に?!
ADASは、普通の状況(いわゆる正常系)ではかなり上手に「運転支援」をするようになりました。
一方で、最後まで解決が難しいのは、「めったに起きないのに、起こってしまうと重大事故につながるような危ない場面」です。いわゆるコーナーケースですね。
ポルシェ・エンジニアリングは2025年1月の記事で、こうした稀な状況をAIで見つけ出す取り組みを紹介しています。
そこでは、VAE(変分オートエンコーダ)を使って、テスト走行データの中から「外れ値」的な場面を自動抽出すると説明されています。
雪の縁を車線境界と誤認するケースや、カーキャリアに「逆向きに」積載されている車を対向車と誤認して急ブレーキをかけるケースが例として挙げられていました。

VAEにより、こうした解析をかなり効率的に行えるようになったようです。約1万km分の走行データを数分で解析し、複数のコーナーケース候補を拾えるそうです。
面白いのは、「AIでうまく運転する」というより、まずAIで「人間が想定していなかった状況」を見つけにいっているところです。
これをみて、「ポルシェらしいなあ」と思いました(じつはメルセデス・ベンツも同様のようです。総じてドイツメーカーはこのアプローチを好んでいる印象です)。
派手な自動運転のアピールではなく、まずは機械が「誤作動」するのを徹底的に抑え込む。なぜなら、高い速度域での利用が多い地域では機械の誤作動が「命取り」になるからです。もちろん、ヨーロッパ人の機械とのかかわり方に関するイデオロギーみたいなものも関係しているかもしれませんが。(人間の自律性を尊ぶ、機械に支配されることを極端に嫌う、など)
さらに同年4月には、交通標識認識の検証の網羅性を劇的に広げるため、スマートフォンと外部AIを使って、一般的なテスト車両からもエラー事例を集めやすくする仕組みも紹介されています。新型マカンの開発で試され、今後は車線認識や信号、穴ぼこの検知にも拡張していく見通しだそう。
これは、開発車両を特別な計測車だけに頼らずに、より広範に「コーナーケース」を集める発想です。

2.ポルシェが面白いのは、「正しく動くか」だけでなく「ドライバーがどう感じるか」まで見ていること
前回の記事でも触れましたが、ポルシェは昔から「ドライバー主体」を強く打ち出してきました。
実際、オリバー・ブルーメCEOは、「技術はドライバーを置き換える競争相手ではなく、支える相棒だ」という位置づけを明確に語っています。

この思想は、最近の開発ツールにもそのまま現れています。
2025年2月、ポルシェ・エンジニアリングは、試作車がない段階から新機能の主観的フィードバックを取得するため、ドライビングシミュレーターを強化していると発表しました。
記事では、Software in the Loop、Model in the Loop、Hardware in the Loopといった客観評価の仕組みだけでは、人間の違和感や納得感までは拾えない。そこにシミュレーターを使って「人間の視点」を入れる、と明確に書かれています。

この話は、前回の私の体験とも符合します。
PSMの介入前に感じた「囁き」は、たんに車両運動として正しいだけでは説明しきれません。その知らせ方が、ドライバーにとって自然か、不快でないか、次の操作をどう誘発するかまで含めて設計されているんだなぁと感じます。
3.「感覚の定量化」はADASだけではなく、乗り心地の領域にも広がっている
2025年4月、ポルシェ・エンジニアリングは、AIベースの乗り心地評価システムを公表しました。これは、人間の専門評価者が行ってきたシャシーの快適性評価を補助し、客観化する試みです。

記事によると、複数のセンサーから得られる入力値をもとに、ニューラルネットワークが快適性評価を返す仕組みで、将来的には車両が自ら快適性を最適化する方向まで視野に入れているようです(!)。


ここで私が面白いと思ったのは、ポルシェが、いままで人間が感覚でやっていたことを、再現可能な形で残そうとしているように見えることです。
つまり、
まず人間の感覚がある。
その感覚を機械で測る(再現可能性の担保)。
測ったものを開発に戻す。
という順番なのですね。
技術が車づくりから感性を追い出すのではなく、むしろ感性を主役にしようとしている。
ここは、いかにもポルシェらしいところだと思います。
私も一度718ボクスターの助手席の乗り心地について書いたことがありますが、この記事を見ていたらもう少しちゃんとした記事がかけていたかもしれません。笑
4.摩擦円推定にはその先がある
――「反応する制御」から「先回りする制御」へ――
前回の記事では、PSMの介入タイミングの背景として、路面のμや摩擦円の限界をリアルタイムで推定しているのではないか、という話を書きました。
今回はその続きの話をしてみたいと思います。
ここで重要なのは、個々のダンパー制御やトルク配分がバラバラに働くのではなく、
「この先こう動くはずだ」という予測を含めた車両状態の共通認識をもとに、同時に動くという点です。
どんな「進化」なのか?
それは、たんに「いまどれだけ限界に近いか」を見るだけではなく、
「この操作が続いたら、少し先に車がどうなるか」まで見ながら制御する
という方向です。
いわゆるモデルベース制御、あるいはモデル予測制御(MPC)と呼ばれる考え方ですね。
従来の安定化制御をかなり乱暴に言えば、基本は「何か起きたら補正する」ものです。
もちろんそれでも十分に高度なのですが、最近の流れは、そこからさらに進んで、車両モデルを使って少し先の挙動を予測し、その予測を踏まえて各系統の制御を配分する方向へ向かっているようです。
Porsche Engineeringは2022年の解説記事で、個別の支援機能やシャシー制御をバラバラに見るのではなく、完成車全体として相互干渉まで含めて評価しなければならないと説明しています。
ここで興味深いのは、その中で触れられている「モデルベースの車両運動制御」です。
これは、たんに現在の車両状態を見て補正するのではなく、車両モデルを使って「この操作が続いた場合に、少し先にどういう挙動になるか」を計算するという考え方です。
たとえば、
・この舵角の増え方
・このアクセルの踏み方
・この荷重移動の流れ
が続いたときに、数百ミリ秒後にリアが流れ始めるかどうかをあらかじめ予測し、その結果をもとに制御を決める。
こうした発想は、従来の「起きた現象に対して補正する制御」とは明確に異なります。
少なくとも、発想自体が「その場しのぎの補正」から、「少し先の挙動を見ながら制御する」方向へ進んでいるのは間違いなさそうです。
タイカンで説明されている4Dシャシーコントロールも、この流れの中で理解するとわかりやすい気がします。
(ただし、こちらは「予測制御そのもの」というより、各シャシーシステムを統合するための枠組みに近い概念です。この点については、後ほど触れたいと思います。)
ポルシェはこれを、縦・横・上下の加速度から現在の車両状態を計算し、その情報を各シャシーシステムへリアルタイム共有する「司令塔」のようなものとして説明しています。
じゃあそこに「追加された次元」とは何か?
それこそが「時間」です。
4Dシャシーコントロールでは、統合的に制御するための枠組みを説明しつつ、予測モデルに基づいた制御、といったMPCの概念を取り込んでいるのですね。

どう変わるのか?
こうした予測的な制御が入ることで、ドライバーから見た車の挙動はどう変わるのでしょうか。
いちばん大きいのは、「何かが起きてから車が動く」のではなく、
「何かが起きる前に、挙動の変化としてそれが伝わってくる」ようになる点だと思います。
従来の制御では、限界を超えた瞬間に補正が入り、その結果として「急に止められた」「いきなり戻された」という印象がどうしても残る傾向があったようです。
一方で予測制御では、限界に近づいていく過程そのものに、わずかな変化が現れるようになる。
・ステアリングの手応えが少し軽くなる
・トルクの出方がわずかに変わる
・車が「じわっと」動く
こうした変化が積み重なって、「このままだと危ない」という情報が、ドライバーに事前に伝わるようになる。
つまり、制御が「結果を修正するもの」から、「未来を予告するもの」に変わる、ということです。
あれ?718にもあった?!
と、ここで思い起こすのが、718で感じたあの「囁き」。これって・・・?
この「囁き」はたんなる「現在」に対する反応だけではなく、こうした「予測に基づく制御」という考え方の萌芽があったからこそ生まれていたのではないか?というのが私の推理。
つまり、
- いまタイヤが何%使っているかを見る
だけではなく、 - この舵角の増え方、このアクセルの踏み方、この荷重移動の流れだと、この少し先で危ない
という「流れ」まで見ていたから、あの「まだ破綻していないのに、先に知らせてくる」感じが出ていたのではないか、ということです。
もちろん、公開情報だけで718のPSMがどこまで予測制御を使っていたかを断定することはできません。
ただ、摩擦円推定 → モデルベース化 → 統合制御の高度化という流れ自体は、ポルシェの公開情報と整合していますし、前回の記事で感じた実体験もその流れで説明がつくかな、と思っています。
5.統合制御自体は業界全体の流れ。ただし、最後の「味付け」はメーカーごとに違う
統合制御って何?
ここで、少し業界全体の話も俯瞰しておきたいと思います。
統合シャシー制御そのものは、別にポルシェだけの専売特許ではありません。
たとえばボッシュ・エンジニアリングは、複数アクチュエータを束ねる中央マルチアクチュエータ制御や、非線形・モデルベース制御アルゴリズムを前面に出しています。
一方で、「ブランド固有の横方向ダイナミクス思想のチューニング」という表現を使っています。なんじゃらほい、という言葉ですが、要するに「クルマの曲がり方の『味』を、そのブランドらしく仕上げること」です。
面白いのは、最近の車はESCやEPSといった基盤技術そのものはサプライヤーで共通化されている部分が多いことです。
にもかかわらず、ポルシェ、BMW、メルセデス・ベンツでまったく違う操舵感や挙動になる。
その違いを生んでいるのが、「どのタイミングで、どのくらい、どう介入するか」という「味付け」です。
この点において、車両制御は「何をするか」よりも、「どう感じさせるか」の設計に移ってきている、と言えるのかもしれません。
要するに、基盤技術は共通化しつつ、最後は各ブランドの哲学で味付けするということですね。
ボッシュのESPに関する説明も、基本は「車両のスキッド(滑り)を検知し、積極的に対抗する」という安全寄りの表現です。これはこれで正しいのですが、これはあくまで事故回避を目的とした時の言い方。サプライヤーが用意するのはこうした「機能」まで。
そこから「独自の魂(アルゴリズム)」を込めるのがメーカーの仕事。
ポルシェの面白さは、安全のために止めるだけではなく、止める前にどう伝えるか、介入してもドライバーにどう主導権を保っていると感じさせるか、に強くこだわっているところにあるように思います。
前回記事で私が書いた「まず知らせて、それでもダメなら助ける」という順番は、最近の研究動向を見ても、必ずしもあてずっぽうというわけではなさそうです。
4Dシャシーコントロールは、「魔法の新技術」というより統合思想として見るのがよさそう
今の文脈で、4Dシャシーコントロールにも少し触れておきたいと思います。
ポルシェは公式に、縦・横・上下の3軸加速度をもとに車両状態を計算し、その情報を各シャシーシステムへリアルタイム共有することで「第4の次元」を加えると説明しています。
ここでいう「第4の次元」は、先ほど見たように「時間軸」のことです。
単に「今の車両状態」を扱うのではなく、その状態が時間の中でどう変化していくか(=少し先にどうなるか)まで含めて扱う、という意味合いです。
タイカン関連資料では、PASMなどの各システムがこの中央ネットワークを通じて同期されると説明されています。

ちょっと聞くと「四次元!?さすがポルシェ!」と思ってしまうところですが、それはポルシェのネーミングセンスの良さに騙されているだけかも。。
ここは少し冷静に見た方が良いかなと思ってます。つまり、4Dシャシーコントロールは、単独の魔法の装置というより、統合制御の設計思想や司令塔の呼び名として理解したほうがわかりやすいということ。
実際に何をするかは、ダンパー、トルク配分、ブレーキ、後輪操舵など、個々のアクチュエータの組み合わせ次第です。そこに「時間方向の予測」や「全体最適」が入ってくる、という理解がいちばんしっくりきます。
ということは、業界全体の流れである「統合制御」を、ポルシェなりの整理の仕方で表現したもの、と見るのがいいのかもしれません。
ただ、ここで重要なのは「統合していること」そのものではなく、
「何を優先して、どういう思想で統合しているか」です。
同じ統合制御でも、
・とにかく安定側に早く引き戻すのか(ベンツっぽい)
・ドライバーにまず知らせるのか(ポルシェっぽい)
・スライドをどこまで許容するのか(BMWっぽい)
といった判断基準によって、最終的な「乗り味」は大きく変わります。
そう考えると、4Dシャシーコントロールはたんにキャッチーな技術名称というより、
「ポルシェがどのように車両全体をまとめ上げているか」を示すラベルと捉えた方がいいのかもしれませんね。
で、何が変わるの?
で、これが実現すると実際の運転ではどう感じるのか。
ちょっと抽象的ですが、車の挙動が「一つの意思を持っている」ように感じられるようになる、という言い方がいちばん近いかな、と思います。
個別の制御がバラバラに働いている場合、
・ステアリングはこう言っているのに
・電子制御ダンパーは違うことをしている
といった「ズレ」がどうしても生まれます。
予想と微妙に違うので、脳が再計算をする。
これが、「脳が疲れる」状態につながるのだと思います。
一方で、統合制御がうまく働いている車では、
・ステアリングの手応え
・車体の動き
・トルクの出方
がすべて同じ方向を向いている。
つまり、車が「こう動こうとしている」という意思が、一つにまとまって伝わってくる。
え?変わらない!?
じつは、ポルシェはもともとこうした車の動きの「統一感」にものすごい力を注いできたメーカーだと思います。
そのために、走っては各ユニットの制御の「擦り合わせ」をして作りこむ。そんなことがあの乗り味を作ってきたのかなと思います。
が、今度は、技術の力で「意思の統一」ができるようになってきた。
・・・となると、ポルシェのようなメーカーではアプローチの方法は違えど、表向きはあまり乗り味が変わらなかったりして。笑
逆にいえば、技術的に可能になる前から、ポルシェはその重要性に気づいていて、アナログの力で(走りこんでフィードバック!)統一感のある乗り味を作ってきたメーカーなんだ、ということもいえると思います。
ということで、適用する技術の変化はあれど、目指すものは変わってない。これが真実なのではないかと思います。
「ポルシェは変わってない」
6 .718の時代から何が変わったのか
そろそろまとめたいと思います。
事実として言えそうなこと
近年のポルシェ・エンジニアリングの公開情報を見る限り、
・コーナーケースの発見にAIを使う
・ADAS検証をスマホやクラウドでスケールさせる
・シミュレーターで主観評価を早期に回収する
・乗り心地評価にもAIを使って、人間の感覚を定量化する
・「予測」を元に制御する
・統合制御を前提に、シャシー全体を同期させる
という流れは明確です。
私の推測
この流れを718の体験と重ねると、ポルシェは昔から持っていた
「ドライバーが主体」
という思想を、より高精度に、より再現可能に、より広い領域へ拡張しようとしているのではないかと思います。
昔はベテランの評価者や実走テストに強く依存していた部分を、
・AIで拾い
・シミュレーターで再現し
・センサーで測り
・それでも最後は人の感じ方に戻す
という循環にしようとしている。
そう見ると、最近の研究テーマが一本につながって見えてきます。
7.ポルシェの独自性は、「速いこと」より「納得できること」にあるのかも
スポーツカーの制御というと、「どれだけ速く走れるか」「どれだけ限界を引き上げられるか」に目が行きます。もちろんそれも大切です。
ただ、今回いろいろと調べ直してみて、ポルシェが本当に気を使っているのは、ドライバーがその制御をどう受け取るか、なのではないかと思いました。
・介入が唐突ではないか
・手応えの変化が不自然ではないか
・主導権を奪われた気がしないか
・車が何をしようとしているのか、掌や身体で理解できるか
このあたりまで含めて性能だ、と考えているのではないかと思います。
そうだとすると、前回書いた718の「囁き」は、たんなる偶然の味付けではなく、かなり長い時間をかけて磨かれてきた「ブランドの作法(秘伝のタレ)」なのかもしれません。
まとめ
前回は、718ボクスターに乗っていて感じた「囁き」の正体を追いました。今回は、その先にある最近の研究動向を追ってみました。
見えてきたのは、
・コーナーケースをAIで拾い出し
・人間の主観をシミュレーターで早く回収し
・乗り心地の感覚まで定量化し
・それらを人間の主観でフィルターし
・統合制御に戻していく
という、かなり地道な開発の積み上げです。
前回の記事で私は、「ポルシェはまず知らせ、それでもダメなら助ける」と書きました。
いまの研究を見ても、その理解はそんなに間違っていなかったように思います。
ただ、今はずっとそこにいたるまでのプロセスが洗練され、アウトプットがより精緻になってきている。違っているのはそこだけだけなのかな、と思いました。
「ドライバーが主体」であるところは何一つ変わってない。
そう確認できた今回の「調査」でした。
参考リンク
Identifying corner cases: Confident, even in borderline cases
Driving simulators: Test drive without a test vehicle
Evaluating ride comfort objectively with AI
ADAS validation with the smartphone
The chassis: Committed to driving dynamics
718 Boxster GTS 4.0 and 718 Cayman GTS 4.0 technical specifications
Innovatively Porsche: In conversation with Oliver Blume










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