S210でのドライブ記事は初めてです。
かなりS210向きの道。栃木県にある未成道路、塩那スカイラインの両端を走ってきました。
途中区間の廃道が正式に決まった、やや路面の荒れたワインディングを走ります!
全体のドライブプラン
今回の主目的は、塩那スカイラインを走ること。途中区間が未完成で開通しないまま廃道が決まったので、東西両方を走るにはぐるっと遠回りしなくてはなりません。
行きます!
そして、ついでにどうせならがっつり走りたい。
そこで、福島県に抜ける甲子道路をひた走ることにしました。
もちろん日帰り。
ストイック!
行ってみましょう。
塩原温泉は近くなった!
いつもの通り西那須野塩原ICで降りて、キリ番の国道400号で西へ進むと、何やらとても新しい道路を走ります。あれれ、こんなんだっけ?
そう、2022年3月に全線開通した「下塩原バイパス」です。じつは通るのは初めてではないはずなのですが、いつも塩原温泉から帰るときにしか通らなかったので、開通したことに気づかなかったみたいです。
異常気象時通行規制区間があったため、それを迂回するために10年以上かけて作られたバイパスです。全長3.6㎞、しかも今回開通したのは残りの未開通区間。わずか2.0㎞ですが、体感としては「塩原温泉がかなり近くなった」印象でした。
ここから塩原温泉郷を通り越し、今回の主役である塩那スカイラインを目指します。
塩那スカイラインとは?
塩那スカイライン、正式名称は栃木県道266号中塩原板室那須線。
走る前に、ちょっと概要を見てみましょう。
1962年に塩那道路建設構想を発表。全国に沸き起こるスカイライン構想の一環で、当初から有料の観光道路として計画されたようです。総延長65.3㎞。
塩那道路は塩原から板室温泉までのルートと、板室温泉から那須湯本までのルートに大別されます。
特に今回走った塩原から板室温泉までのルートは「塩那スカイライン」として計画され、「視界を遮るものがなく見晴らしの良い稜線上を車で通行できるような、日本有数の規模の山岳道路」になる予定だったようです。
この区間の総延長は約51㎞。開通してたらかなりの絶景ロードになったのでしょうねぇ。
まずは、板室から那須湯本のルート。総延長約14㎞。
1968年には黒磯町板室本村(現在の那須塩原市板室)から那須町湯本までの区間が先行して完成し、那須山麓有料道路として開通したそうです。この区間は通称「那須高原スカイライン」として、現在でも使われています。こちらは1991年4月に無料化。
残るは塩原から板室までの山越えルート。通称塩那スカイライン。総延長約51㎞。
1971年には塩原側ゲートから土平(どだいら)園地までの約7.0㎞が開通しています。
この区間が頭文字Dに登場。東堂塾のホームコースとして、つづら折りでのバトルが繰り広げられるようです。
その先の区間は1970年にパイロット道路は開通したもののその後中断、2004年に利用廃止する方針が決まりました。それから植生回復事業を実施し、成果が出たことからついに2026年4月、廃道へ向けた手続きに移ることになったそうです。
そんな中で2012年10月に、板室~深山園地の8.7㎞がようやく一般開放されました。
そんなこんなで、現在は全長約51㎞のうち、中間の山岳地帯36㎞を除く区間(計15.7㎞)を走ることができます。
塩原ゲートから土平園地まで激走!
まずは塩原ゲート(正式名称は塩那道路第1ゲート)。1年のうち冬の3~4か月間は閉鎖。通年10:00~18:00しか通行できません。

ヘアピンと呼べるようなコーナーは7つくらい。道路は中央線があり、かなり広いという印象です。ただし、路面はそれほど良くありません。
3つ目のヘアピンを超えると、視界が開けてきます。

ちょっと車を停めて周りの景色をみると、こんな感じ。

4つ目のヘアピンから下を見下ろします。この季節(4月末です。投稿が遅くなりすみません)、桜が咲いています。

そしてヘアピン自体はこんな感じでかなりの曲率。勾配も急です。

さらに上っていきます。

路面はやや荒れています。
こうしたつづら折りでは、S210はまさに水を得た魚!
ストロークの大きい長い脚を生かして、荒れた路面をなだめるように通り抜けます。上屋の揺れは最小限です。
シビック タイプR(FL5)だと、絶対に路面を離すまいとソリッドなサスペンションとダンパーで路面を「わしづかみ」しに行く感じですが、その分路面のうねりは直接伝わってきます。
S210は、穏やか。いい意味でアドレナリンが出ません。
が、カーブの脱出でアクセルを踏むと、電車道。路面をしっかりグリップして、特にリアから押し出すような動き。とはいえ前輪にもトルクをかけているので、ずりっというようなホイールスピンは皆無。どんなに乱暴にアクセルを踏み抜いても平気です。全く姿勢が乱れません。このあたりはAWDらしいく、ストレスなく峠を駆け上っていきます。
最後のヘアピンのところに小さな駐車場があります。素晴らしい景色。土平園地へのルートではここが最高のビュースポットだと思います。

来た道を振り返ります。

来た道を見下ろします。

これから向かう方角。


そして土平園地までの最後の区間。

こういったなだらかなワインディングでも、S210はとても面白いです。
白眉はセンター付近でのハンドルさばきに対して車が敏感に反応すること。ステアリングセンター付近のアソビが全くありません。レヴォーグやWRX S4の標準車だと、あえてこのあたりは鈍感にしているように思います。ちょっとハンドルを動かしただけで車が反応すると、疲れてしまうので。
その点S210は割り切っていて、とにかくステアリングの動きを神経質なまでに拾っていきます。そしてフレキシブルパフォーマンスホイールのおかげか、内輪に力が乗ったまま平行移動するように向きを変えていく。。。
こうしたコーナーを駆け抜けるのが、一番S210の特徴が出て面白いなと思います。
S210の走りを楽しんでいると、土平園地につきました。

ゲートが封鎖されています。ここからは廃道が決まった区間。ゲートが開くことはありません。


この先には、自然に帰りつつある道路が続きます。

もともとハイキングコースとして整備されていたのでしょう。

登山口の案内もあります。かわいいくまの絵も、このご時世に見ると微妙です。

と思って周りを見ると、クマ出没注意。こちらは生々しい。

周りも荒れていて、今は歩けないようでした。

寂寥感が漂います。


引き返します。
途中、桜のきれいなところで写真を1枚。

この往復の道中、出会ったのはスバル アウトバック1台のみでした。スバル率100%(私含めて合計2台)。
国道400号の旧道を行く
先ほど通った下塩原バイパスの旧道が気になったので、走ります。
国道400号の旧道は、途中で先ほど紹介したバイパスと直角に交差します。信号はありません。けっこう怖い。

回顧園地(みかえりえんち)の近くに車を停めます。このあたり一帯は遊歩道が続いています。
旧道の旧道(?)が残っていました。途中で分断されています。

箒川が見えます。素晴らしい景色。

シロヤシオ(つつじ)でしょうか。

が、このあたりも遊歩道は歩けないようでした。


ちょっと離れた蟇石園地(がまいしえんち)へ。
吊橋を渡ります。

先ほど来た方角を見ます。奥の方が先ほどいた場所。

滝が見えます。回顧の滝。

静かなところ。
リフレッシュしたところで、車に乗ります。
沿線には有名な竜化の滝もあるのでお勧めです。
山形次年子そばをいただく
すぐ近くのそば屋さんへ。入り口でフロントリップスポイラーを擦りました。。。
山形次年子(じねんご)そばのお店。なぜこの地域にあるのかは知りません。
ちなみに、Googleによると、「山形県大石田町の次年子(じねんご)地区で作られる「次年子そば」は、地元産の玄そばを100%使用し、石臼挽きで打たれた香り高くキメの細かい田舎そば」だそうです。
おもしろい店内です。

出てきたそば。こちらもインパクトあります。

味もなかなかインパクトありました。美味しかったです!
でも、リップスポイラーが。入り口がもう少し広かったらよかったかな。
幸乃湯温泉でリフレッシュ
板室温泉では、長らくやっていた町営温泉「板室温泉健康センター」が休業してしまったため、その手前にある幸乃湯温泉に立ち寄ります。

なかなか大きな建物!板室温泉というひなびたイメージとはちょっと違います。
お風呂は広くきれいで、良かったです。お湯も優しい。さすが湯治場です。
いよいよ東ルート(板室~深山園地)を走る
こちらは比較的新しく一般開放された道路です。農地を走るとしばらくしてゲートが出現。

来た道を見返ります。こちらの方が路面がうねっています。

殉職碑。道路工事は過酷だったようです。
ご冥福をお祈りいたします。

こちら(東ルート)にはヘアピンカーブがなく、穏やかなカーブが続きます。
カーブはそれほどきつくないものの、路面が荒れているので注意。

小休止。たまに木々の間から素晴らしい景色を望むことができます。

ほどなくしてどん詰まりの駐車場に到着します。

深山園地の遊歩道を歩く
ここから先、車が通ることはできませんが、遊歩道があるので、クマ対策をした上で歩いてみます。
当然のごとく、私一人。車ともすれ違わなかったので、当然かもしれません。
ちょっと怖い。

50年ほど前に作られた路盤が残っています。パイロット道路は全線開通していたのですね。
遊歩道の入口付近にはガードレールも設置されており、道路をつくる予定であったことがわかります。

ガードレールがなくなります。

滑落に注意しながらクマ出没にも注意しろ、と。
ちょっと泣きべそ状態です。引き返すか。。。

なかなかワイルド。

恐る恐る歩くこと約1㎞。
遊歩道のどん詰まり。

その先は、自然に還るための準備が、着々と進んでいるようでした。

山を登ります。
深山ダムにせき止められた人造湖が見えます。

山を登りきると展望広場。倒木があります。

階段を降りるとまた倒木。

来た道と合流したので、急いで帰路につくことにしました。

ダウンヒルでもS210は楽しい!
来た道を戻ります。道幅は広いものの、路面はやや荒れてうねっています。
そんな中、S210で道を下ります。

S210、楽しい!
下り坂でのブレーキング。フロントヘビーな車はリアがやや不安定になることもあるのでリアの状態を気にしなくてはいけないことがありますが、この車はまったく心配無用。リアはブレーキング時でも前輪が止めるのを補助しているだけ。徹底した「重し」役。車両の姿勢が全然変わりません。そしてサスペンションも路面にしっかり追従しています。
舵を入れて旋回を始めます。リアの存在感は皆無。
そしてステアリングを切ると、まったく引っかかりがなく車が滑らかに反応し始めます。
あとは、フロントタイヤの行きたいところを思い描きながらハンドリングに集中するだけ。
この一連の動きをあえて表現するなら、「操舵に対して車体全体が位相遅れなく一体として反応し、リアを意識せずに前輪だけで軌跡を描けるような感覚。そして全体を貫く軽快感」とでもいうのでしょうか。残念ながら陳腐な表現しかできません。。。
そして脱出時にアクセルを踏み始めると、初めてリアが蹴りだす感じがして、ああそうだった、リア駆動多めのAWDだったと気づく―――そんな感じです。
この、ある種不思議な「リアが存在しないかのような、でも車と一体になったような感覚」は、きっと加重移動、ヨーモーメントの立ち上がりとフロントのロール、リアのロールが連続的に、しかもフロントとリアがほぼ同時に起こるからなんだろうなと思います。もちろんもともとフロントの重心が低く、比較的ロール慣性が少ないパッケージングも効いているのかもしれません。
とにかく、安心。そして気持ちいい。

このあたりの乗り味は、じつは4代目レガシィあたりでも感じます。この時代からスバルは旋回時の「リアの存在感がない(ワゴンであることを忘れる)一体感のある走り」を作りこんでいるように思います。だから、4代目レガシィに乗った後にS210に乗ると、「なんか似ている」とにんまりします。もちろん、その逆もしかり。

この往復の道中、出会ったのはスバル フォレスター1台のみでした。スバル率100%(私含めて合計2台)。
結局、塩那スカイライン全ルートを通して遭遇したのはスバル車2台のみでした。笑
那須甲子道路を通って福島経由で帰宅
板室温泉を散策。ひっそりしていましたが、鯉のぼりは泳いでました。

この日は頑張って那須甲子道路を走って福島まで足を延ばしました。
那須甲子道路、正式名称は栃木県道・福島県道290号那須甲子線。
1978年に有料道路として開通しましたが、2008年に福島県側の国道289号が整備されたタイミングで、無料化されました。
それなりにスピードの出る山岳道路、という感じ。個人的に景色はそんなに良くないとは思いますが、走るのは楽しい。
ただし、路面はところどころ荒れてますので、適度なスピードで走ることをお勧めします。ちなみに、交通量は少ないです。
国道289号にぶつかります。昔はここから左折するとどん詰まりに甲子温泉がありました。今はそこから先、会津方面(下郷町)に抜けることができます。
途中、座頭ころばし展望台や雪割橋といった観光名所に立ち寄って帰りました。


まとめ
スバル S210でストイックに走る旅。
この車のいいところは、緊張するような荒れた路面やうねり路面のあるの道でも全くストレスなく運転できるところ。目を釣りあげなくても速い。そして下りでブレーキをしようが、上りのカーブ脱出でガツンと雑にアクセルを踏もうが、車は全く姿勢を変えないことです。笑
ある意味、寡黙。饒舌な車が好きな人には物足りないかもしれません。が、スバル車はこんな職人みたいな感じがいい。笑
今回のドライブコースはそんなS210の美点が生きて、楽しいドライブになりました。
帰りの高速道では、アイサイトを使って楽をします。
が、ちょっと自分で運転したいなと思ってステアリングを握ると、びっくり!
まーーっすぐ進む!!
以前、ハンドルのセンター付近はアソビが少ないので、けっこうちゃんとハンドルを保持していないといけない、みたいなことを書きましたが、これは前言撤回をしないといけません。
じつはそれは体感100㎞/hまで。
東北道の120㎞/h区間を走ると、100㎞/hを超えたあたりから、びしーっと車が一直線に前に進んでいく感覚が得られます。フロントフェンダーの突起(正式名称はスポーツサイドガーニッシュ)を標準車よりも伸ばしたのが効いているのかもしれません。そしてEPSも自然に操舵抵抗を増していて(フィーリングは自然)、ほんとに指一本でまっすぐ走る感じ。

「これはヤバい」と思わずにやけてしまうくらいの直進安定性です。
そんなこんなで、行きかえりが楽ちんなのもこの車のいいところ。
難点は?
シートは座面が硬く、お尻が痛くなります。肩回りの拘束感もあるので、若干疲れます。

ワインディングではステアリングセンター付近のわずかなハンドル操作でも車が反応するので、ずぼらな運転がしたい場合には過敏に感じられるかも。
そんなところでしょうか?
とにかく、温度低めの速い奴。
20年経ってもスバルらしさって変わらないんだなぁ、と再確認した今回のロングドライブでした。
走行データ
走行距離:578.3㎞
燃費(オンボードコンピュータ):11.0㎞/l
燃費はおそらくWLTC燃費(総合)+α
燃料タンクがそこそこ大きいので、無給油で走れます。
ロングツアラーとしても合格だと思いました。









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