ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、2026年6月に4年を迎えました。
昨年は偶然にもホンダ シビック タイプR(FL5)、日産 フェアレディZ(RZ34)、スバル S210(VBH)と3台も趣味の車が増えたわけですが、そんなことがあっても「一番長い距離を乗った車」の座は渡しませんでした。
なぜ乗りたくなるのか、その魅力について探ってみたいと思います。
私の愛車であるポルシェ 718ボクスター GTS 4.0の紹介はこちらをどうぞ。
納車3年後のレビューはこちらをどうぞ。
納車4年後の定期点検の内容はこちらをどうぞ。
4年経っても一番長い距離を走ってます!
冒頭に書いたとおり、今でも私の趣味車のメインカーの座は渡していません。
年間走行距離(2025年6月~2026年6月)は、718ボクスターが約5,000㎞、スバル S210が約3,500㎞(一年未満)、ホンダ シビック タイプR(FL5)と日産 フェアレディZ(RZ34)がそれぞれ2,500㎞ほどです。
なんでだろう?
これから、その理由を見ていきたいと思います。
他の車に乗りたいのはどんな時?
たまに、同じような車に何台も乗ってて楽しいの?と聞かれることがあります。
あまりちゃんと考えたことがなかったので答えに窮してしまうのですが、
ちょっと自分なりになんでかな、と考えてみました。
ホンダ シビック タイプR(FL5)に乗りたくなる時、乗りたくない時
FL5を買ったきっかけは、もともと718ボクスターでサーキット走行デビューして、やっぱりちょっともったいないなと思ったことです(飛び石、タイヤその他諸々)。
サーキット走行用の車を買おう!と。
しかし、私自身がサーキット走行をお休みしてしまった!
そんなことから、我が家における位置づけ的には若干不利なFL5。

一言でいうと、速く走ることを目的に作られた車、という感じです。
乗りたいのは、ストイックにワインディングを走りたいとき(特にダウンヒル)。
走ってみると、いつも「この車すごいなぁ」とため息が出ます。
がっちりボディ、ワイドトレッドと電子制御でコーナーリング時も鬼のような安定感。
本当に安定して速く走れます。
技術の力で、FFの欠点を「これでもか!」というほど超克していて、ある意味技術者の執念のようなものを感じます。
これで当時500万円くらいの車両価格。
まさに、日本の宝のような車だと思います。
今でも、赤い「H」バッジのついたステアリングを握ると、ちょっと誇らしい気持ちになります(私が作ったわけじゃないのに)。
このように、どちらかというと「すごい」というリスペクトが先に来る車です。
私の718ボクスターはPDKなので、マニュアルトランスミッションに乗りたいときもこの車は第一候補。気持ち良いです。
運転し終えると、スポーツでしっかり汗を流した後のような、すがすがしい気持ちになれます。
一方で、車との対話とか、高ぶるエンジンの音が快感、みたいな情緒的な要素は少ない感じ。
ワインディングでもヒルクライムではFF(前輪駆動)ゆえ、カーブの脱出で気を遣います。
そして街乗りではコンフォートモードでも乗り心地はけっこう硬い。サーキット仕様だけど公道もちゃんと乗れるようにしました、という感じ。
なので、乗りたくないのは、「ただ流したいとき」や「必要に迫られて街乗りするとき」。
ゆっくり走っていると、車から「つまらないからもっと飛ばせ」と怒られているような気分になります。
そして、街乗りでは、この車は持て余し気味。ドアのプレスラインがかなりせり出しているためドアミラー越しに足元が見えません。そして幅が広くて小回りがきかないところもストレスになります(全幅1,890㎜、最小回転半径5.9m)。
日産 フェアレディZ(RZ34)に乗りたくなる時、乗りたくない時
この車は、デザインに惹かれて買いました。そしてZという歴史。日本人なら乗らなきゃ!と思って意気込んで買いました(8割はアメリカ向けの車ですが。。。)。

一言でいうと、大排気量スポーツカーを大衆化した、みんなのための車、という感じです。
V6ターボの加速感やサウンドなど、わかりやすいエンタテインメント性があります。
一方で、自分の運転の上手い下手を映し出してくれる、今どき珍しいアナログな手触り感が残った車、という一面もあります。
乗りたいのは、やっぱりV6の音を聞きたいとき、そして人間味あふれる乗り味が恋しいとき。
箱根ターンパイクや伊豆スカイライン、そして椿ラインなど、意外とワインディングはカーブがゆるめでもきつめでも楽しい。
速く走らなくても楽しめます。
エンジンを回さなくても楽しい。例えば3速で2,500rpmも回っていればけっこういい音を奏でてくれ、太いトルクでズドーンと加速してくれます。こういうところはGTカーっぽい。
速く走ってもけっこう楽しい。古いFR車のような感覚が残っています。
車速やブレーキの踏み方、坂の勾配などで車の動きが変わるので、それを感じながら運転しているとかなり楽しいです。
(ベースグレードには)LSDもトルクベクタリングもないので、まさに車の素の動きを感じることができます。
絶対的な速さや安定感はないものの、古典的な雰囲気があって楽しい。
そういう意味でストイックで理系的なFL5と真逆。
牛丼を心置きなく食べた時のような満足感に浸れます。
そして、降りてみても伝統的なロングノーズ・ショートデッキのプロポーションとデザインにうっとりできる。
私にとっては、愉悦の花園のような車です。
一方で、軽く流していると人工的なEPS(電動パワーステアリング)や、フロントが左右にちょこちょこ動く落ち着きなさが気になったりします。
荒れた路面だとフロントが暴れたり、高速でも進路が乱されたり、横風でふらっとしたり、突起に乗り上げた時にリアが煽られたりと、条件が悪い道路では気になる動きも多いです。
なので、乗りたくないシチュエーションその1は意外や意外、だらーんと海辺のクルージングなどをするとき。いちいち細かいところが気になって楽しめません。。。
その2は荒れたワインディング(ダウンヒル)。もう少しダンパーの伸び側の減衰を上げてほしい!と言いたくなります(自分で上げればいいか)。
スバル S210(VBH)に乗りたくなる時、乗りたくない時
この車は、もともと抽選に応募しようかどうか迷っていて、ネットでもさんざん言われていたことから期待半分、不安半分で応募したところ当たってしまった、という経緯を持っています。最も不純な動機で我が家にやってきてしまった車。
が、乗ってみると、なかなか面白いです。

一言でいうと、体温低めでリラックスして速く走れる車。(悪路出身という出自をちらつかせている)。
不思議な車で、エンジンも別に主張しないし、FL5のようなストイックさもない。RZ34のようなエンタメ性も薄い。
でも、気が付くとFL5、RZ34よりもたくさん走行距離を重ねている車です。
いつも、「そろそろ乗ろうかな」くらいの動機で乗り出します。強い動機は、ありません。
でも、走っているうちに面白くなる。
何が面白いかというと、カーブの身のこなし。レーシングカーのようにロールゼロ、アソビゼロで曲がるのではなく、ピッチングやロールもさせながら、見事なリズムで駆け抜けていく。ピタッと息があったアスリートの演技を見ているかのよう。そしてハンドルにはしっかりと路面の情報が乗ってくる。
ブレーキのタッチも含めて、一つ一つのコーナーを駆け抜けるのがいちいち楽しい。
だけど、楽しいなぁ、とニンマリしながら不思議とリラックスしている。車の動きを鑑賞しているような余裕があり、汗をかくイメージがありません。
そして荒れた路面。足をしなやかにストロークさせながら、路面を舐めるように進んでいきます。「制圧」という言葉がこれほど似合わない車はないと思うほど。従順に、なだめすかしながら涼し気に越えていく。
極め付けは荒れた路面のヒルクライム。
ヘアピンカーブの脱出。ガツンとアクセルを踏む。ドラマはゼロ。難しさゼロ。まったくホイールスピンをすることなく、タイヤがしっかりと路面をキックしてスルスルと加速していきます。上屋は全く平穏。
なぜスバルが四輪駆動にこだわってきたか、答えを見たような気がします。
そんな感じで、運転し終わった後の感想も、「うん、とてもよかった」という、好みの映画を観た時に漏らす一言に近いものがあります。
そんなこんなで乗りたくない時は、ない。しいて言えばフロントのリップスポイラーがちょっと擦りそうとか、そんなところでしょうか。
スバル レガシィ S401 STiバージョン(BES)に乗りたくなる時、乗りたくない時
20年以上前の車なのでちょっとここに入れるのはどうかと思いますが、これもスポーツセダンなので入れておきます。
これは、昔3代目レガシィに試乗した時の感動が忘れられず、2021年に購入した「思い出回収」のための車。

一言でいうと、25年前の「硬派なスポーツセダン」。
乗りたいのは、やっぱりボクサーエンジンを楽しみたいとき。
水平対向エンジンに不等長の排気の取り回しのため、独特のサウンドがします。騒音規制が厳しくなった今ではなかなか聴くことのできない迫力のある音です。
そしてツーステージ・ツインターボ(シーケンシャル・ツインターボ)のマニアックな加速。特にセカンダリータービンが回りだした後の、パワーを絞り出すようなドカンという加速感は、「ああ、ターボってこうじゃなくちゃ!」と思いたくなるような快感があります。
ビルシュタインのダンパーは硬いもののしなやかさがあり、25年前の車としてはかなり良い乗り味。ボディの硬さと乗り味の良さの両立を探っていた頃のスバルらしい乗り味があります(遅れは最小限にしたいけど、ガチガチな乗り味にはしたくない)。
インプレッサWRXから移植してきた6速MTとクラッチも、重めで雰囲気があります。
トレッドが狭いためFL5のような安定感はないものの、車がビビッドに動く感じは楽しいです。
乗り終わった後は、「ボロボロという音を肴に、しっかり25年前の感動を味わってきました」と余韻に浸ることができます。
逆に、重めのクラッチとヒルスタートアシストのついてない6速MTは、乗る場所を間違えると結構きつい。坂道の多い市街地、渋滞、山歩きの後の運転etc…
乗りたくないのは、まさにそういうシチュエーション。市街地に住んでいる身としては、避けることが難しいので辛いです。
そして、ヘアピンの多いワインディング。あまりクイックでないステアリングギアレシオ(15:1)、大きなステアリング径も相まって、テンポよくヘアピンをすり抜けていくことは苦手です。この時代の車はどれも同じような特徴を持っているので、ヘアピンがあまり多くないワインディングの方が楽しめるなぁと思っています。
それでも、やっぱり718ボクスターが好き
やっと718ボクスターに戻ってきました。
どの車も私の好みで買ったものなので、好きに決まっています。が、その中でも718ボクスターはちょっと別格。ドライブのスケジュールを組むときも、718に乗る周期をまず決めて、その間にほかの車を埋めていく、というのが現状の我が家の運用スタイルです。
まず、何がいいってオープンになること。これはずるいですね。笑

我が家にはもう一台のオープンカーとして1959年製のカニ目(オースチン ヒーレー スプライト Mk1)がありますが、これはいろいろな意味で特殊な車なので、競合しません。
なので、上を開けて走りたいときは718ボクスター一択です。
次に、ワインディング。
それぞれの車に良さはあるものの、この車はやっぱりミッドシップという強みがあります。あれ?車ってこんな軽く感じるんだ、とびっくり。コーナリングは問答無用に楽しい。レイアウトからして楽しさが宿命づけられている感じがします。
正真正銘のサラブレッド、といいたくなります。

カーブも安定していながら、脱出時にアクセルをガツンと踏めばホイールスピンをすることもあります(それでも踏み抜いて大丈夫)。そういう時に、車の軽さを感じます。安定感の中に軽快感が同居しているところも絶妙。
エンジンも自然吸気でトルクの立ち上がりは穏やかなので、じわーっ、スルスル、Wao!みたいな息の長い、それでいて最後のダメ押しは怖いくらいの加速をしていきます。しかも音色が徐々に変化していく感じがたまらない。これはターボとは違った魅力(他の4台はみんなターボ)。
ブレーキは最高。いうことありません。カチッとした踏みごたえとともに、足裏にいろんな情報が伝わってきます。

高速移動。
シートは意外に快適。直進安定性もS210やFL5に比べるとちょっと劣るものの、十分良い。神経質でないところもとてもいい。GTカーとしても魅力的。
街乗り。
車が小さい。最小回転半径が小さい。視界が良い。十分。
デザイン。
降りて眺めると、やっぱり良い。色も好きです。








































インテリアも5台の中で一番落ち着きます。

UX。
ボタン類の操作フィーリングがいい。いい道具感が詰まってます。
信頼性。
普通に故障しません。日本車とそんなに変わらない。
特別感。
低い着座位置。後ろからするエンジンサウンド。乗用車じゃないぞ感はあります。
普段着感。
一番普通に乗れます。FL5とS210はデカい羽根がちょっと恥ずかしい。S401のスポイラーといかついホイールと金色のキャリパーはちょい悪っぽい。RZ34はちょっと自分には眩しすぎてよそ行き感がある。
・・・ということで、やっぱりどこを取っても「いい」。
積極的にも、消去法的にもこの車に行きつくのでした。
そして、乗るたびに「いい道具(ギア)を使って遊ばせてもらいました。ごちそうさまでした」という気分になります。
私のカーライフはこの車で始まり、この車で終わるのでした。あと20年余り、こんな調子で乗り続けるのだと思います。










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