メルセデス・ベンツ GLBは2025年12月8日に、フルモデルチェンジをして2代目となる新型モデルの発表をしました。

発売は2026年春から。

車の概要のほか、現行・新型どちらにしようか迷っている方に、現行オーナーの視点で購入時の検討ポイント、注意点などを書きたいと思います。

メルセデス・ベンツ GLB新型の概要

この車の前身である現行車はGLBとEQB。GLBはガソリン車、EQBはBEV(Battery Electric Vehicle)ですが、これらの車が2026年春にモデルチェンジして2代目になります。

メルセデス・ベンツのモデル戦略の見直しで、新型はEVとガソリン車を統合したラインナップになります。継承されるモデル名は「GLB」。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)
メルセデス・ベンツ GLB(新型)

新型GLBの目玉は、パワートレーン。ディーゼルがなくなり、BEVが先行発売、数か月遅れて48Vのマイルドハイブリッド仕様が発売される予定です。

BEVとしての性能はかなりのもので、使用可能エネルギー容量85kWhの新型リチウムイオンバッテリーを搭載。WLTC計測で航続距離は614-631㎞。

800Vの電気アーキテクチャの採用により、充電性能も大幅に強化。10分間の急速充電でWLTCモードで260㎞の航続距離を確保。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)充電しているところ
充電中のイメージ
メルセデス・ベンツ GLB(新型)
ご覧の通り、フロントにはエンジンがありません。

次に話題になりそうなのが、「大型化」。ああ、お前もか、という感じもしないでもないですが、コンパクトだった現行型(マイナーチェンジ後のAMGラインでも4660㎜×1845㎜×1700㎜)に比べて大きくなります。サイズは欧州サイズで4732㎜×1861㎜×1687㎜。

これだけだとまぁ、そんなもんか、という感じですが、全長の増加分がほとんどホイールベースの拡大に充てられているところがトピック。現行でもけっこう長めな2830㎜でしたが、新型では2889㎜(欧州計測値)。主に不満の多かった後席の居住性改善に使っているようです。

エクステリア

写真で見る限り、フロントはEQBの面影の残ったもの。メルセデス・ベンツを見慣れている人からすると、それほど驚きのない顔かもしれません。

#個人的には現行GLBが持っていた、「ちょっとメルセデス・ベンツっぽくない愛嬌」がなくなった感じなのがちょっと残念ですが、こればっかりは好みの問題で、こういう顔になったのはマーケティング上の要請でしょうから仕方ありません。より「ハンサム」になったのかとは思います。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)

大きく変わったのはサイドのシルエットとリア。サイドは、あれ、どこかのブランドのコンパクトSUVに似てる?そしてリアは、、、まぁご想像にお任せします。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)
メルセデス・ベンツ GLB(新型)

今回はフロントでブランドの統一感を、リアで遊び心を表現、ということなのでしょうか。

インテリア

大きく変わるのはインフォテインメント類。ほかのメーカーと同じく、超大型ディスプレイ(MBUXスーパースクリーン)に囲まれる運転環境になるようです。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)のインテリア
メルセデス・ベンツ GLB(新型)のインテリア
メルセデス・ベンツ GLB(新型)のインテリア(MBUXスーパースクリーン)

ただし、見た目だけでないのがメルセデス・ベンツらしいところ。車載OSも刷新。車両機能、インフォテインメント、運転支援システムなどを統合制御するMB.OS(車のOS)が搭載され、定期的な無線アップデート(OTA)によって常に最新の状態が保たれる、とのこと。

メルセデス・ベンツが目指してきた新世代のSDV(Software Defined Vehicle)を象徴するシステムが、こうしたエントリーモデルにも搭載されるようになってきました。

統合ユーザインタフェースはMBUXが第4世代にアップデート。ChatGPTやGeminiとの連携による音声対話や、Google CloudのAIエージェントと連携した、充電計画を含めたドライブルートの策定なども可能になるようですね。

地面の状況を映し出す「透明ボンネット」など、運転支援系の機能強化もされているようです。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)の「透明ボンネット」機能
地面の状況を透視できる、「透明ボンネット」

運転支援系の基幹システムも「MB.DRIVE」を搭載。もともと運転支援系システムでは定評のあるメルセデス・ベンツですが、今回もLiDAR(Light Detection And Ranging。レーザー光を使用)、レーダー(マイクロ波を使用したセンシング)、カメラをフル活用したセンサー群を使って運転支援を行うようです。前席中央にセンターエアバッグを搭載するなど、パッシブセーフティも抜かりありません。

そして意外なアピールポイントは「冷暖房性能の強化」。廃熱や外気を利用して効率的に車内を暖めるらしく、先代比消費エネルギーが半分で暖房のスピードは2倍(外気温-7℃時に、一定の温度に達するまでの時間)。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)
このように寒い中でも暖房能力と消費効率が飛躍的に向上したそうです

運転支援系から快適機能の性能強化まで。こうした点まで抜かりなく対応しているのが新型GLBと言えるようです。

走行性能

エントリーモデルの「GLB 250+ with EQテクノロジー」は最高出力200kW、最大トルク335Nm、後輪駆動。「GLB 350 4MATIC with EQテクノロジー」は最高出力260kW、最大トルク515Nm。

駆動システムはElectric Drive Unit (EDU) 2.0という自社開発もの。2速のトランスミッションと組み合わされるようです。

「ディスコネクトユニット(DCU)」という、低負荷時にフロントモーターを動力から切り離す仕組みが導入され(エンジン車のコースティングのようなもの)、抵抗損失の削減を狙うなど、航続距離を延ばす工夫もあるようです。

AWDモデルにはTERRAIN MODEという悪路走破モードが追加されるとのこと。

価格

気になる価格は下記の通り。本国ドイツでの販売価格です。

モデル価格(ユーロ)参考価格(円。1€=184円)
GLB 250+59,048~10,864,000~
GLB 350+62,178~11,440,000~

なんと1千万円超からです。

ちなみにGLB発売当初のエントリーモデルの価格はドイツで37,746€、日本導入モデルが5,120,000円でした(当時の為替レートは月平均で1€=120円程度。日本円換算で4,530,000円ほど。日本にはヨーロッパのエントリーモデルが導入されていないことに注意)

ドイツでこの価格帯なので、日本発売時の価格もおそらくこれに近い数字の価格になると思われます。

新型を待つか、現行型を買うか?

じつはこの発表があってから、ディーラーからは現行GLBオーナーに対して、現行最終モデルの案内が来ています。

現行モデルは下記のラインナップ。

モデル名価格(円)
GLB180 アーバンスターズ6,840,000
GLB200d 4MATIC アーバンスターズ7,380,000

アーバンスターズは、事実上AMGラインをベースにしながら、本革シート(黒も選べる)も標準装備にした、全部盛りモデル。

(※AMG35もファイナルエディションが出ています(限定100台。2026年1月27日申込受付開始)ので、気になる方はディーラーにお問い合わせください。また、EQBもまだ発売しています。)

ちなみに、前述のミニバン(日産 セレナC26)のホイールベースは2,860㎜。私が持っているメルセデス・ベンツW126型のホイールベースは2,935㎜。

メルセデス・ベンツ GLB(現行型:X247)のインテリア

これにするか、次期型のBEVを買うか、まだ発表のないマイルドハイブリッドを待つか。。。

今から購入を検討する方には、悩ましいタイミングかな、と思います。

どちらにするかを判断するポイントは5つくらいあるかなと思います(多すぎるか。。。)。

1.BEV、マイルドハイブリッドという選択肢をどう捉えるか?

現行モデルからの変更点で一番大きいのは、ディーゼルがなくなるということ。

メルセデス・ベンツ GLBのディーゼルエンジン(654型)
654型1.9L直列4気筒ディーゼルターボエンジン

ディーゼルエンジンの魅力

ディーゼルの一番の特色は、航続距離が長いこと。現行GLBでもだいたい1回の給油で900㎞~1,000㎞くらい走ります。長く乗っていると、何よりこれが楽でいい。燃費も高速中心ならけっこう伸びて18㎞/lくらいは行きます。燃料代が安く経済的なところも実用車としては大切なところ。実際のところ燃費と燃料の単価の違いで、私が保有するポルシェ 718ボクスター GTS 4.0に比べて等距離当たりの燃料代は約半分。

上記のようなディーゼルの長所はBEVでもマイルドハイブリッドでも代替できないので、ディーゼルに乗りたい、という方は現行型を買う方が納得感が高いかもしれません。

BEVの魅力

一方、新型に搭載されるBEVは、BEVとしては航続距離が長く、実用的にも長距離であれば1回の充電で500㎞も行けるのではないかと思います。急速充電も速いので、最初からBEVを狙っている方であればおすすめできそう。電気モーターならではの滑らかなトルクの出方、静粛性も魅力だと思います(想像でしかありませんが)。

ただし、重量が重くなるはずなので、機械式駐車場に止められる方は重量制限を確認した方が良さそうです。

マイルドハイブリッドの魅力

48Vマイルドハイブリッドは、2023年に発表された新世代プラットフォーム「MMA」用に新開発されたM252という1.5Lミラーサイクルエンジン。エンジンの開発凍結と公言した後にEU規制が変わり、急遽(?)BEV用プラットフォーム用に開発されたエンジン。モデルチェンジするCLAにも搭載される予定です。トランスミッションは電気モーターを内蔵した新開発の8速DCT(8F-eDCT)。

M252エンジンや上記のトランスミッション等、メルセデス・ベンツのワークショップ(2024年12月)で発表された内容に関する記事はこちら(LEVOLANT)

マイルドハイブリッドと言えども、こちらも面白そうなエンジンとトランスミッション。

メルセデス・ベンツのマイルドハイブリッド車は2種類しか乗ったことがありませんが、どれも段付きが極力抑えられていて、それでいてモーターのアシストで極低速のトルクがきれいに出るので走っていて疲れない、という印象。

現行のGLB180(こちらも後期型からはマイルドハイブリッドですが)を狙っていた人であれば、ちょっと上級移行したような余裕の走りが楽しめそうな新型は大いにありだと思います。

ディーゼルからの乗り換えでも、燃費と航続距離、燃料単価を我慢すれば、この「今どき」の内燃機関は違和感も少なく十分「あり」なのではないか、と推測します。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)マイルドハイブリッドモデル
新型GLB(マイルドハイブリッドモデル)

2.ボディサイズの拡大をどう捉えるか?

我が家の場合、下記の記事にも紹介した通り、駐車場の環境があまり良くありません。

機械式駐車場に入るはずのサイズの車が入らない問題を考える

全幅が1850㎜を超えた時点でNG。現行型は全長が4.7m以内に収まっていた点もプラスのポイントでした。これがねぇ。。。

ホイールベースも現行型は2,830㎜。以前乗っていたミニバンに比べても、フロントオーバーハングが長い分内輪差については意外と気にならないという実感があったのですが(実際運転席が車両の前方にあるかないかで取り回しの感覚は変わります)、さすがに2,889㎜となると大変そうです。

メルセデス・ベンツ GLB(X247)
現行型GLB。このサイズ感が良かったんですが。。。

上記のことから、もっと大きいほうがいいと思っていた!という人は新型の大きさは抵抗なく受け入れられると思いますが、あえて小さい7人乗りSUVを探していた、という方にはちょっと厳しいサイズ拡大かもしれません。

3.運転支援システム等の進化にどれだけの価値を見出すか

日進月歩の運転支援システム。メルセデス・ベンツはGLBでも大きなアップデートを持ち込んでくる模様。メルセデス・ベンツの場合は機能が進化しても、警告がバンバンなるような野暮な(?)ことはしないので、システムの進化によるデメリットはないと言えると思います。

メルセデス・ベンツ GLB(新型)のセンターコンソール(MBUXスーパースクリーン)
MBUXスーパースクリーン。運転支援系の情報もこれらのスクリーンに表示される

個人的には最新の車に乗りたい理由の一つは運転支援システムの進化とそれに伴う総合安全性能の向上なので、ここは素直に、「新しいほうがいいと思います」と述べておきます。

この点に重きを置いている方は、迷わず新型が良いと断言します!

4.価格をどう捉えるか

一番切実なのがこれかな、と思います。

BEVは車両本体価格で1千万円を超えることが予想され、もはやファミリーカーではない領域。自由に使えるお金がたくさんあって、それでもあまり大きくない7人乗りのSUVがほしい、ということであれば「どうぞ」、と言いたいところですが、そんな人いるのかなぁ、、、というのが印象。

少なくとも日本の家族像からすると、BEVに関していえば、なかなかターゲット顧客を見つけるのが難しい価格帯の車になってきたなぁというのが率直な感想です。

とはいえ、経済事情は各人違うでしょうから、あまり価格にこだわりのない方であれば買っても後悔しない車であろうことは想像できます。

気になるのはマイルドハイブリッド仕様。こちらが現行ディーゼルと同じような価格で出てきたら、前述のパワートレーンの好み、サイズの問題でクリアできれば「現行GLBよりも魅力的だな」と思う方も多いかもしれません。

5.運転フィールの違いをどう捉えるか?

まだ車に試乗できるわけではないので推測にしか過ぎないのですが、近年のメルセデス・ベンツは運転フィールを意図的に変えてきています。BEVのラインナップであったEQシリーズもさることながら、Cクラスのような中核モデルでも、W205からW206になった際に運転フィールは激変しました。

一言でいうと、「デジタル」。ステアリングに返ってくるフィードバックは相当加工(または減衰)され、アクセルやブレーキなどの入力もアソビの後に急激な立ち上がりがくるタイプに変わってきています。

GLBも、おそらくこの路線になってくるのでは?と想像しています。

これは本当に好き嫌いが出るところなので、アナログなフィールが好きな人は現行型を買った方が無難だと思います。次期型を待つ場合も、運転フィールに好き嫌いのある方はぜひ試乗してから購入することをお勧めします。

おまけ:スリーポインテッドスターに囲まれたいか?

下記の写真をご覧ください。笑

メルセデス・ベンツ GLB(新型)の「星空モード(!)」

これが好きな人は買い、そうでなければ、、、選択を迷うかもしれません。

現行GLBオーナーの選択は?

迷わず、「今の車をキープ」です。現行最終型への乗り換えも案内されましたが、私は今の仕様が好きなので乗り換えはしない予定です。(そもそも新型は駐車場に入らないので、見なかったことにしています、というのが実情ですが。。。)

一番大きいのはディーゼルを手放したくない、ということ。トルクが十分あって運転が楽、燃費が良くて1,000㎞給油しなくて済む、給油してもディーゼルなので安い。これがこんなにも自分の車に対する評価に影響を与えるとは、私自身まったく思っていませんでした。

最新の運転支援機能を味わいたい、特にマイルドハイブリッドのパワートレーンも面白そうだな、と惹かれる一方で、運転感覚が今のCクラスみたいに人工的なものになっていくのかなぁとか考えると、不満のない現行型から乗り換えるところまでは踏み切れない、という気分です。

とはいえ、どっちがいい?と聞かれたら、「お財布に余裕があって駐車場にも余裕があれば、新型を待ってもいいかも。特に運転支援系に興味があれば最新世代を味わうためにぜひ新型を!でも、現行も十分魅力的ですよ!」と答えると思います。

メルセデス・ベンツ GLB新型のメーカーオフィシャルサイト(ドイツ本国)

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