(メルセデス・ベンツ GLB を選ぶまで:国内外の7人乗りSUV、ミニバン比較から続く)
最終的に7人乗りのSUV、メルセデス・ベンツ GLBを迎え入れた我が家ですが、そこに至るまでは紆余曲折がありました。ここでは、比較検討したライバル車の紹介をします。2台目はサイズから何まで直接ライバルになりそうなフランス製SUV、プジョー5008です。
ちなみに、我が家の車選びの条件は:
家族5人がしっかり乗れて、いざというときには両親2人を乗せて7人で移動できる。
マンションの駐車場の制約から、全長5m、幅1.85ⅿ以内に抑える必要がある
できればミニバン(当時日産セレナ(C26)に乗っていました)は卒業したい
けっこう難題でした。
プジョー 5008:プロフィール
プジョー 5008は、同じPSAグループのシトロエン グランドC4ピカソのコンポーネントを流用した7人乗りミニバンとして2009年にデビューしています。
その後、2017年に第二世代に移行していますが、なんとその時にミニバンから7人乗りSUVに衣替えをしたという、ユニークな経歴を持っています。
プジョー 5008とメルセデス・ベンツ GLBのスペック比較
比較は、プジョー 5008 GT BlueHDiと、メルセデス・ベンツ GLB 200d 4Maticで行っています。
ボディサイズ比較:プジョー 5008とメルセデス・ベンツ GLB
| メルセデス・ベンツ GLB 200d 4Matic | プジョー 5008 GT BlueHDi | |
| 全長×全幅×全高(㎜) | 4650×1845×1700(AMGライン) | 4640×1840×1650 |
| ホイールベース(㎜) | 2830 | 2840 |
| トレッド 前/後(㎜) | 1590 / 1600 | 1580 / 1585 |
| 車両重量 前/後/合計(kg) | 1060 / 810 / 1870(フルオプションの場合) | 1720(フルオプションの場合) |
| 前後重量バランス | 56.7 : 43.3 | |
| 最小回転半径(ⅿ) | 5.5 | 5.8 |
ボディサイズを見てみると、驚くほど似ていることがわかります。プジョー 5008の方が全高が低く、ややスポーティに振った感じです。ホイールベースもほぼ一緒。
しかし、最小回転半径は0.3m違っています。これはメルセデス・ベンツを褒めるべきところでしょう。
パワートレーン比較:プジョー 5008とメルセデス・ベンツ GLB
| メルセデス・ベンツ GLB 200d 4Matic | プジョー 5008 GT BlueHDi | |
| エンジン形式 | 654 | |
| エンジン種類 | 直列4気筒DOHCディーゼルターボ | 直列4気筒DOHCディーゼルターボ |
| ボア×ストローク(㎜) | 82.0×92.3 | 85.0×88.0 |
| 総排気量(cc) | 1949 | 1997 |
| 最高出力 | 150PS / 3400-4400rpm | 177PS / 3750rpm |
| 最大トルク | 320Nm(32.6kgm)/ 1400-3200rpm | 400Nm(40.8kgⅿ)/ 2000rpm |
| 燃費(WLTC総合) | 15.9㎞/l | 16.6km/l |
パワーとトルクはプジョー 5008の方が勝っています。実際に5008は「パワフル」、GLBは「十分」という感じがします。このあたりの考え方の違いは面白いですね。燃費はFFの分プジョー 5008の方が有利。
足回り比較:プジョー 5008とメルセデス・ベンツ GLB
| メルセデス・ベンツ GLB 200d 4Matic | プジョー 5008 GT BlueHDi | |
| サスペンション形式(前) | マクファーソン・ストラット | マクファーソン・ストラット |
| サスペンション形式(後) | マルチリンク | トーションビーム |
| ブレーキ(前) | ベンチレーテッドディスク | ベンチレーテッドディスク |
| ブレーキ(後) | ディスク | ディスク |
| タイヤ(前) | 235 / 50 R19(AMGライン) | 205 / 55 R18 |
| タイヤ(後) | 235 / 50 R19(AMGライン) | 205 / 55 R18 |
| 駆動方式 | AWD(4輪駆動) | FF |
最後は足回り。メルセデス・ベンツは昔からマルチリンクを採用しており(というか狭義の意味のマルチリンク式はメルセデス・ベンツが世界で初めて開発した)、荷室を広げるためにも広く使っています。対するプジョー 5008は伝統的なトーションビーム式。小型車メーカーからきているからでしょうか、この違いは興味深いところです。
マルチリンク式サスペンションの説明はウィキペディアがわかりやすいかと思います。
プジョー 5008のエクステリア
フランス車らしいおしゃれでカッコいい外観。しかも日本ではそこまでたくさん走っていないので他人と被らない点もよい。これだけで選ぶ人がいても不思議ではありません。
ただ、フロントグリル、フォグランプ、リアマフラーあたり、けっこうダミーパーツも多く、このあたりはなかなか思い切っているなぁと思いました。

プジョー 5008:内装
内装はフランス車らしく、あか抜けています。このあたりはドイツ車にはない雰囲気。ステッチの色選びなんかもステキです。ドアの内張のクロスなんかもなかなか面白い演出でした。

プジョー 5008:乗り込んでみると
乗ってみると、まず良いなと思うのがシート。しっかりとクッションの厚みがあって、とても快適。
じつは、フランス車の購入検討はすごく久しぶりで、ダッシュボード等なにもかも新鮮すぎて、シートについてそこまで気が回らなかったことを白状しておきます。それでも、あれ、なんかいいぞと記憶に残ったことだけはお伝えしておきたいです。(この後の部分を読んでみても、なんか薄味です。ごめんなさい)
前方を見渡します。視界は悪くない。ただドアミラー周りは死角が大きい感じ。
後方視界はCピラーの死角が思いのほか小さく、わりと良い感じでした。
ステアリングホイールの形状は斬新でちょっとびっくりしますが、慣れてしまえばよさそう。ただ、私のシートポジションだとハンドルの位置を少し下げないと計器盤の一部が隠れてしまいました。大柄な人がシートポジションを高めに取ったときに最適化しているのだと思います。このあたりはドイツ車にはない、ある意味ラフな部分かな。

スイッチ類は物理スイッチが適度にあり、大きさも大きめで押しやすいです。液晶画面で操作するスイッチ類も、全体にフォントは大きめ。扱いやすいと思いました。
GLBは:ストレスのない着座位置と前方視界。ただ、左斜め前はドアミラーの位置の影響でやや死角が大きい。ボンネットがそれなりに高いため、左斜め前全体に死角が大きい。
プジョー 5008の運転フィール
パワートレーンの印象
2.0Lディーゼルターボで最高出力177PS/3,750rpm、最大トルク400Nm/2,000rpm。燃費はWLTCモードで16.6km/l。
ディーゼルはとても軽快でトルクもあり、伸びやかさもあっていい感じ。音もまずまず静かでカラカラ音が全然しません。マツダ CX-8よりも、よりガソリンエンジンのような感覚が強いかも。
AT(アイシン製)のシフトはわりとトロいです。このクルマ用に安全マージンを取っているのか、あまりチューニングしてない感じです。また、パドルがとても小さく、あまり操作感もよくありません。基本的には使わないでねと言われているような気がしました。
また、アクセルレスポンスはちょっと癖があり、アクセルを踏んでも一瞬のためがありました。

GLBは:必要な時に、ちょうどいいくらいの出力。ターボのブーストの段付きも感じさせずに4000回転超までするっと回る。トルクの出方が絶妙でコントロールしやすく、むしろこれくらいパワーは控えめの方が、長時間乗ったときに疲れない。ターボはレスポンスが良い。「安全に疲れずに遠くまで走れる」特性といえる
運転フィール
ボディはしっかり感があり、サスペンションはかつての猫足、というイメージとはちょっと違う固めの乗り味。今のフランス車は独特の味よりもインターナショナルに通用するしっかりしたつくりをしているんだなぁと思いました。
カーブは機敏すぎずダル過ぎずスイスイ走ります。安定感も失わず、なかなか絶妙な身のこなし。コシはあるけどストロークはたっぷり。ハンドリングもナチュラルでなかなか爽快です。かなり気に入りました。ステアリングは走り始めはかなり軽めに感じますが、速度が乗るとぐっと重くなります。少し重さの変化は極端。
後席の方からはやや落ち着かない動き、音が伝わってくるようでした。セレナもトーションビームらしい縦方向の収束の悪さがあり乗り心地がかなり良くなかったのですが、もしかすると若干落ち着きがないのかも。
ブレーキはやや慣れが必要。初期に効きすぎ、カックンとなります。一瞬回生ブレーキかと思うくらいでした。独特だなぁ。
オールシーズンタイヤはそこまでうるさくなく、別にこのタイヤのままでいいかなと思いました。全体的にそれほど静かな車ではないので、他の音でかき消されているのかもしれませんが。。
全体的にドライバーズカーとして考えられたようで、その点ではGLBとはフォーカスの置き方が違うなぁと感じます。
GLBは:革の触感は良い。ステアリングはクイック。フィードバックはしっかりあり、アナログな感触が残っている。ステアリング中央付近の遊びは小さく、ファミリーカーとは思えない部類。たっぷりとしたストロークとコシのあるダンパー。電子制御ダンパーを装着していないこともあり、比較的あっさりしていて高級感はあまりない。ステアリングを切ってからの車の動きは「ああ、メルセデス・ベンツだなぁ」というもの。穏やかで動きに破綻が一切ない。安心感の固まり。全体に揺れ、振動が少ない。段差を乗り越えたときの収束が速い。座席の作りもよく、上半身が安定する。室内はわりと静か。特にロードノイズの侵入が少ない。
プジョー 5008の2列目シート
プジョー5008の2列目シートは何と3席完全独立型!5人家族の我が家にとってはこれはポイント大きいです。中央シートの座面もしっかりと左右シートと同等に作られていて、座り心地が良い。足元の、センタートンネルの盛り上がりもありません。もちろん、肩幅は少し狭いです。それでも中央席からは前方もよく見えるため、もしかすると2列目の特等席になるかも、と思いました。

GLBは:足元空間はそこそこあるが、座面長がやや短い。乗り心地は硬めだがよい。特に縦方向、横方向、前後方向の揺れが少なく、収束も速い。酔いにくさにつながっていると思われる。
プジョー 5008の3列目シート
狭いながらも十分座れるスペースが確保されています。背面はやや垂直気味に立っている感じです。また、座面、バックレストともに薄く、簡易的な作りでした。
プジョーは現時点でアメリカでの販売をしていないため、世界で一番厳しいアメリカの後方衝突試験(80㎞/hで70%オフセットにて後方衝突を受けた場合に燃料が漏れないようにしなければならない)をクリアしていないと思われます。その点はメルセデス・ベンツ GLBやマツダ CX-8と違うところ。
GLBは:アクセスはやや大変だが、しっかりと作られている。世界一厳しいアメリカの後方衝突試験をクリアしていて、安全性にも抜かりがない。オプションのスライディングパノラミックルーフを装着すると、前方の圧迫感もかなり軽減される。
プジョー 5008の荷室
写真を撮っていませんでしたが、バックドアの内張が少しえぐられていて、3列目を立てた状態でもそこそこ荷物が入るようになっています。このあたりは非常に良くできていると感じました。
もともとプジョーは7人乗りのコンパクトカーを作っていましたし、5008の初代はミニバンですから、このあたりの作りは日本車並みによく考えられていると思いました。

プジョー 5008の良いと思った点
コンパクトなのに積載性をよく考えられているところが一番でした。そして2列目の独立3座シート。これはかなりポイントが大きい。
もう一つ、大きなサンルーフもマツダ CX-8にはない美点。

プジョー 5008の気になった点
下にも書きますが、試乗中不思議なくらい障害物センサーが反応し、ピーピー音を立てていました。これだけ鳴ると、常時切っておきたくなるなぁなどと思って乗っていました。
2つ目はFFしか設定されてないこと。雪道に行く我が家としては、SUVで雪道で立ち往生はしたくない、という思いがあり、これは減点ポイントです。
もう一つは取り回し。マツダ CX-8よりもだいぶ小さいにも関わらず最小回転半径5.8ⅿはどうなのかなぁ、というのは正直なところ。
なぜプジョー 5008にしなかったか
オーナーの方には申し訳ないのですが、フランス車を所有したことがなく、どうしても電装品の信頼性についての不安が解消できませんでした。
試乗から帰宅して、YouTubeでオーナーさんの動画を何本も見て、やはりセンサー不具合、その他の不具合が発生していることを確認。私は日本車信仰(日本車は壊れなくて安心、という考え)はないものの、断念したマツダCX-8の影がちらつき、どうしても踏み切れませんでした。
たぶん、一度でもフランス車を所有していて、ある程度の「感覚」がつかめていれば一線を超えることができたのだと思われます。実際メルセデス・ベンツも電装品の初期不良は多く、決して故障の少ない車ではないのですが、だいたいどのあたりが弱いかということを知っていて覚悟ができていたため踏み出せたのだと思います。
いつかはフランス車、いいなぁと思うのですが未だに所有に至っておりません。フランス車のオーナーさんと仲良くなりたいですね。。
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最終的に決めた車、メルセデス・ベンツ GLBについては下記にまとめています。










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