我が家では、日産 セレナ(C26)から9年半ぶりに乗り換えをしました。その際、当初購入予定だったマツダ CX-8(当時モデルの全長4900㎜)が、5000㎜までの全長なら入るはずの自宅マンションの機械式駐車場に入りませんでした。
全長が制限サイズ以内の車でも機械式駐車場に入らないことがあるため、その理由と気をつけるべき点について書いておきます。
マツダ CX-8の購入検討記はこちら
ことの顛末
我が家の車選びでマツダ CX-8の購入を決め、念のため我が家(マンション)の機械式駐車場への車庫入れを試した時のこと。
我が家(マンション)の機械式駐車場の長さ制限は全長5000㎜。対するマツダ CX-8は4900㎜(当時。2022年11月のマイナーチェンジ後に4925㎜になっています)。問題ないように思えます。
マンションの駐車場に到着。一発で駐車OK!閉めてみよう。
「プー(エラー表示)」
マツダ CX-8、大きすぎてマンションの駐車場に入りません!
なんでー?フロントバンパーがセンサーに引っかかり、柵が閉まらず。。(ホントに一部みたいでした)
そんなことで、注文を諦めたのでした。
機械式駐車場の制限サイズ以下でも入れないことがある!
マツダCX-8は大きすぎて、我が家のマンションの駐車場に入りませんでした。
Q. マンションの機械式駐車場の長さ制限は全長5000㎜。対するマツダ CX-8は4900㎜、100㎜も余裕があるのになぜ入れないの?
A. それは、オーバーハングの問題があるからです。

マンションには通常後輪の車止めがついています。その位置は、セダンなどのようにBのリアオーバーハングが長い車でも後ろの壁にぶつからない場所になっているはずです。
車止めの位置は何段階かに動かせる機械式駐車場は増えていますが、中には我が家のように2段階しか動かせない場合もあります。
そうするとどうなるか、Bのリアオーバーハングが短い昨今のSUVやミニバンは、後ろの壁との空間が余ります。
そうすると、今度は前が入りきらない。
こうして、全長4900㎜の車でも、長さ制限全長5000㎜の機械式駐車場に入らない、という問題が起きるのです。
リアオーバーハングに注意!
じつはマンションの機械式駐車場には、全長だけではなくオーバーハングの規定があったのです。ここはマンション住まいの方は気をつけた方がいいポイントかもしれません。
ポイントはリアオーバーハング。
実例で見てみる
マツダ CX-8は全長4900㎜(マイナーチェンジ前)の車で、リアオーバーハングが1035㎜でした(同じSUVのメルセデス・ベンツ GLBは905㎜)。
駐車場の長さの制限は全長5000㎜、リアオーバーハングは1250㎜以内。
当然リアオーバーハング規定はクリア。後ろの壁との距離はたくさんありそう。
逆に、全長からリアオーバーハングを引いた数字はどうでしょうか?これは車止めよりも前の車の長さです。この車(マツダ CX-8)だと3865㎜ですね。
一方、機械式駐車場の長さの制限が全長5000㎜、リアオーバーハング1250㎜の場合、車止めよりも前の車の長さは3750㎜までしかダメ(実際はマージンを取ってありますが)になります。
そうすると車止めよりも前の車の長さは機械式駐車場の制限長3750㎜に対して実際は3865㎜、明らかにオーバーしています。そのため、駐車場の柵のセンサーにひっかかって閉まらなくなってしまったわけです。
機械式駐車場は全長xxxx㎜まで大丈夫、と書いてあっても安心できないのです。

長さが制限サイズ以内でも入らないかもしれない車
全長が機械式駐車場の長さ制限-150mm以下の車
ちょっとわかりにくいですが、例えば下記のような感じです。
・機械式駐車場の長さ制限が全長5000㎜の場合、4850㎜-5000㎜の車
・機械式駐車場の長さ制限が全長5300㎜の場合、5150㎜-5300㎜の車
このような場合は、実際に車庫入れして大丈夫か(センサーが反応して閉まらないなどがないか)確認したほうが安全です。特に、SUVやミニバンの場合はリアオーバーハングが短く、車庫の全長を有効に使えないため危険です。
気をつけた方がよさそうな車の実例
1.40系トヨタ アルファード / ヴェルファイア
全長は4995㎜。ミニバンサイズでリアオーバーハングが短いことを考えると、アルファード / ヴェルファイアが長さ制限5000㎜の機械式駐車場に入らないところはけっこうあるのではないでしょうか?少なくとも我が家の機械式駐車場は、入れるまでもなくNGです。
(公式発表のリアオーバーハングは1040㎜。つまり車止めよりも前の長さは3955㎜。我が家の駐車場に入らなかったCX-8(同3865㎜)よりも90㎜長くなっています)
特に、この車は全幅も1850㎜に抑えており、マンションによくある、「制限サイズが全長5000㎜×全幅1850㎜の駐車場」に収まることから、逆に注意が必要です。実際、ほとんどのメディアがプレスリリースそのままに、「一般的な機械式駐車場の制限サイズ(全長5,000mm×全幅1,850mm以下)に収まるボディサイズを維持」(トヨタのプレスリリースのまま)と書いています。
(トヨタも確信犯的ですが、アルファード / ヴェルファイアの全長 / 全幅が機械式駐車場の制限サイズよりも小さいとしか言っておらず、実際にアルファード / ヴェルファイアが一般的な機械式駐車場に入るかどうかは言っていません)
2.トヨタ クラウン クロスオーバー
トヨタの人気車種が2台連続して登場です。
全長4930㎜。全幅1840㎜。これも「機械式駐車場の制限サイズよりも小さい」ように作られているように見えます。
リアオーバーハングは1060㎜。つまり車止めよりも前の長さは3870㎜。我が家の駐車場に入らなかったCX-8(同3865㎜)よりも5㎜長くなっています。この車もおそらく我が家の駐車場(5000㎜許容)には入らないと思われます。
ちなみに、クラウン セダンは全長が5030㎜と5000㎜を超えており、書面上でも5m制限の機械式駐車場には入れません。
3.日産エルグランド
全長4965-4975㎜。これも多くの5000㎜許容の駐車場には入らないのだろうと思います。
4.マツダ CX-8
全長4925㎜。この記事で書いてある通り、少なくとも我が家の機械式駐車場(5000㎜まで入る)には入りませんでした。マイナーチェンジで全長が25㎜伸びたことでさらに厳しくなっていると思います。
全高が1550㎜ぎりぎりの車
全長ほどには気をつけなくてよいと思いますが、全高についても念のため。
マンションによっては、ハイルーフの区画が少なく、1550㎜までの高さまでしか許容していない駐車場も多いと思います。
その場合、全高が1550㎜を超えている車は諦めるしかないと思います。
たとえばスバル レイバックなど、全高が1570㎜というように微妙に1550㎜を超えるような車は、残念ながら全高1550㎜までしか入れられない機械式駐車場には入りません(物理的に入ったとしても、駐車場使用許諾が下りない、という意味です)
しかし、問題は立体駐車場のノーマルルーフ対応とうたっている車。例えばスバル クロストレックでもシャークフィンアンテナを外したモデルは1550㎜ですし、初代ミニ クロスオーバーも1550㎜。
このようなクルマは、マンションの機械式駐車場の高さ制限が全高1550㎜の場合は、本当に入れたときに入るかどうかどうか試してみることをお勧めします。
※実際には1550㎜を超える車もセンサーに引っかからないこともあるようですが、自分の車の駐車場として使う場合には、駐車場使用許諾の申請時点で管理組合等のチェックではねられるようです。たまたまチェックミスで申請が通った後に発覚して、承認を取り消された例も知っています。
気をつけた方がよさそうな車の実例(全高1550㎜以下ぎりぎり。幅1850㎜以内に限定)
| 国産モデル | |
| レクサス | UX |
| トヨタ | クラウン クロスオーバー、C-HR |
| マツダ | CX-3、CX-30、MX-30 |
| スバル | クロストレック(シャークフィンアンテナ非装着の場合) |
| 輸入モデル | |
| BMW | X2 |
| DS | 3 クロスバック |
少し古い車をまとめてみました。
| 国産モデル | |
| 日産 | ジューク |
| ホンダ | オデッセイ(3代目、4代目)、ストリーム |
| スバル | XV(3代目)、フォレスター(2代目まで) |
| 輸入モデル | |
| ミニ | クロスオーバー(初代) |
| BMW | X1(初代) |
おそらく入らない(申請が通らないことを含む)であろうモデル(全高1550㎜超)
| 国産モデル | |
| トヨタ | ヤリスクロス(1590㎜) |
| ホンダ | ヴェゼル(1580-1590㎜) |
| スバル | レヴォーグ レイバック(1570㎜)、クロストレック(1575㎜) |
| 輸入モデル | |
| ミニ | クロスオーバー(2代目。1595㎜) |
| ベンツ | GLA(1,585-1620㎜)、Bクラス(1,565㎜) |
過去のモデルでは、トヨタ プリウスα(1575㎜)、トヨタ ウィッシュ(1590㎜)などがあります。
スバル レヴォーグ レイバックやクロストレックも全高1550㎜の機械式駐車場には入らないのですね。。レヴォーグ レイバックは国内市場向けに作ったと言っているのになぁ。。
全幅が幅の制限サイズぎりぎりの車
日本の機械式駐車場の全幅の制限は、1850㎜のところが多いようです。一昔前の設計のところだと1800㎜も見られます。
やや古い機械式駐車場は、制限サイズ内であってもホイールのガリ傷に注意!
これは、物理的に入る入らないの問題ではないのですが、古い設計の機械式駐車場は、サイド部分の金属が垂直にそそり立っています。ここに扁平タイヤかつ引っ張りが大きい(タイヤ幅に対してホイール幅が相対的に太い)場合は、アルミホイールをサイド部分に擦る確率が高くなります。
特に後輪駆動スポーツカーの場合リアが張り出しており、真っすぐ後退するのは意外に難しいので注意が必要です(うちのマンションの駐車場にも幅の制限が全幅2000㎜のところにフェラーリF8トリブート(全幅1979㎜)が止まっており、相当気を遣っていそうでした)。
我が家のポルシェ 718ボクスター GTS 4.0も全幅1800㎜ですがご覧の通り。納車日にガリ傷を作りました。。その後、全幅2000㎜のところに移動しました。


全幅が1850㎜を少し超える車は、1850㎜許容の駐車場に止められるか?
トヨタ ハリアーやトヨタ RAV4など、幅1855㎜という嫌がらせのような幅の車は、実際には(物理的には)幅の制限が全幅1850㎜の機械式駐車場になんとか入れることができると思います。しかし、自分の車の駐車場として使う場合には、残念ながら駐車場使用許諾の申請時にはねられると思います。
知らないだろうと思って虚偽申告した場合にはまずいことになりますので、くれぐれもなさいませんよう。
※車検証はセンチ未満切り捨てなので大丈夫(1855㎜→185cmと記載されるため)という書き込みもありますが、通常管理組合等への駐車場使用許諾の申請は車検証が発行される前のタイミングで行うため、難しいと思います(つまり、通常はカタログの数値を記載して申請する。この際に数値を偽ると虚偽申請になってしまいます)。詳細は管理組合にお尋ねすることをお勧めします。
おそらく入らない(申請が通らないことを含む)であろうモデル(全幅1850㎜超)
| 国産モデル | |
| レクサス | NX(1865㎜) |
| トヨタ | ハリアー(1855㎜)、RAV4(1855㎜-1865㎜)、クラウンスポーツ(1880㎜)、クラウンセダン(1890㎜)、bZ4X(1860㎜)、GRスープラ(1865㎜) |
| スバル | ソルテラ(1860㎜)、レガシィアウトバック(1875㎜) |
| ホンダ | アコード(1860㎜) |
| 三菱 | アウトランダーPHEV(1860㎜) |
| 輸入モデル | |
| ベンツ | Eクラス 214型(1880㎜)、 213型(1860㎜。クーペ、カブリオレ、オールテレーン) |
| BMW | 5シリーズ G60 (1900㎜)、G30(1870㎜) |
ここに書かれた中では、トヨタ ハリアー、RAV4は、全幅1850㎜の機械式駐車場に入らないことになります。レクサス NXも全幅1850㎜の機械式駐車場には入りません。国産車のしかも人気車種なのに何これって感じですよね。ハリアーについては、実際に困っている方も多数いる模様。
(これはアメリカのインチ表記で全幅73インチ(約1854㎜)で作っているからなんですよね。トヨタにとってもアメリカ市場が圧倒的に大きいので、日本のことなんて考えてくれない感じですかね。)
トヨタ クラウンスポーツ、クラウンセダンも1850㎜を優に超えてしまっているため、こちらも全幅1850㎜の機械式駐車場には入りません。
そのほか、三菱アウトランダーPHEVも何気に1850㎜を超えています。
また、メルセデス・ベンツ Eクラス(W213型)も、セダンとワゴンは全幅1850㎜で1850㎜まで入れる機械式駐車場には入るものの、クーペ、カブリオレ、オールテレーンは全幅1860㎜で入りません。新型W214型は幅1880㎜なので、残念ながら1850㎜の機械式駐車場では諦めなくてはなりません。
駐車不可でなくても、駐車場の形状によってはかなり入れにくいであろう車としては、ポルシェ 911 992型(一部のモデルは1850㎜。1852㎜と表記されることもある)、BMW 4シリーズ(1850㎜)、フェアレディZ RZ34(1845㎜)、GRカローラ(1850㎜)などがあげられます。
その他、代車として実際に駐車場に入れることになったメルセデス・ベンツ CLA AMG 35は1835㎜。ホイールが張り出しているため入れるのは超緊張しました。2度ほど実際に車から降りてまっすぐ入っていることを確認しながらの駐車でした(所要5分?)。正直二度とやりたくありません。AMGモデルはタイヤの引張りが大きめの車が多く要注意です。
また、私が2025年に購入したスバル S210も全幅1845㎜。タイヤも引っ張り気味のため、リムガードが比較的張り出しているミシュラン パイロットスポーツを持ってしても確実にガリ傷を作りそうな感じでした(そのため再びポルシェ 718をタイヤをリムガードの張り出した銘柄に変えた上で1850㎜の幅のところに押し込め、S210は幅2000㎜のところに収めることにしました)。
このように、全幅が1850㎜以下であっても、特にスポーツモデルのようにホイールのリムが張り出している車の場合はホイールに傷をつける可能性が高いので、購入前に実車を見るなりすることをおススメします。
※逆に、我が家のメルセデス・ベンツ 200d 4MATICの全幅は1845㎜ですが、タイヤがホイールよりもかなり外に出ているため、ホイールを傷つける心配がなく、しかもクルマがスクエア(真四角)に近いため入れやすく、まったくストレスを感じません。
まとめ
機械式駐車場に車を止めていらっしゃる方は、駐車場の制限サイズ以下の車なら絶対入ると思わないほうが賢明です。特に全長は注意。駐車場の制限サイズぎりぎりの車を買おうとされている場合は、ぜひ実際に車庫入れをされることをお勧めします。
もう一度しつこいですが、
特に全長5000㎜の機械式駐車場に入るかどうか、注意が必要な代表的車種はトヨタ アルファード / ヴェルファイア、トヨタ クラウン クロスオーバー、マツダ CX-8、日産 エルグランド
全高1550㎜の機械式駐車場にギリギリ入らないのがトヨタ ヤリスクロス、ホンダ ヴェゼル、スバル レヴォーグ レイバック、スバル クロストレック(シャークフィンアンテナ装着)、ミニ クロスオーバー
全幅1850㎜の機械式駐車場にギリギリ入らないのがトヨタ ハリアー、トヨタ RAV4、レクサス NX、メルセデス・ベンツの213系のクーペ、カブリオレ、オールテレーン
あたりです。
実際の経験から、少しでも注意喚起できればと思って書きました。
最終的に我が家の車になったメルセデス・ベンツ GLBの購入検討記はこちら。










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