50歳にして初挑戦。オープンカー(ポルシェ 718ボクスター)で走る富士スピードウェイ(FSW)。今回は波乱の走行会デビューについてお伝えします。

サーキットデビューは暑い中、走行会デビューは雨、なんで!?と思いたくなりますが、良い経験になりました。

走行会当日:富士スピードウェイ到着まで

当日の天気予報は雨。前々日には降り始めの予報が「午後2時」「午後7時」とどんどん遅くなり、これなら行けるな、と思っていたのですが、前日に予報が変わってしまいました。

前日夜から、雨が降ったたらいくのはやめようかな、などと考えていたのですが、結局「まぁ行ってみるか」ということに。

途中7時に出発地近くで集合すると、先発隊から「雨が降り始めました」との報告が。仕方ないな、怖そうだったら走るのをやめよう、ととりあえず行くことにしました。

9:00過ぎに到着。

着いてみると結構本格的な雨。気温も2℃を切って寒い。

重い気分のまま富士スピードウェイ入りをしたのでした。

出走まで

当日のタイムテーブルはこんな感じでした。

9:30 入場&準備

11:00 ブリーフィング

13:00 1本目(2グループに分かれて30分ずつ)

14:00 休憩

15:00 2本目(同)

16:45 ラップアップ

まず準備ですが、計測器を取り付けたり、ゼッケンを取り付けたりと、初めてのことがけっこうありました。まず、ゼッケンがどこにあるかわからず(いただいた封筒に入ってました。)周りの方に親切に教えていただき、何とか準備しましました。

ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、ピットに入ったところ
とりあえずピットに入りました。人生初ピット
ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、ピットに入ったところ
ゼッケンをはったところ。どうしてそんなヨレヨレになる!?

ないじぇる井桁さんによるドライビング

当日はないじぇる井桁さんに自車を運転してもらうプログラムに申し込みました。

自分の車を2週、運転してくださり、助手席でその走りを体験するというものです。

走り出します。

ないじぇる井桁さん(な氏)「タイヤは何ですか?」

私「ピレリ P ZEROです」

な氏「あぁ、噛まないタイヤですね。噛まないなりに運転してみます」

私(いきなり怖っ!)

アドバンコーナー(ヘアピン)通過。

な氏「ゴゴーと言っているのはちょっとフロントが滑っている音なんです。」

ガクッとなり、電子制御(スタビリティマネジメントシステム)が介入します。

な氏「今後ろも滑った感じですけど、正面見てれば大丈夫です

私(こ、怖い。なんでこんなに冷静なんだろう)

意図的に滑らせて、すぐにカウンターを当てて戻しているところなど、とてもまねできません。

私はドライ路面で2回、富士スピードウェイを走っていますが、その80%くらいの速度でも車が滑り出します。思った以上に怖い、ほんと走るの止めようかなぁ、と思ってしまいました。

ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、ピットロードにて
ないじぇる井桁さんによる走行の後、赤旗で戻ったところ

接触事故発生、一本目はキャンセル

残念なことに、ストレートのエンドのところで参加者同士の接触事故があり、赤旗に。ブレーキのタイミングに違いがあり、後ろから追突してしまったようです。

ないじぇる井桁さんの運転中でしたが、どうも発生直後でした。

慎重に間を抜けて次のコーナーに行くと赤旗が出ました。さすが冷静ですね。ゆっくり一周して戻ってきました。

事故に遭われた方、本当に残念ですがお身体には何もなかったようなので良かったです。

最初で最後の1本

雨は幸い少し小降りになってきました。10分遅れの進行で、15:40、天気が悪いため少し薄暗くなり始めてからの出走です。

最初のブリーフィングで、電子制御ダンパーがついている人は「ソフト」に設定した方が良いと教わったので、Sport+(プラス)でダンパーは通常のセッティング(柔らかい方)にします。トランスミッションはいつもの通り「オート」のまま。

ざっと25台くらいの出走でしょうか?思ったより水は少ないので視界が見えないということはありません。団子状態から少しずつばらけて、3週目からは少しずつ走れるようになります。

少しペースを出すと、コカ・コーラコーナー手前のブレーキが全然効かない!あとでログを見ても減速Gが0.90Gで、ずるずると滑って間断なくABSが効いています。普段は-1.2G(-は減速の意味で使っています)近く出るので、75%くらいで滑り出す感じ。しかも微妙に横にもずれて滑るのでけっこう怖かったです。

それでも怖いもの知らずの初心者、雨が小降りになって、もう少し行けるかな、と思ってしまいました。(画面では乾いているように見えるかもしれませんが、富士名物の「小川(雨水がサーキットを横切って流れる箇所が2か所ある)」こそないものの、朝から降り続く雨で路面はところどころ水がアスファルトから浮き出るくらい、十分に濡れていました)

すると。。。

イン巻きの挙動が出て電子制御が入ったところ(0:10付近)

300Rで少しアクセルを入れると、「ズルッ」っとイン巻しそうになり、電子制御が入ります。おお、これは怖い!

後でログを見てみると、速度144㎞/h、横Gが0.70Gで発生。こんな状況でもイン巻きのような動きが発生するのですね。。

ここからはおとなしく走りました。

周回の模様

動画を掲載してみました。お暇な方は下手なドライビングをお楽しみください(笑)。ちょっと危なかったところも含むラップを選びました。718ボクスター GTS 4.0のエンジン音を聴くだけでも楽しいかもしれませんよ。

若干の解説も追加しています。コースガイドはこちらをご覧ください(公式)

周回の様子。8週のうちの4週目(この日のセカンドベスト)

0:00 ストレート:

このラップのストレートは誰もいなかったのでスピードが乗ってからは比較的べた踏みに近い状態。最高速230km/h(ECUの値。以下同)。ブレーキ開度は40%程度でかなり手前から減速して徐々にブレーキを抜いていきました。最大減速Gは0.58G(雨の中の高速からのブレーキは何かあると怖くてなかなか攻められません。これは4週目でそのあとはもう少し攻めましたが。)

0:33 第1(TGR)コーナー:

最低速度47㎞/h。横Gは0.68。普段の75%くらい。時速55㎞/hくらいだと車が滑り出すようでした。

カーブを抜けて緩やかな右カーブを抜けます。フルスロットルで行くと少し危険なため控えめ(80%程度)に、直線になってからフル加速。それでも小刻みにリアが滑っています。最高速163㎞/h。ここもドライの時は190㎞/h近く出るのでだいぶ遅めでした。

0:48 コカ・コーラコーナー:

縁石の手前でブレーキを踏みはじめないと曲がれないくらい。この周は比較的スムーズにブレーキ(減速Gは0.67G)、75㎞/hで通過。私のタイヤでは80㎞/h近辺がキープできればよしよしといったところでした。

0:58 グリーンファイト100Rコーナー:

ドライの時には一番Gがかかると言われるコーナーで、自分の運転でも1.1Gは超える。この周は117㎞/hで進入、一番きついところで101km/h、横Gは0.83G。少し頑張りすぎて限界が近くなり後半スピードを落としました。もう少し速度を安定させたいところ。

1:15 アドバンコーナー(ヘアピン):

61㎞/hまで減速。横Gは0.75G。ドライの時は私でも75㎞/hくらいで通過するのですが、やっぱり80%くらいになるようです。出口は右側に水が多いので少し左側のコースをとってコンパクトに走るのがいいそうです。

1:28 300R:

先ほどの動画の通り、速度144㎞、横Gが0.70Gの時にイン巻きの動きがでました。ビビってスピードを落とし、コーナー手前の最高速は158㎞/hどまり。

1:39 ダンロップコーナー:下りで最高速が出た後の、このコースで一番きついRのコーナー。ブレーキングが遅すぎるとABSが派手に作動し、横にも少し振られるのですが、この周はその前のイン巻きが怖すぎて戦意喪失。早めにブレーキ。減速Gは0.75G。ABSが作動すると0.9Gを超えている感じです。36㎞/hでコーナー進入。失速しすぎ。次の左カーブは52㎞/h、横Gは0.72G。ダンロップコーナーからはけっこうな上り坂でアクセルを入れたときにホイールスリップが起きているのがわかります。

1:59 第13コーナー:ここから個人的に苦手なコーナーが続きます。登りながらインについて右にカーブ。62㎞/hで進入、横Gは0.69G。ここもドライ時の75%くらいの速度。

2:09 GRスープラコーナー:複合カーブで奥が一番きついカーブ。時速53㎞/hまで減速、横Gは0.68G。普段は1.1G近くかかるところですが、イン巻きを引きずって戦意喪失状態のまま。

2:22 パナソニック(最終)コーナー:前に2台車がいるので少しラインをずらして走りました。60㎞/hまで減速(ドライ時は75㎞/hくらい)。それでも一時的に横Gは0.78Gに。

2:32 ストレート:徐々にアクセルを上げて、前の車が1列に並んだので右から失礼します。しかし前走車から私の位置が見えづらかったのかもしれません、右に寄って追い越す形になってしまいました。追い越すためもあり最高速233㎞/h。

(※ 1本目に事故があったため、1.車が後ろから近付いている時に譲るための車線変更をしないこと、2.通常は右に寄って左から車を抜かせた方が安全だがこの日はかえって危険なので抜く方がスペースを見つけて追い抜く、というルールが全員に共有されていました)

ウェット、怖いけど楽しい!

結局8週走りました。タイムはドライ路面よりも25秒以上遅い感じです。データを見ても下記のような感じで、やはり縦Gも横Gもドライ路面の80%弱。横Gの0.8Gと言えば普通に山道で出そうと思えば出せるGなので、いかにウェットで限界が低くなるのかがわかります。

最高速度と最大Gの記録
車載コンピュータでの最高速度、最大Gの情報(横浜で撮影)。ECUのデータとは異なる(ECUのデータでは最高速度233㎞/hでした)

自分のための比較用ですみません、ドライの時の様子も掲載しておきます(180㎞/h制限で走っています)。ずいぶん違うもんだなぁ。。

ドライの時の様子。2023年12月撮影
ポルシェ 718ボクスター GTS 4.0、ピットロードにて。
すべての走行を終えた後、ピットレーンにて。後ろはブラックバード号

それでも、ウェットでの走行は雪道を合法的に飛ばすような楽しさがあり、これはこれで車の動きが良くわかり楽しかったです。ただ、怖かったので次もウェットで乗りたいですか?と聞かれたら、「いえ、ドライでお願いします」と迷わず答えます。

しかし、こんな中でも電子制御なしの930で参加されている方もけっこうたくさんいました。凄すぎます。

おまけ

スゴイ車両が来ていました。本当はデモランもある予定でしたが雨のためみるだけ。それでもものすごい価値ある体験でした。

アストンマーチン・ヴァルキリー
アストンマーチン・ヴァルキリー AMR Pro。世界40台限定車。LMP1カーより速いらしいです
アストンマーチン・ヴァルキリーのサスペンション
足回りも化け物級。フルカーボン

そして主催者、K氏のブラックバード号(ご存じない方は、検索してみるとどんな車かわかります)。本当に楽しませていただきました。ありがとうございました。

ブラックバード号
ブラックバード号

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