桜の季節。メルセデス・ベンツ W126(300SE)で桜を見るドライブへ行きましたのでお伝えします。場所は山梨市牧丘町、乙ヶ妻のしだれ桜です。
ドライブプラン
今回のドライブの最大の目的は、しだれ桜を見に行くことです。
山梨県のフルーツラインを通り、しだれ桜をみて、その後さらに奥にある小さなダムを目指します。山道は、大きな古いベンツにはちょっときついかも!?
ルートを見てみるとほぼ一本道。
一本立ちのしだれ桜を見に、中央道をひた走る
古い車の大敵、渋滞にはまる
メルセデス・ベンツ W126(300SE)では、今まで1日300㎞を超える距離のドライブをしたことがありませんでした。今回は横浜から山梨県山梨市に向かうので初めて往復300㎞を超えそうです。
横浜を出たのが10時頃と遅く、しかも圏央道は落下物のため渋滞。運悪くトンネルの中で渋滞につかまります。古い車で怖いのは渋滞。この日の気温は15℃程度であるものの、トンネル内は24℃くらいを示しています。
じりじりと水温計の針が80℃ちょっとのところから上がり続け、100℃近くを指します。この車、水温計の針が100℃を超えたときも特に何も症状は出なかったのでそれほど心配はないのですが、やっぱり気分は良いものではありません(ちなみに、不凍液を使っているため「水」温は100℃を超えます)。

問題の落下物箇所を通過、車が流れ始めると2、3分で水温計は通常のポジションに戻りました。
高速道路を走るW126
W126で高速道路を長距離走るのは久しぶりです。中央道は初めて。昔家の車で乗っていた時は、アウトバーンを「矢のごとく」走っていた印象だったのですが、実際に今運転してみると、直進安定性は今の車に比べるとやや頼りない感じ。
これは車そのものより、どちらかというとステアリング機構からきているような感じです。パワーアシスト付きのリサーキュレーティング・ボール式のステアリングは今のラックアンドピニオン式に比べると中央付近がボヤーンとした感じで落ち着きがなく、少しずつ修正舵を入れる必要があります。
でも、これがまた「味」なんですけどね。ずっとにやーっとしながら運転してしまいそうな美味しさです。

風切り音は、おそらくこの時代の車(初登場は1979年)にしてはかなり少ないです。ドアミラー付近から音が出るものの、ボディからの音はかなり小さく感じます。さすがに、現代の空力の基礎を作った車といわれるだけのことはあります。

また、ロードノイズも小さく、現代の水準でも「静か」と言えるほどの車。
そしてこの頃のメルセデス・ベンツの設計は「寸分の隙もない」感じで、各パネルの合わせ目からのビビり音は本当に少ない(今のメルセデス・ベンツの方が音がする)。ちょっと大げさかもしれませんが、このあたりは新車と比べても遜色がありません。
ひとしきり、W126の良さを楽しんだところで、フルーツラインへ。桜を目指します。
ところどころ、桜が咲いていました。ソメイヨシノも満開です。

乙ヶ妻のしだれ桜
いつも目的地に行くまでの話が長いので、今日はすぐに桜。
フルーツラインから山梨県道219号柳平塩山線に入り、そこからさらに小さな道に入ると、丘の上にしだれ桜が見えます。

乙ヶ妻は「おっかづま」と読むようです。丘の上に一本立ちしている桜。推定樹齢は150~200年だそう。夜間はライトアップもされているそうです。
まだそこまで有名でないためか人もそれほど多くありませんでしたが、ローカル局の取材が入っていました。



小高い丘にあり、反対側(真南)を見渡すと富士山が良く見えます。なんて素晴らしいロケーション!

そして、西側を見るといたるところに桜が咲いています。この時期は本当に山がきれいです。

至福の時でした。



山梨県道219号柳平塩山線を琴川ダム方面へ
ここから桜とは別れて一旦南下して牧丘町窪平で昼食をとり、その後山梨県道219号柳平塩山線を北上、琴川ダムという小さなダムを目指します。
山梨県道219号柳平塩山線は、山梨市牧丘町柳平と山梨県甲州市塩山上於曽・菅田神社前交差点を結ぶ県道。私が走った区間は、他の林道と合わせて「クリスタルライン」と呼ばれているようです。県道の終点である柳平からさらに北上すると、県営林道川上牧丘線という有名な林道を通って長野県との県境にある大弛峠まで行くことができます(5月末までは冬季閉鎖)。
けっこう道が細くなり、ところどころ木切れも散乱していて不安になります。こりゃ古いベンツで行くところじゃないよな。。でも行きますけどね。

W126のパワーステアリングは、現代の水準でいうとけっこう重くずっしりとしており、よいしょこらしょとハンドルを大きく回さなくてはいけません。いい運動になります。
身のこなしは、いわゆる「フロントミッドシップ」で重量配分はけっこう良いこともあり(この車にそういう表現が合うかどうかは不明ですが)、正確です。
現代の車では考えられないくらいのロールをしながらカーブを走り抜けますが、この独特の感じをつかみながらステアリングホイールを切っていくと、何とも言えない楽しい気分になります。テンポさえ合わせられれば、「機敏」と言っても良い車の動きを引き出せます。
不意の段差を超えたときにサスペンションが大きくストロークしながら路面を決して離さないところなどは、悶絶しそうです(変態か)。
鳥居峠から乙女湖を見下ろす
なぜか山に深く入っていくと道が良くなってきます。有料道路として整備しようとしていたのかと思うくらい。

桜の名所と違って誰もいないこのあたり。人造湖である乙女湖を見下ろすスポットに来ました。水の色がきれい。

あらためて我が家のメルセデス・ベンツ W126を見回してみると、直線基調の、装飾の少ないすっきりしたデザイン。何度見ても好きだなぁ。

乙女湖南展望台へ上る
高いところに上る道があると、どうしても行ってしまうのが私の習性。「馬鹿と煙は高い所が好き」と言うそうですが。まぁ、オートマだし、いいか。

なんかかわいい絵だけど、書いてあることは恐ろしい。。

371段。

思いのほかきつかったです。。
上ると、大弛峠に向かう川上牧丘林道が見えます。いつかジムニーを買って走りに行きたい道です。
雪をかぶっているのは朝日岳でしょうか?

琴川ダム 湖岸広場へ
琴川ダムの湖岸広場の駐車場で、しばしW126を鑑賞。日本ではバブルの車といわれていたようですけど、全然違うんだよな。。このあたりのうんちくは別の記事に書いております。
特にこの車のサイドビューを見ると、なにやら(環境と共存すべき)クルマの未来を作り出そうとする強い意思みたいなものを感じて、胸がアツくなってきます。



冬季通行止めで乙女高原まではいけず
このあと、クリスタルラインを走って乙女高原まで行こうと思っていたのですが、この道は4月25日まで冬季通行止めなんですね。
せっかくなので林道川上牧丘線のゲートまで行ってから戻ることにしました。こちらは5月31日まで冬季通行止めです。


フルーツラインをぶどうの丘まで戻る
今度は来た道を戻ります。ところどころ視界が開け、富士山が見えました。

途中、ゲートで封鎖された道の跡が見えました。

フルーツラインは、甲府盆地北斜面の果実園帯を抜ける道。この季節は、果樹園の桃が一斉に咲いていてとてもきれいでした。花桃と違い、少し淡い色合いなところが何ともいい雰囲気です。




ぶどうの丘へ
もう一つ行きたかった桜の名所、甚六桜公園(勝沼鉄道遺産記念公園)は満車で駐車できなかったので、ぶどうの丘から眺めることにしました。

まとめ
ぶどうの丘では天空の湯につかった後、甲州種の無濾過ワイン、甲州スパークリング、オレンジワインを買って帰りました。
走行距離は319.0㎞。初めて300㎞を超えました。
今回はトンネル渋滞、中央道、狭隘路と様々なシーンを体験しましたが、どんなところでもそれほど苦にすることなく走れるのはすごいものです。まぁこんな5m超のセダンで一人で林道走るなよ、という感じではあるのですが、今の車と違って意外に最低地上高も高いので荒れた路面も楽勝です。
ということで、今後もいろんなところに連れ出そう、と思わせてくれたW126とのドライブでした。











コメントを残す