50歳にして初挑戦。オープンカー(ポルシェ 718ボクスター)で走る富士スピードウェイ(FSW)。今回は初めて走ったNS-4走行枠(慣らし用の枠の一つ上)について書きます。

結論から言えば、「時期尚早!」。周りにも迷惑をかけてしまいました。失意のあまり、写真を撮るのも忘れてしまいました。

富士スピードウェイの走行枠について

富士スピードウェイのレーシングコースには、一般の四輪車(ナンバー付きの車)が参加できる枠としては3つあります。S-4、NS-4、T-4(ツーリング)です。


S-4:ラップタイム 2’10 よりも速いペースで走行する車両を対象とした走行枠

NS-4:ラップタイム 2’00 よりも遅いペースで走行する車両を対象とした走行枠

T-4:ラップタイム2’20よりも遅く、最高速180km/h以下で走行する車両を対象としたスポーツ走行枠


いままでT-4で2回走ったのですが、「最高速180㎞/h以下」という規定があるため、直線はいつもセーブする必要があります。

前回、走行会で初めてフルスピード(雨だったので少し抑え目ですが)を出してとても楽しかったので、思い切ってNS-4の枠で走ってみよう、と思ったわけです。

ちなみに180㎞/h制限で走った際のラップタイムは2’10よりちょっと速いくらいだったので、まぁ大丈夫かな、と甘い考えでおりました。

2点、検証してみる

結論からいうと私の富士スピードウェイ、NS-4枠デビューは散々でした。が、せっかくなので、2つ検証してみたいと思います。

検証1:事前の練習としてグランツーリスモ7で試走を繰り返すことが良かったのかどうか

検証2:平日のNS-4枠が枠のデビューの場としてふさわしい場所だったかどうか

検証1:グランツーリスモ7で試走を繰り返すのは吉とでたか?

PS5のレーシングゲーム、グランツーリスモ7には富士スピードウェイが収録されています。

そして、718シリーズは収録されていないものの、先代981型のケイマンGT4があります。

私はこの車をシーケンシャルトランスミッションに変更して、ギア比、重量、重量配分、最高出力等を718ボクスター GTS 4.0 PDKのスペックに変更しています。(色もゲンチアンブルーにしている。笑)

グランツーリスモ7のケイマンGT4(ゲンチアンブルー)
グランツーリスモ7のケイマンGT4(ゲンチアンブルー)

前回のT-4走行枠での自分の走行データを元に各コーナーの目標最低速度を決定して、その通りに走る、そんなGT7での試走を繰り返し、実際の走行に備えました。

が、じつはこれがアダになりました。。。その話はまた後で。。。

検証2:平日のNS-4枠は、ステップアップの枠として適当だったか?

初めてのNS-4枠ということもあり、できれば空いている方がいいと考え、あえて平日に行ってみました。

この日はNS-4の枠が2つあり、午前の早い時間に1本目、50分空けて2本目という並び。

私は2本目を走ることにしました。

富士スピードウェイのNS-4走行券。この時は写真を撮る心の余裕がありました。

NS-4 1本目の枠:ものすごい参加台数

その1本目、走り始めた車を見てみます。

「なんだこの車の数は!?」。

数えると43台。しかも、ゼッケンをつけたチューニングカーが多数。

最初から当てが外れます。

2本目、少ないといいなぁ。。

NS-4 2本目の枠:並んでいる車は少ない、が。。。

そして開始前。一つ前のフォーミュラカーの走行枠で赤旗が出ていたため少し遅れます。ゲート前に並ぶと、車は数台のみ。なーんだ、良かった。でも数少ない周りの車は911 GT3や718ケイマンGT4。速そー。こっちはオープンカー。

いざ走行開始。(・・・)無言

2台目のポジションに並び、走り始めて第1コーナーをインについて回ります。すると、もう次々とフルスロットルで抜いていく車が。。

ここで理解しました。ほとんどの車がピットを借りていてピットスタート。しかも先ほど1本目を走っているので2本目は最初から全開!なのでした。うわー、失敗したかも。

現時点での結論:平日NS-4枠が2枠並んでいる時は要注意かも!?

NS-4枠は2枠が近い時間帯に設置されていることが多いようです。

富士スピードウェイ NS-4の走行枠の例。上記の例では、平日でも7日、8日などは2つの枠が近接している

その場合には、下記の点で初心者には要注意かなと思いました。

・特に平日はかなり多くの車がピットを借りて2枠とも走ることが多いよう(ちなみにピット料金は午前・午後どちらかで11,500円。一日23,000円)。

・この場合、かなり気合の入った上手なドライバーが多く、車もチューニングカーの割合が多い。チューニングカーはストレートは遅いものの、コーナーリングが異常に速いためどうしても絡みが多くなってしまう(ストレートで追い抜き、コーナーで追い抜いてもらうことになる。向こうから見ればこちらの存在が迷惑)

・(平日は)半分お仕事として車に乗られている方も多いのか、参加台数も多め

・2枠目とも走る車は、2枠目の最初から全開走行になる。しかもその方たちはピットから出走なので、ピットを利用しない車の後からコース進入する。つまり、「ピット借りない組」は後ろからくるかなりの台数の「ピット組」に追い抜いてもらわないといけない

富士スピードウェイ。ピットに並ぶ車たち
こんな感じで多数の車がピットに並んでおりました(赤旗で戻ってきた時)

ということで、NS-4枠のデビューはそれなりに敷居が高そうでした。

1枠しかない日はそれはそれで人が集中しそうですし。。休日はどうなんでしょうか。。

検証1(GT7)の結果

その1:コカ・コーラコーナーで絶句

コカ・コーラコーナーは、中くらいの直線が続いた後90度近く左に曲がる中速コーナー(コースガイドはこちら)。T-4走行枠で走った時は90㎞/h(ECUの値)ちょっとでカーブに進入し、じわっとアクセルを踏んで行っていました。今回はグランツーリスモ7(以下GT7)で練習していて、ここを最低速度100㎞/hで駆け抜けたいと考えていました。とはいえ一周目。

控えめのスピードでコーナーに入ります。が、、、凄いG。

3点式シートベルトだと体が動いてしまうくらい。ジェットコースターに乗った時のような「ふわっ」と浮く感覚。心臓がぞわぞわします。

で、メーターを見ると「83㎞/h(メーター読み。あとでビデオを再生したら89㎞/hでした)」。

何じゃこりゃ!グランツーリスモ7で試走した時とのあまりのギャップに呆然

こんなに大変だったっけ!?

すでに後続車がひっきりなく100Rのイン側に向かって来るため、(本来右に寄るべきですが)「あれ、どっちによけた方がいいのだろう」とあたふたしながらインを開けて外側へ退避。。。頭が混乱してきます。そして車は早速縁石近くの石を拾い、ホイールハウスに石がバチバチと当たる音が。。

ああ、GT7の時のようには走れないかもしれない。。。気持ちが暗くなります。

その2:そしてストレートへ。揺れる。。

その状態でストレートに進入します。1月にウェットで体験済みなので、そこまで大変ではないだろうと思っていると、、、

なんだか揺れる。じつはいろんなところで後ろから来る車に道を譲る際、かなりタイヤかすを拾ってしまいました。なんだかボコボコと縦に揺れる感じがします。

そしてスタートラインを超えるあたり、メーター読み230㎞/hくらいから明確に安定感がなくなってきます。

けっこう、怖いかも

そして、右に黄色いボードが見えるところで、一周目ということもあり感触を探るために早めのブレーキ。最高速はメーター読み255㎞/hくらい。

すると、なんかぶるぶるっと車が震え、少し浮いたような感じに。少しだけだけど、左右にも揺れ動いているのがわかります。

あの、がっしり止まる安心感の固まりのようなブレーキとは違う、経験のない状況にかなりビビってしまったのでした。

結論:GT7での練習は、アダになってしまったかも

今回走っていて一番いけなかったのは、GT7で練習する際に、各コーナーでのターゲット速度を決めていたことでした。

実際に走る際も、ちらちらとメーターを見ながら、(GT7での試走より)「遅すぎる」「遅すぎる」といちいち自身の走りをレビューをしてしまっていました。

メーターを見ながら運転するのは良くないのはわかっていたのに、です。

時速108㎞/hでコーナーを回ったとします。

0.5秒間メーターを見ただけでも15m進んでいます。

250㎞/hだと35mくらい進んでしまいます。

そんな暇があったらきちんと周りを見て運転すべきですよね。。

ようは私はしょっちゅうわき見運転をしながら走っていたということになります。

また、横GがかかるとGT7では簡単に走れていたコーナーが実際にはかなり難しく感じて、そのギャップからどんどん自分の運転に自信がなくなってしまいました

そんなこんなで、GT7は初めてのコースでの下見程度に考えておいた方がよさそうだなと、少なくとも私には思えました。

そしてやってしまった。。。

そんな感じで自信を喪失した状態での9週目(途中赤旗中断があったため周回は少なめ)、初めてクリーンラップが取れました。もうへとへとながらなんとか頑張ります。

が、第1コーナー(TGRコーナー)の進入前、メーター読み200㎞/hくらいまでスピードが落ちたところでブレーキ中に車が左に少し煽られたように動きます。怖い。。

何とか走ります。が、後ろから車が徐々に迫ってきます。

集中力が切れ、ハンドル操作もアクセル操作も雑。100Rもタイヤのグリップが限界近く、外側にはらんでしまいます。

そんなところでGRスープラコーナーを超えるといよいよ後ろから車が迫ってきます。

どうしよう、よけるかどうか。

「行こう」と最終コーナーに入ります。

あれ、ブレーキが弱い(踏み込めていない)。

外に膨れる。

ハンドルを急にきると、車が制御不能に

実はこの時、自分では「あれ、なんか遅いぞ。あれ、なんか進まない。あれ、僕の車??」と、ほとんど他人事みたいな感じで自分の状況を把握できていませんでした

自分の車が制御不能になっていること、PSM(スタビリティマネジメント)が介入していることにようやく気付き、慌ててバックミラーを見ると、本当に申し訳ないことに後ろで車が待ってくれています。そこで、何とかアクセルを踏んで直線を立ち上がったのでした。

この時、ほぼパニック状態。正常時は処理できても、異常処理になると全くと言っていいほど即座に対応できないことに、後になって呆然としました。

走行している皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

やっぱり、もっと慣れて様々な状況に臨機応変に対応できるようになってからでないと危険だと認識しました。

まとめ:もう一度出直してきます

その「やってしまった」周回は下記です。

やっぱり未熟すぎです。最高速を出した時の雰囲気はわかったので、今度走る時はもう一度T-4走行枠に戻り、基本に忠実に走りなおそうと思いました。

でも、もう今シーズンはいいかな。。11月頃、まだ走りたいと思っていたら再開します。

718ボクスター、オンボードコンピュータの値。最大横加速度は1.2G程度。縦加速度も同様。どうもこのあたりが限界値?

“【それゆけ若葉6】富士スピードウェイ、憔悴のNS-4走行枠デビュー” への2件のフィードバック

  1. 初めまして。たまたま通りかかった者ですが、記事拝見致しました。
    私もいつか富士スピードウェイで走りたいと思っていましたので、結果は大変だったかもしれませんが、羨ましくもあり、今回挑戦された内容にはとても感動しました。
    今後も頑張ってください。

    1. ご返信ありがとうございます!
      こんなへっぽこでもサーキット走行を楽しめるということをお伝えしたかったので、とても嬉しいです。ぜひKakiさまがいつの日か富士スピードウェイを走られることを期待しています!

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